「play dumb」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S06E09で学ぶ英会話

「play dumb」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手は絶対に知っているはずなのに、しれっと「知らない」という顔をする——そんな態度に、思わずカチンときたことはありませんか。

知っているのに知らないふりをする「play dumb」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン6第9話、車をレッカー移動された犯人を思い込みで決めつけたエイミーが、バーナデットに詰め寄るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「play dumb」の意味とニュアンス

play dumb
意味:とぼける/しらを切る/知らないふりをする

直訳は「愚か者を演じる」です。play は「(役を)演じる」、dumb は古い意味で「もの言わぬ・愚かな」。つまり「わざと愚か者の役を演じる」ことから、「本当は分かっている・知っているのに、知らないふり・無関係なふりをする」という意味になります。

責任逃れのため、相手の出方を探るため、あるいは面倒を避けるためなど、「知らないふり」をする理由はさまざまです。Don’t play dumb. (とぼけないで)のように、相手のしらばっくれを責める形でよく使われますが、I decided to play dumb. (知らないふりをすることにした)のように、自分があえて惚けるという使い方もできます。芝居がかった「わざとらしさ」が含まれるため、責めるトーンを帯びやすいのが特徴です。

【ここがポイント!】

  • 核は「わざと愚か者の役を演じる」という芝居のイメージ
  • 知っているのに知らないふりをする、という含みのある一言
  • Don’t play dumb で「とぼけないで」と相手を責める定番の形

『ビッグバン★セオリー』S06E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

エイミーは、自分の車をレッカー移動させた犯人をハワードだと思い込み、その妻であるバーナデットに詰め寄ります。冷静に状況を確かめようとするバーナデットの態度を、エイミーは「とぼけている」と受け取ります。ところが、本当の犯人は当のバーナデット——という展開が、この一言を二重に効かせます。

Bernadette: That doesn’t make sense. Sheldon doesn’t have a spot. Was it maybe in Howard’s spot?
(おかしいわね。シェルドンに駐車スペースなんてないでしょ。ハワードのスペースじゃなくて?)

Amy: Don’t play dumb with me, sister. You tell your husband he owes me two hundred dollars.
(とぼけないでよ。旦那に200ドル返せって言いなさい)

The Big Bang Theory Season6 Episode9(The Parking Spot Escalation)

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シーン解説と心理考察

エイミーは怒りで頭に血が上り、相手が本当に事情を知らない可能性を考えようとしません。だからこそ、冷静に確認するバーナデットの態度すら「しらばっくれ」に見えてしまう。思い込みが視野を狭めていく様子が、この一言ににじむ場面です。

皮肉なのは、エイミーが「とぼけないで」と責めた相手こそが、実は本当の犯人だという点です。バーナデットが本心から戸惑っているのか、それとも自分の仕業を知りつつ惚けているのか——その絶妙な間を、観客だけが見抜ける構図になっています。すれ違ったまま強気で押すエイミーと、まだ真相を明かさないバーナデットのやり取りが、後の種明かしへの伏線として響きます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

舞台の上で、わざと「何も知らない間抜けな役」を演じている自分を思い浮かべてください。play は役を演じること、dumb は「もの言わぬ・愚かな」。つまり play dumb は「愚か者の役を演じる=知らないふりをする」というわけです。

劇中ではエイミーが「Don’t play dumb(その芝居はやめて)」と詰め寄りますが、皮肉にも本当の犯人はバーナデットでした。「知っているくせに、知らない役を演じる」という芝居のイメージと結びつけておくと、とぼける相手を前にした場面でぱっと出てきます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「play dumb」

知っているのに知らないふりをする、という含みを伝えたいときに使える表現です。場面のフォーマル度を変えながら3つの使い方を見ていきましょう。

Don’t play dumb—I know you read my message.
(とぼけないで。私のメッセージ読んだの分かってるんだから)
相手のごまかしを問い詰める場面です。劇中と同じく、Don’t play dumb で「しらばっくれないで」と責める典型的な使い方になります。

When the boss asked who broke the printer, everyone just played dumb.
(誰がプリンターを壊したのか上司が聞くと、全員がしらを切った)
職場で、責任逃れが起きる場面です。集団でいっせいに惚ける、という状況にも自然に使えます。

A: Wait, you really don’t know about the surprise party?
B: What party? I have no idea what you’re talking about.
A: …You’re playing dumb so well, I almost believe you.
(A:え、サプライズパーティーのこと本当に知らないの?)
(B:何のパーティー?さっぱり分からないんだけど)
(A:…とぼけるのが上手すぎて、危うく信じそうになったよ)
善意で秘密を守るために、あえて惚ける場面です。play dumb が必ずしも悪意とは限らないことが、会話の流れから伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

act innocent
(何も知らないふり/潔白なふりをする)
「無実・潔白を装う」点に焦点があります。play dumb が「無知を装う」のに対し、こちらは「自分は悪くない」というふりに重きを置く違いがあります。

feign ignorance
(無知を装う)
feign は「装う」を表すやや硬い動詞で、フォーマルな響きです。意味は play dumb とほぼ同じですが、こちらは文章や改まった場面で使われます。

pretend not to know
(知らないふりをする)
最も直接的で中立な言い方です。play dumb のような「わざとらしさ・芝居がかった感じ」は薄く、淡々と事実を述べる表現になります。

Note|dumb の意味の変遷:「もの言わぬ」から「愚か」へ

play dumb の dumb は、今では「愚かな」の意味で知られていますが、もともとはまったく別の意味を持っていました。

dumb は本来、「口がきけない・もの言わぬ」を意味する語でした。動物が言葉を話さないことを dumb animals と表したり、無言の様子を strike dumb(絶句させる)と言ったりするのは、この古い意味の名残です。そこからやがて、「ものを言わない=知性が感じられない」という連想を経て、「愚かな・頭が悪い」という意味が加わっていったとされます。play dumb の dumb は、この後者の「愚か」の用法で、「わざと愚か者を演じる=知らないふりをする」という比喩が成り立っています。なお、英語には play +(状態)で「その役を演じる=〜のふりをする」という構文が豊富で、play dead(死んだふり)、play hard to get(なびかないふり)、play it cool(平静を装う)などが仲間です。

この構文ごと押さえておくと、play dumb の「ふりをする」という核が、より立体的に見えてきます。

dumb の意味の歴史を知ると、何気ない一言の奥行きが感じられます。

まとめ|エイミーの空回りから学ぶこと

play dumb は、「わざと愚か者の役を演じる」というイメージから生まれた、「とぼける・知らないふりをする」という表現です。Don’t play dumb の形で相手を責めることも、あえて自分が惚けることもでき、含みのあるニュアンスを一言で伝えられます。

play +(状態)の構文仲間とあわせて覚えておくと、「〜のふりをする」という表現の幅がぐっと広がります。

「とぼけないで」と責めた相手が実は真犯人だった——エイミーの空回りが、この一言を二重に際立たせる場面でした。

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