海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
相手が仕掛けてきた駆け引きに、「そっちがその気なら、こっちにも考えがある」と言い返したくなる瞬間、ありますよね。
そんなときにぴたりとはまる「two can play this game」、こっちにも同じ手があるぞ・やられたらやり返すという意味のこの決まり文句を、『ビッグバン★セオリー』シーズン6第16話の中盤、レナードがペニーの元カレに対抗心を燃やすレストランのシーンから、一緒に見ていきましょう。
「two can play this game」の意味とニュアンス
two can play this game
意味:こっちにも同じ手があるぞ、やられたらやり返す
直訳すると「このゲームは二人でもプレイできる」。相手が仕掛けてきた策略・駆け引き・挑発に対して、「自分にも同じことができるんだ」と対抗や報復を宣言する決まり文句です。
争いごとや駆け引きを「ゲーム」に見立てる英語の発想から生まれた表現で、挑発への切り返しとしてよく使われます。this game の代わりに that game とも言い、意味はほぼ同じです。激しい対立というより、少しユーモラスな対抗心や、軽い意地の張り合いの場面にも使いやすいのが特徴です。
【ここがポイント!】
- 「このゲーム、二人でできるんだぞ」が直訳で、それが核のイメージ
- 相手の駆け引きや挑発に「こっちも同じ手で返す」と宣言する一言
- this game でも that game でも、ほぼ同じ意味で使える
『ビッグバン★セオリー』S06E16のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ペニーとのダブルデート中のレストランで、ペニーをかつて裏切った元カレが、よりによって浮気相手のグレッチェンにその場でプロポーズします。ショックを受けるペニーを見て、レナードは負けてはいられないと立ち上がります。
Gretchen: Oh, my God, yes. Of course I’ll marry you.
(まあ、ええ。もちろん結婚するわ。)Leonard: Two can play this game. Penny…
(こっちだって同じことができるんだ。ペニー…)Penny: Get up.
(立って。)The Big Bang Theory Season6 Episode16(The Tangible Affection Proof)
シーン解説と心理考察
元カレがプロポーズという「ロマンスのゲーム」を仕掛けてきたのを見て、レナードはとっさに「そのゲーム、こっちもできるぞ」と立ち上がります。普段は控えめな彼が、競争心からいきなり大胆な行動に出ようとするギャップが、会話の温度を一気に変えています。
その勢いは、ペニーの「立って」という短い一言であっさり制止されます。意気込んで腰を上げた直後にブレーキをかけられる——その間の悪さが、コメディとしてのキレを生んでいます。
元カレに張り合いたい対抗心と、傷ついたペニーを元気づけたい思いが、この一言には入り混じっています。勢いだけで突っ走ろうとするレナードの不器用さが、にじむ場面です。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
「このゲームは二人でプレイできる(two can play)」を、文字通りの絵で思い浮かべてみてください。相手が一人で勝手にゲームを始めたつもりでも、「いや、それ二人でやるゲームだから。こっちも参加するよ」と割って入るイメージです。
そこに、元カレのプロポーズに対抗して立ち上がり、ペニーに止められるレナードの姿を重ねておくと、フレーズの「やり返すぞ」というニュアンスと、その勢いの可笑しさが一緒に思い出せます。
例文で覚える「two can play this game」
相手の駆け引きや意地悪に「負けないぞ」と返したいときに活躍する表現です。3つの場面で使い方を見ていきましょう。
So you’re ignoring my messages? Fine. Two can play that game.
(私のメッセージを無視するわけ? いいわ。こっちだって同じ手があるんだから。)
相手の無視に対抗する場面です。that game の形でも、意味はまったく同じように伝わります。
They lowered their prices to beat us, but two can play this game.
(向こうは値下げで勝とうとしているが、こっちも同じ手が使えるんだ。)
ビジネスの駆け引きでも使えます。競合の戦略に対抗する姿勢を、ひと言で示せます。
A: He keeps trying to make me jealous.
B: Then two can play this game. Just stay calm and do the same.
(A:彼、私をやきもちさせようとばかりしてくるの。)
(B:なら、こっちも同じ手でいけばいい。落ち着いて、同じことをするのよ。)
恋愛の相談に答える会話での返し方です。劇中の対抗心の文脈にも近い使い方になります。
あわせて覚えたい関連表現
give someone a taste of their own medicine
(相手に同じ仕打ちを味わわせる、しっぺ返しする)
相手がやったことを、そっくりそのまま返す報復に焦点があります。two can play this game が「自分にも同じ手がある」という対抗宣言で、実行前の段階でも使えるのとは少し違います。
turn the tables
(形勢を逆転させる、立場を入れ替える)
不利な状況をひっくり返す「逆転」に焦点があります。two can play this game は「対等にやり返す」ニュアンスで、必ずしも逆転までは意味しません。
fight fire with fire
(同じ手段で対抗する、毒をもって毒を制す)
相手と同じ攻撃的な手段で立ち向かう点が共通します。two can play this game より対立が激しめで、こちらは駆け引きへの軽い切り返しにも使いやすい表現です。
Note|「報復」を表す英語表現の温度差
「やり返す」と言っても、その強さや温度は表現によってずいぶん違います。三つほど並べてみると、その差がよく見えてきます。
まず two can play this game は、報復の表現の中ではかなり「軽い」部類に入ります。相手の駆け引きや挑発に対して、「こっちも同じ手が使えるんだぞ」と宣言する段階の言葉で、実際に仕返しを実行する前の、いわば構えの一言です。これに対して give someone a taste of their own medicine は、相手がやった仕打ちを「同じように味わわせる」という、より具体的な報復に踏み込みます。さらに温度が高いのが fight fire with fire で、火には火を、攻撃には攻撃を、と相手と同じ激しい手段で真っ向からぶつかる対立を表します。同じ「やり返す」でも、two can play this game がコメディの軽い意地の張り合いに似合うのに対し、fight fire with fire はもっと深刻な争いの場面に向く、という温度差があるわけです。
こうして並べると、レナードの two can play this game が、本気の報復ではなく、勢い任せの軽い対抗心だったことがよく分かります。だからこそ、ペニーの一言ですぐに引っ込められたのです。
「やり返す」にも段階がある——その温度差を覚えておきたい一語です。
まとめ|レナードの空回りから学ぶこと
two can play this game は、相手の駆け引きや挑発に「こっちにも同じ手がある」と返す、対抗宣言の決まり文句でした。激しい報復というより、軽い意地の張り合いにも使える点が特徴です。
この一言を知っておくと、やられっぱなしではなく「こっちも黙ってないぞ」という構えを、軽やかに言葉にできるようになります。
意気込んで立ち上がった直後にペニーに止められるレナードの姿は、対抗心が空回りする可笑しさと、それでも相手を思う不器用な優しさを、ひとつの場面に重ねて見せてくれました。


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