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めったにない好機を前にして、断るべきか受けるべきか、背中を押されてようやく腹を決める――そんな決断の場面、ありますよね。
そんなときに登場する「turn down an opportunity」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン5第23話の、ハワードが義父にミッションへの参加を強く後押しされるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「turn down an opportunity」の意味とニュアンス
turn down an opportunity
意味:好機を断る、チャンスを見送る
turn down は「申し出・誘い・依頼などを断る、却下する」を表す句動詞です。これに opportunity(機会)が組み合わさると、「めったにないチャンスを断る・見送る」という意味になり、しばしば「もったいない」「惜しい」という気持ちを含みます。turn down 自体は仕事のオファー、招待、提案など、断る対象が幅広いのが特徴で、turn down the offer(オファーを断る)、turn down the invitation(招待を断る)のように使えます。You can’t turn down an opportunity like this.(こんなチャンスを断っちゃだめだ)のように、好機を逃すなと相手を諭す場面で特によく耳にする表現です。
【ここがポイント!】
- 「turn down」の核は、音量つまみを下に回して小さくするイメージ
- opportunity と組むと「めったにない好機を見送る」惜しさがにじむ
- オファー・招待・提案など、断る対象の幅が広く使い回しがきく
『ビッグバン★セオリー』S05E23のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
結婚式を延期する口実をもらおうと義父を訪ねたハワードでしたが、当初ハワードを嫌っていた義父は、宇宙飛行士になるという話を聞いて見方を改めます。ミッションを避けたいハワードの思惑とは裏腹に、義父はチャンスを逃すなと強く背中を押します。
Mr. Rostenkowski: No, no, you got to go. You can’t turn down an opportunity like this.
(いや、行くんだ。こんなチャンスを断っちゃいかん。)Howard: But what about the wedding and all the money you put down for the reception?
(でも、結婚式は? 披露宴に払った前金はどうなるんです?)Mr. Rostenkowski: You let me worry about that. You go up to that space station, and you make me proud.
(それは俺に任せろ。お前は宇宙ステーションに行って、俺を誇らしくさせてくれ。)The Big Bang Theory Season5 Episode23(The Launch Acceleration)
シーン解説と心理考察
義父の You can’t turn down an opportunity like this には、ハワードへの評価が一変したことが表れています。Beatleカットの軟弱な青年と見ていた相手を、宇宙飛行士という肩書きで見直し、「断るな」と強く押す。turn down という「断る」動作を can’t(できない)で打ち消すことで、「断る選択肢などありえない」という確信が会話の温度を変えています。一方のハワードは、内心ミッションが怖く、義父に止めてもらうことを期待していました。ところが結婚式の費用まで義父が引き受けると言い出し、逃げ道が一つずつふさがれていきます。背中を押されれば押されるほど追い詰められていくという、期待と結果が真逆になる皮肉が、このやり取りに表れています。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
turn down は、ラジオやテレビの音量つまみを「下に回して」小さくする、あの動作を思い浮かべてください。差し出されたチャンスのボリュームを、自分の手でくいっと下げてゼロにする――それが「好機を断る」というイメージです。義父が You can’t turn down an opportunity と言いながら、ハワードがつまみに伸ばした手を押さえている画を重ねると、「せっかくの好機を自分から小さくして断る」感覚が残ります。down=下げる=断る、とセットで覚えておくと、turn down だけでなく後で出てくる仲間の句動詞も理解しやすくなります。
例文で覚える「turn down an opportunity」
turn down は、オファーから招待まで、さまざまな「断る」場面で活躍します。3つの例文で、好機を見送るときの使い方を見ていきましょう。
You shouldn’t turn down an opportunity to study abroad.
(留学のチャンスを断るべきじゃないよ。)
進路について助言する場面です。劇中の義父と同じく、「めったにない好機を見送るな」と相手を諭す、典型的な使い方です。
She turned down the job offer to stay close to her family.
(彼女は家族のそばにいるために、その仕事のオファーを断った。)
オファーを断った理由を語る場面です。turn down the offer は最もよく使われる組み合わせで、ビジネスの文脈で頻出します。
A: They asked me to lead the new project, but I’m not sure.
B: Are you serious? You can’t turn down an opportunity like that!
(A:新しいプロジェクトのリーダーを頼まれたんだけど、迷ってるんだ。)
(B:本気で言ってるの? そんなチャンスを断っちゃだめだよ!)
仕事仲間が決断を後押しする会話です。劇中の義父のセリフとほぼ同じ形で、「断るなんてありえない」と強く背中を押すニュアンスがよく出ています。
あわせて覚えたい関連表現
pass up
((好機を)見送る、逃す)
pass up は「みすみす逃す」が中心で、opportunity や chance と特に相性のよい表現です。turn down が「申し出を断る」と、誘いや依頼にも広く使えるのに対し、pass up は「好機を逃す」場面に寄ります。
decline
((丁寧に)断る、辞退する)
decline は一語で「断る」を表すフォーマルな動詞です。turn down より硬く、ビジネス文書やかしこまった場面に向いています。同じ断るでも、口語か文語かで使い分けます。
reject
(はねつける、却下する)
reject は強く拒絶するニュアンスを持ちます。turn down のほうが角が立たず柔らかいので、相手の申し出を穏やかに断りたいときは turn down が適しています。
Note|down が「却下・拒絶」を背負う句動詞たち
turn down の turn はわかるとして、なぜ down が付くと「断る」になるのでしょうか。実はこの down には、英語の句動詞に共通する一つの役割が隠れています。
turn down の down は、「下げる・低くする」というイメージから、「却下する・拒む」という意味へと比喩的に広がったとされます。そして同じ down を持つ句動詞を見渡すと、「却下・拒絶」を担う仲間がいくつもあることに気づきます。たとえば vote down は「投票で否決する」、shoot down は「(提案などを)却下する・撃ち落とす」、knock down は「(値段や主張を)切り下げる・退ける」。いずれも、相手から差し出されたものを「下へ押し下げて」退ける、という共通の方向感を持っています。これは up が「持ち上げる・受け入れる・活性化する」方向(例:take up, bring up)を担うのと、ちょうど対をなす関係です。down は物理的な下方向だけでなく、「拒む・退ける」という心理的な下方向まで引き受けているわけです。
この方向の感覚をつかんでおくと、turn down を「チャンスを下へ押し下げて退ける」とイメージでき、初めて見る down 系の句動詞にも、なんとなく「却下」のにおいを感じ取れるようになります。義父が turn down を can’t で打ち消したのも、「下げるな、退けるな」という強い後押しだったと読めます。
小さな down 一語が、拒絶の方向を静かに指し示しています。
まとめ|義父の後押しから学ぶ「断る」のひとこと
turn down an opportunity は、めったにない好機を断る・見送ることを表す表現です。turn down 自体はオファーや招待など幅広い対象を断れる便利な句動詞で、opportunity と組むと「もったいない」という惜しさまで伝わります。
このフレーズが手元にあると、何かを断る・辞退するという行為を、口語らしい自然な言い回しで表せるようになります。decline のような硬さを避けつつ、reject ほど強くなりすぎない、ちょうどいい距離感の「断る」が手に入ります。
義父がハワードに「断るな」と迫ったあの場面を思い出しながら、好機をめぐる決断を語りたいときに、表現の引き出しに加えてみてください。


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