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いつも意地悪をしてくる相手に、同じやり方でやり返してやりたい——そんな気持ちが頭をよぎったこと、ありませんか。
そんな場面にぴったりの「a taste of one’s own medicine」、自分がしてきた仕打ちを自分で味わうことを表すこの表現を、『ビッグバン★セオリー』シーズン5第21話の中盤、ハワードがシェルドンへの仕返しをバーナデットに咎められ、それを正当化するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「a taste of one’s own medicine」の意味とニュアンス
a taste of one’s own medicine
意味:自分がしてきた仕打ちを自分で味わうこと、しっぺ返し、自業自得
人にしてきた嫌なことやひどい扱いを、今度は自分が同じように受けること。give / get someone a taste of their own medicine の形で使い、「自業自得」「同じ目に遭わせる」という因果応報のニュアンスを持つ表現です。
直訳すると「自分自身の薬を味わうこと」。人に無理やり飲ませてきた苦い薬を、今度は自分が飲まされる、というイメージが核にあります。やや痛快さや皮肉を含む言い回しで、「やられっぱなしだった側がやり返す」場面でよく使われます。
医療がまだ発達していなかった時代、薬は苦くて飲みにくいものの代名詞でした。その「まずい薬」を、人に処方してきた当人が自分で飲む——この絵があるからこそ、「自分の出した苦さを自分で味わう」という因果応報の意味が、すっと伝わってきます。
【ここがポイント!】
- 核は「自分が処方した苦い薬を、自分で飲まされる」イメージ
- give / get someone a taste of their own medicine の形で使うのが定番
- 痛快さや皮肉がにじむ、「やり返し」の場面で使われる一言
『ビッグバン★セオリー』S05E21のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
シェルドンにフレンチメイド服を着せた件を、バーナデットに咎められるハワード。やりすぎだと指摘されたハワードは、日頃シェルドンから博士号がないことをからかわれ続けてきた鬱憤を持ち出して、自分の仕打ちを「仕返し」だと正当化します。
Bernadette: Why are you doing that? You’re being mean to him.
(なんでそんなことするの? シェルドンに意地悪してるじゃない)Howard: He’s mean to me all the time. You’ve heard him tease me about not having a doctorate.
(あいつだっていつも俺に意地悪だろ。博士号がないってからかうの、聞いてただろ)Bernadette: If you don’t want to get teased about that, get a doctorate. I have one, they’re great.
(からかわれたくないなら博士号を取りなよ。私は持ってるけど、いいものよ)Howard: Oh, come on, the man torments me. I’m just letting him have a little taste of his own medicine.
(勘弁してくれよ、あいつは俺を散々苦しめるんだ。ちょっと自分がやってる側を味わわせてるだけさ)The Big Bang Theory Season5 Episode21(The Hawking Excitation)
シーン解説と心理考察
ハワードが a taste of his own medicine という言い回しを選んでいるところに、彼の心理がにじみます。自分のしていることが、ただの意地悪ではなく「相応の報い」なのだと位置づけることで、罪悪感をやわらげようとしているのが伝わってきます。
「いつもやられている側がやり返す」という、溜飲を下げたい気持ちが、この一言の背景にあります。バーナデットに You’re being mean と正面から指摘されても、すぐに He’s mean to me all the time と返すあたりに、長年からかわれてきたハワードの本音が表れています。フレンチメイド服を着せ、屈辱的な課題を次々こなさせる——このエピソード全体の構図そのものを、ハワードのこの一言が言い当てていると言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
昔の薬は、苦くてまずいものの代名詞でした。人に無理やりその苦い薬を飲ませてきた誰かが、今度は自分が同じ薬を飲まされて顔をしかめる——その瞬間を思い描くと、a taste of one’s own medicine の意味が体に入ってきます。
ハワードが、いつも自分をからかうシェルドンに屈辱的な課題を次々こなさせる、このエピソードの構図と重ねてみてください。「自分が出してきた苦い薬を、自分で味わう」という因果応報のイメージが、シーンとセットで記憶に残ります。taste(味わう)と own medicine(自分の薬)を、「自分が処方した苦さを自分で飲む」と結びつけて覚えるのがコツです。
例文で覚える「a taste of one’s own medicine」
「やられてきた側がやり返す」という場面で活きる表現です。場面を変えた3つの例文で見ていきましょう。
He’s always interrupting people, so they started interrupting him — a taste of his own medicine.
(彼はいつも人の話を遮るから、みんなも彼の話を遮り始めた。自業自得だね)
いつも失礼な振る舞いをする人が、同じやり方でやり返される場面です。文末にぽんと置くと、「まさに自業自得」という皮肉の効いた締めになります。
After years of being kept waiting, she finally gave her boss a taste of his own medicine.
(何年も待たされ続けた末、彼女はついに上司に同じ思いをさせた)
立場の逆転による意趣返しを描く場面です。give someone a taste of their own medicine の形で、「同じ目に遭わせた」という能動的な仕返しを表せます。
A: Did you hear? The prankster got pranked by the whole office today.
B: Ha, a taste of his own medicine. He’s had it coming for a while.
(A:聞いた? あのいたずら好きが、今日オフィス中に仕掛け返されたんだって)
(B:はは、自業自得だね。前からそうなる気がしてたよ)
からかう側がからかわれる側に回った、痛快な状況を語る会話です。had it coming(そうなって当然だった)と組み合わせると、因果応報のニュアンスがさらにくっきりします。
あわせて覚えたい関連表現
what goes around comes around
(因果は巡る、自分の行いは自分に返ってくる)
こちらも因果応報を表しますが、「良いことも悪いことも巡って返る」という人生訓的な広い格言です。a taste of one’s own medicine は「ひどい仕打ちが同じ形で返る」点に焦点があり、より具体的で痛快な響きを持ちます。
turn the tables (on someone)
(形勢を逆転させる、立場を逆にする)
不利だった側が形勢を逆転させることを指します。a taste of one’s own medicine が「相手のやり方をそのまま相手に返す」点を核とするのに対し、turn the tables はやり方を問わず立場そのものの逆転を表します。
reap what you sow
(自分の蒔いた種は自分で刈り取る、自業自得)
自分の行いの結果を自分で引き受けるという因果応報で、聖書に由来するやや硬めの表現です。a taste of one’s own medicine は、他人が同じ仕打ちで返してくるという相互作用の要素がより強く出ます。
Note|「苦い薬」と因果応報のイメージ
a taste of one’s own medicine という表現を支えているのは、「薬は苦くてまずいもの」という、今となっては少し古い感覚です。この言い回しの背景には、人に苦い薬を飲ませてきた者が、自分で同じ薬を飲まされる、という寓話的なイメージがあります。
由来としてよく挙げられるのが、イソップ寓話の一つだとされる話です。インチキな薬を売り歩いていた者が、最後には自分の薬を飲まされる羽目になる——そんな筋立てから、「自分が人に課したものを、自分で引き受ける」という意味が広まったと言われています。確かなことは断言できませんが、薬が苦く飲みにくいものだった時代を背景にしている点は、表現のイメージとよく合っています。
現代では錠剤やシロップで飲みやすくなった薬も多いですが、それでも「良薬口に苦し」という感覚は残っています。苦い薬を「自分が他人にしてきた嫌なこと」に重ねると、このフレーズの皮肉と因果応報のニュアンスが、より立体的に見えてきます。
ハワードがシェルドンに味わわせようとしたのも、まさにこの「自分が出してきた苦さ」でした。普段の意地悪を苦い薬に見立てれば、彼の一言の意味がぐっと腑に落ちます。
苦い薬の絵を一つ思い浮かべておくと、このフレーズはもう忘れにくくなります。
まとめ|ハワードの「仕返し」から学ぶ一言
a taste of one’s own medicine は、人にしてきたひどい仕打ちを、今度は自分が同じ形で味わうことを表す表現です。自分が処方した苦い薬を自分で飲む、という絵が核にあり、痛快さや皮肉をにじませながら「自業自得」を言い表します。
この一言が引き出しにあると、立場が逆転して相手が同じ目に遭う場面を、ひと言で言い当てられるようになります。やられっぱなしだった誰かがやり返す——そんな場面を見かけたとき、表現の引き出しに加えてみてくださいね。


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