海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
自分が目立ったせいで、隣の人を引き立て役にしてしまった——そんな気まずさを感じた瞬間はありませんか。
そんな場面を言い表す「show someone up」が、出し抜く・恥をかかせるという意味で登場するのが『ビッグバン★セオリー』シーズン5第16話。エイミーの研究室で、雑用ばかり任されたシェルドンが不満を爆発させる場面から、一緒に見ていきましょう。
「show someone up」の意味とニュアンス
show someone up
意味:(自分が優れて見えることで)人を出し抜く、恥をかかせる、見劣りさせる
show someone up は、自分が目立つことで相手を引き立て役にし、結果的に見劣りさせる・恥をかかせるという句動詞です。実力で上回って相手を下げる、というニュアンスを持ちます。
わざと相手を出し抜く場合にも、意図せず一人だけ突出してしまう場合にも使えます。言葉で直接けなす put down とは違い、あくまで「自分が上に見える」ことで相手が割を食う、という構図が特徴です。
注意したいのは、間に人を挟まない show up(自動詞)だと「現れる、姿を見せる」という全く別の意味になる点。someone が入るかどうかで意味が大きく変わる、形の似た二つの表現として整理しておきたいところです。
【ここがポイント!】
- 自分を高く(up)見せて、相手を引き立て役にするイメージが核
- わざとでも、意図せず突出した場合でも使える表現
- 間に人が入らない show up(現れる)とは別物と区別するのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S05E16のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
休暇を持て余したシェルドンは、恋人エイミーの研究室で過ごすことに。ところがビーカー洗いや細菌の計数といった雑用ばかり任され、苛立ちを募らせます。それを「自分の才能を恐れての嫌がらせ」と解釈し、エイミーに食ってかかる場面です。
Sheldon: This is preposterous. I think you’re giving me these tasks because you’re afraid if you give me anything meaningful to do, I’ll show you up.
(ばかげてる。君が僕にこんな仕事ばかりやらせるのは、意味のある仕事をさせたら僕に出し抜かれるのが怖いからだろう)Amy: Really? Is that what you think?
(へえ。本当にそう思ってるの?)The Big Bang Theory Season5 Episode16(The Vacation Solution)
シーン解説と心理考察
自己評価の高さが全開になるシェルドンの一言に、彼というキャラクターのおかしさが凝縮されています。雑用を任されただけなのに、それを「自分の才能への嫉妬」と読み替えてしまう発想の飛躍が見どころです。
show you up という表現を、シェルドンが何のためらいもなく口にするところに、彼の自信が表れています。「君は僕に出し抜かれるのが怖いんだ」と決めつける物言いは傲慢そのものですが、本人はいたって本気で、そのギャップが笑いを生んでいます。
対するエイミーの Really? という冷ややかな受け流しも絶妙で、シェルドンの熱量とまるで噛み合っていません。二人の温度差が会話の温度を絶妙にずらしている場面です。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
舞台の上で、自分だけがスポットライトを浴びて高く(up)持ち上げられ、隣にいる人が暗がりの引き立て役になってしまう——そんな絵をイメージしてみましょう。
show は「見せる」、up は「より高く」。自分を高い位置に見せることで、相対的に相手が下がって見える。これが show someone up の作る構図です。
シェルドンが「僕に出し抜かれるのが怖いんだろう」と、自分を高く掲げてエイミーを引き下げようとするあの一言に、この上下のイメージを重ねておくと記憶に残ります。間に人が入らない show up は「現れる」、という区別も忘れずに。
例文で覚える「show someone up」
出し抜く側にも、恥をかかされる側にも立てるこの表現。3つの場面で使い方を見ていきましょう。
He always tries to show everyone up at meetings.
(彼はいつも会議でみんなを出し抜こうとする)
目立ちたがりの同僚を評する場面です。わざと自分を際立たせて周囲を引き立て役にする、典型的な使い方になります。
Don’t show me up in front of my friends.
(友達の前で私に恥をかかせないでよ)
人前でやり込められたくないときの一言です。今度は「恥をかかされる」側からの視点で、同じフレーズが使われています。
A: Sorry, I didn’t mean to show you up back there.
B: It’s fine. You just knew the answer and I didn’t.
(A:さっきは出し抜くつもりじゃなかったんだ、ごめん)
(B:いいよ。君が答えを知ってて、僕が知らなかっただけさ)
意図せず目立ってしまい弁解する会話です。I didn’t mean to show you up(出し抜くつもりはなかった)は、気まずさをやわらげる実用的な言い回しです。
あわせて覚えたい関連表現
show up
(現れる、姿を見せる)
間に人を挟まない自動詞だと「現れる」という意味。show someone up と形は似ていますが、someone が入るかどうかで意味は全く別物になります。判別の鍵は人が間に入るかどうかです。
outshine
(〜より輝く、〜を圧倒する)
こちらは純粋に「より優れて見える」表現。show someone up が持つ「相手を気まずい立場にする」というネガティブな含みは薄く、称賛寄りに使えます。
put someone down
(〜をけなす、見下す)
言葉で直接相手を下げるのが put down。実力や行動で結果的に見劣りさせる show someone up とは、相手を下げる手段が異なります。
Note|show up の二つの顔 ― 「現れる」と「出し抜く」
show up という二語は、英語学習者を少し戸惑わせる表現かもしれません。同じ綴りなのに、文の形によって意味がまるで変わるからです。
鍵になるのは、間に目的語(人)が入るかどうかです。目的語を取らない自動詞の show up は、「現れる、姿を見せる」という意味になります。He didn’t show up(彼は現れなかった)、What time should I show up?(何時に行けばいい?)のように、登場・到着を表す日常的な表現です。ところが show と up の間に人を挟んで show someone up とすると、意味は「その人を出し抜く・恥をかかせる」へと転じます。同じ二語でも、人が割り込むことで「自分が際立って相手を見劣りさせる」という対人的な構図が立ち上がるわけです。この、語順ひとつで意味が分岐する現象は、句動詞の学習でつまずきやすいポイントとしてよく挙げられます。show up の他にも、目的語の位置で意味やニュアンスが動く句動詞は少なくありません。
シェルドンの I’ll show you up も、you がしっかり間に挟まっているからこそ「君を出し抜く」になっています。もしこれが I’ll show up なら、「僕が現れる」というまるで違う宣言になっていたはずです。
人がひとり割り込むだけで、表現の顔つきが変わる一例です。
まとめ|シェルドンの自負から学ぶ「出し抜く」の一言
show someone up は、自分が際立つことで相手を引き立て役にし、見劣りさせる・恥をかかせるという句動詞です。間に人が入らない show up(現れる)との区別を押さえれば、混同せずに使えます。
この表現を知っておくと、競争や実力比べの場面、あるいは意図せず目立ってしまった気まずさを、的確に言い表せるようになります。I didn’t mean to show you up のような弁解の形も、覚えておくと便利です。
自分の才能を信じて疑わないシェルドンのあの一言を思い出しながら、表現の引き出しに加えてみてください。


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