「farm something out」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S06E16で学ぶ英会話

「farm something out」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

自分の手に余る作業を、いっそ誰かにまるごと任せてしまいたい——仕事でも家事でも、そんなふうに思う場面は誰にでもあるはずです。

今回の「farm something out」、仕事などを外部に委託する・外注するという意味のこの句動詞を、『ビッグバン★セオリー』シーズン6第16話の中盤、シェルドンがバレンタインのギフト選びをアシスタントに丸投げするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「farm something out」の意味とニュアンス

farm something out
意味:仕事などを外部に委託する、外注する

自分や自社で抱えきれない作業を、外部の人や業者に任せる、という意味の句動詞です。ビジネスで業務委託や下請けを指す定番表現として広く使われます。

語源には諸説ありますが、farm にはもともと「貸し出す・請け負わせる」という古い語義があり、そこから「自分でやらず外部に任せる」という一般的な意味へ広がったとされます。よりフォーマルな outsource と意味は近いものの、farm out のほうが会話的で、少しくだけた響きを持ちます。社内の部下に任せる delegate とは異なり、基本的には「外へ出す」ニュアンスが核になります。

【ここがポイント!】

  • 自分の手に余る作業を「外へ出して」任せる、というのがコアの意味
  • outsource より会話的で、くだけた場面になじむ表現
  • 社内に任せる delegate と違い、「外部へ」のニュアンスが基本

『ビッグバン★セオリー』S06E16のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

シェルドンは、本来は研究補助のために雇ったアシスタントのアレックスに、エイミーへのバレンタインギフト選びを丸投げします。アレックスがエイミーのSNSまで調べて提案したことに感心し、自分の判断は正しかったと胸を張ります。

Alex: I went on Amy’s Facebook page and read up on her interests.
(エイミーのフェイスブックを見て、彼女の興味について調べました。)

Sheldon: Now, see, I never would have thought to do that. Clearly, I made a good choice farming this out to you.
(ほら見ろ、僕ならそんなこと思いつきもしなかった。これを君に外注したのは、明らかに正解だったな。)

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シーン解説と心理考察

恋人への贈り物選びという、本来は最も人に任せにくい作業を、シェルドンは平然と「外注」します。farm this out という言葉選びそのものに、感情労働さえも効率的にアウトソースすべき雑務とみなす、彼独特の合理主義が表れています。

しかも、アレックスがFermilabの職を蹴ってまで来た優秀な人材であることへの敬意は、ここにはまったくありません。相手の労力を当然のように使いながら「外注して正解だった」と自賛する——その傲慢さが、いっそ清々しいほどです。

自分の判断は常に正しいという揺るぎない自信が、この一言ににじみます。直後から提案に次々とケチをつけ始めるあたりも含め、シェルドンらしさが凝縮された場面と言えます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

farm(農場)という単語が入っているので、「自分の畑の作業を、よその農家に out(外へ)出して耕してもらう」という絵で覚えると定着しやすくなります。手に余る仕事を、外の畑に預けて育ててもらうイメージが、そのまま「外注する」の意味につながります。

そこに、最も外注に向かない「恋人へのギフト選び」を平然と farm out してしまうシェルドンの姿を重ねておくと、フレーズの意味と、その使いどころの可笑しさが一緒に思い出せます。

例文で覚える「farm something out」

自分で抱えきれない作業を「外に任せる」と言いたいときに活躍する表現です。3つの場面で使い方を見ていきましょう。

We decided to farm out the design work to a freelancer.
(デザイン業務はフリーランスに外注することにしました。)
業務分担を会議で決める場面です。「外部に任せる」という判断を、簡潔に伝えられます。

I was too busy, so I farmed out the cooking to a caterer.
(忙しすぎたので、料理はケータリング業者に任せたよ。)
日常の場面でも自然に使えます。自分でやりきれない作業を、外の人に預けたニュアンスが出ます。

A: How did you finish the whole project so fast?
B: We farmed part of it out to an overseas team.
(A:どうやってあのプロジェクトをそんなに早く終わらせたの?)
(B:一部を海外チームに外注したんだ。)
仕事の進め方を尋ねる会話での返し方です。part of it と組み合わせて「一部だけ外注した」と細かく伝えられます。

あわせて覚えたい関連表現

outsource
(外部委託する、アウトソースする)
farm out とほぼ同義ですが、よりフォーマルでビジネス文書向きです。farm out が会話的なのに対し、こちらは書き言葉でも使いやすい表現です。

delegate
(権限や仕事を委任する、任せる)
組織内の部下やチームに任せる場合に使います。farm out が「外部へ出す」のに対し、こちらは社内で任せるニュアンスが基本という違いがあります。

contract out
(契約で外注する、下請けに出す)
契約に基づく業務委託を強調する表現です。farm out より、手続きや契約の存在を意識させる響きがあります。

Note|「農場」がなぜ「外注」になったのか

farm out という句動詞をよく見ると、「なぜ農場(farm)が外注を意味するのか」という素朴な疑問が湧いてきます。

その答えは、farm という語の意外な歴史にあります。現代では「農場」が真っ先に思い浮かびますが、もともと farm には「一定の料金で権利を貸し出す・請け負わせる」という古い語義がありました。中世ヨーロッパでは、領主が税の徴収権を外部の業者に貸し出す「徴税請負(tax farming)」という仕組みが広く行われており、この farm はまさに「請け負わせる」の意味で使われていたとされます。つまり farm の核には、もともと「自分でやらず、外部に任せて収益や成果を得る」という発想があったわけです。やがてこの「外部に委託する」という語義が一般化し、farm out という形で「作業を外に出す」という現代的な意味に落ち着いたと考えられています。「農場」と「外注」という一見無関係な二つの意味が、実は同じ根からのびた枝だったというのは、英語の語源の面白いところです。

この背景を知ると、シェルドンの farm this out が、単に「任せた」以上に「請け負わせた」という上から目線のニュアンスを帯びて聞こえてきます。

ひとつの単語の奥に、思わぬ歴史が眠っている一語です。

まとめ|シェルドンの「外注」から学ぶこと

farm something out は、自分の手に余る作業を外部に委託する、という意味の句動詞でした。outsource よりも会話的で、日常にもビジネスにもなじむ便利な表現です。

この一言を知っておくと、「人に任せた」という事実を、ニュアンス豊かに伝え分けられるようになります。社内なら delegate、外部なら farm out、と使い分ける感覚も身についていきます。

恋人へのギフト選びさえ平然と「外注」してしまうシェルドンの姿は、合理主義を突き詰めると人はどこまで割り切れるのか、という問いをコミカルに見せてくれる場面でした。

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