「and then some」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S07E01で学ぶ英会話

「and then some」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

「100点満点だった?」と聞かれて、「それどころじゃないよ」と胸を張りたくなる。そんな、期待を上回る出来事に出会った経験はありませんか。

そんなときにぴったりの「and then some」、それ以上だ・おまけ付きで、という表現を、『ビッグバン★セオリー』シーズン7第1話の後半、パーティでラージが自分の手柄を誇らしげに語るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「and then some」の意味とニュアンス

and then some
意味:それ以上だ、おまけ付きで、さらにもっと

and then some は、直前に述べられた量や程度を受けて、「それに加えて、さらにもっと」と上乗せする決まり文句です。「十分すぎるほど」「むしろそれ以上」と強調したいときに使われます。

特徴的なのは、単独でぽんと返す使い方ができることです。相手が示した見積もりや評価に対して、「And then some.(いや、それ以上さ)」と一言返すだけで、「あなたの言ったライン、さらにその上だよ」という意味になります。

文末に添えて、「…, and then some.」の形で使うこともできます。正確な数字を言わずに「それを超えてもっと」とぼかすことで、かえって強調が効く。そんな英語らしい言い回しです。

【ここがポイント!】

  • 直前の量・程度に「さらにもっと」を上乗せする決まり文句
  • 単独で「And then some.」とぽんと返せるのが便利
  • 量をぼかすことで、かえって強調が効く一言

『ビッグバン★セオリー』S07E01のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

パーティで、ラージが人事部のデイビスさんに失礼な発言をしてしまい、その後きちんと謝罪します。思いがけず打ち解けた会話ができたことを、ラージがハワードに誇らしげに報告する場面が見どころです。

Howard: Looks like she accepted your apology.
(謝罪を受け入れてもらえたみたいだな)

Raj: And then some. I think we had a moment.
(それ以上さ。いい雰囲気になったと思うんだ)

Howard: Oh, please, you did not have a moment.
(よせよ、いい雰囲気になんかなってないって)

The Big Bang Theory Season7 Episode1(The Hofstadter Insufficiency)

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シーン解説と心理考察

ハワードの「謝罪を受け入れてもらえたみたいだな」という確認に対し、ラージが And then some と返すこの一瞬に、フレーズの働きがくっきり表れています。「受け入れてもらえた、どころかそれ以上さ」という上乗せの誇張が、たった三語に凝縮されているのが見どころです。

ラージの心理は、舞い上がりそのものです。長らく女性とまともに話せなかった彼にとって、デイビスさんと打ち解けたことは大きな自信になっています。その高揚が、And then some という強気な一言ににじみます。

すかさずハワードが「いい雰囲気になんかなってない」と冷や水を浴びせるのも、この二人ならではの掛け合いです。ラージの誇張と、それをからかうハワード。and then some が、その温度差を生む起点として響きます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

and then some を覚えるなら、コップに注がれる水をイメージしてみてください。

相手が「ここまで?」と、コップの八分目あたりの線を示す。それに対して and then some は、なみなみと縁まで注いだうえに、さらに数滴あふれさせる。その「+α」のひと盛りが、この表現の核です。

ラージが「謝罪を受け入れてもらった」程度では満足せず、「And then some(それ以上さ!)」と胸を張る姿を思い浮かべましょう。示された基準線を、ひょいと飛び越えて上乗せする。その満ちあふれる感じを、コップからあふれる水のイメージと結びつけておくと、使いどころがぱっと浮かびます。

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例文で覚える「and then some」

上乗せして強調するこの表現を、3つの例文で見ていきましょう。

A: Did it cost a hundred dollars?
B: And then some.
(A:100ドルもしたの?)
(B:それ以上だよ。)
金額を控えめに聞かれて、上乗せして返す会話です。And then some だけで「その額を超えてもっとかかった」と伝わる、単独で返す典型的な使い方になります。

She did everything I asked, and then some.
(彼女は頼んだことを全部、いやそれ以上にやってくれた)
期待を超える働きを評価する場面です。文末に添えて、「依頼した以上のことまでやってくれた」という感謝の気持ちを表しています。

The new job is challenging, and then some.
(新しい仕事は手応えがある。いや、それ以上だ)
大変さを控えめに言いつつ、実は強調する場面です。「challenging どころじゃない」という、ややおどけた響きを添えられます。

あわせて覚えたい関連表現

if not more
(いや、それ以上かもしれない)
and then some と同じく上乗せする表現ですが、こちらはややフォーマルで控えめです。書き言葉にもなじみ、「同じくらい、いやそれ以上」と慎重に上を示すときに使えます。

and more
(そしてさらに)
シンプルに「さらに」と付け足す表現です。and then some が持つ、口語的でちょっと得意げな決め台詞の響きはなく、より中立的に量を足すニュアンスになります。

to boot
(おまけに、その上)
別の要素を付け足す「おまけに」という表現です。and then some が「同じ尺度でそれ以上」と量を上乗せするのに対し、to boot は「加えて、別のことも」と異なる要素を足す違いがあります。

Note|数字を言わずに「それ以上」を伝える話法

and then some の面白さは、「どれだけ?」を決して数字で答えないところにあります。

このフレーズは、正確な量を示さないことで、かえって強調を生み出す表現です。たとえば「費用は100ドルを超えた、and then some」と言うとき、話し手は「いくら超えたのか」を明かしません。120ドルなのか200ドルなのかは、あえて言わない。この「ぼかし」こそが、聞き手の想像をかき立て、「相当なものだったんだな」という印象を残します。英語には、こうした「控えめに見せて、実は強調する」話法がいくつもあります。and then some のほかにも、if not more(いや、それ以上かも)や、you have no idea(想像もつかないよ)といった表現が、数字や具体を避けながら程度の大きさを伝えます。直接「すごく多い」と言うより、相手に余白を残して想像させるほうが、時に強く響く。そんな言葉の機微が、これらの表現には共通しています。

ラージが And then some と返したのも、まさにこの話法です。「どれくらいいい雰囲気だったのか」を語らず、ただ「それ以上」とだけ言うことで、彼の高揚と自信が伝わってきます。

言わないことが、雄弁に語る。そんな表現なのですね。

まとめ|ラージの「それ以上さ」に学ぶ

and then some は、直前の量や程度に「さらにもっと」を上乗せして強調する表現です。正確な数字を言わずにぼかすことで、かえって強い印象を残せるのが、この一言の妙味です。

相手が示したラインを、ひょいと飛び越えて「いや、それ以上だよ」と返す。単独でも文末でも使えるこの表現があれば、控えめでいて自信のこもった、英語らしいニュアンスを会話に添えられます。

謝罪が受け入れられた以上の手応えを「And then some」と誇らしげに語ったラージのように。期待を上回る何かを伝えたい場面で、会話のレパートリーに加えてみてください。

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