「lead someone astray」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S07E02で学ぶ英会話

「lead someone astray」の意味と使い方を解説

誰かが悪い影響を受けて道を踏み外してしまう ―― そんな状況を英語で言い表したいとき、lead someone astray という表現が役立ちます。「人を悪い道に引き込む」「惑わせて間違った方向に導く」という意味です。『ビッグバン★セオリー』シーズン7エピソード2では、拗ねたシェルドンがペニーを「親友を堕落させた存在」と責め、その言い分をエイミーが伝える場面でこの表現が登場します。astray という少し見慣れない単語も、分解して見れば意外と親しみやすくなります。

目次

「lead someone astray」の意味とニュアンス

lead someone astray は「人を(道徳的・行動的に)悪い方向へ導く」という意味です。astray は「正しい道・本来の道から外れて」を表す副詞で、lead(導く)と組み合わさることで「正道から外れた方へ人を連れていく」イメージになります。

ニュアンスには、やや道徳的・古風な響きがあります。単なる「間違いに導く」よりも、「本来あるべき正しい状態から逸脱させる」という重みを持っています。主語を人に限らず、物事を主語にして「惑わせる・狂わせる」の意味でも使えます。なお、自分が道を外れる場合は go astray となり、lead someone astray は「他人を外れさせる」点が違いです。

【ここがポイント!】

astray = 正しい道から外れて。lead someone astray で「人を悪い道へ導く」。自分が外れるなら go astray、人を外れさせるなら lead astray、と主語で区別します。

シーンで見てみよう

レナードが帰宅を黙っていた件でシェルドンが拗ね、その怒りはペニーにまで向いています。階段の踊り場で、エイミーがペニーにシェルドンの言い分を伝えます。

Penny: He’s still mad at Leonard, huh?
(まだレナードに怒ってるの?)
Amy: Well, he’s mad at you, too. He says you’re the succubus who led his friend astray.
(それがね、あなたにも怒ってるの。あなたは友達を惑わせたサキュバスだ、って言ってる。)
Penny: I don’t know what a succubus is, but it has “suck” in it, so that can’t be good.
(サキュバスが何かは知らないけど、suck が入ってるから、ろくなものじゃないわね。)

The Big Bang Theory Season7 Episode2 (The Deception Verification)

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シーン解説と心理考察

シェルドンの理屈の中では、レナードが自分に隠れてペニーと過ごしたのは「ペニーが親友を誘惑して道を踏み外させたせい」という、被害者的な構図になっています。led his friend astray という道徳色の強い言い回しを、succubus(男を誘惑する女の悪魔)という大げさな語とセットで使うところに、シェルドンの拗ねっぷりの滑稽さが表れています。

この理屈を、エイミーが淡々とペニーに取り次ぐ温度感も見どころです。そしてペニーが succubus の意味を知らないまま、語の中の suck(最悪、の意の俗語)だけを頼りに「ろくなものじゃない」と察するオチが効いています。難しい単語の響きから意味を推し量るペニーの反応が、astray や succubus という硬い語をやわらかく着地させている場面と言えます。

覚え方のコツ

astray を a + stray と分解してみるのがコツです。stray は stray dog(野良犬・はぐれ犬)の stray で、「さまよう・本来の場所からはぐれる」という意味を持っています。つまり astray は「正しい道からはぐれてさまよっている」状態。そこに lead(導く)が付けば、誰かの手に引かれて正道からそれていくイメージになります。飼い主とはぐれた犬がさまよう姿を思い浮かべ、それを誰かが悪い方へ手引きする ―― そう映像化すると、lead someone astray が記憶に残ります。

例文で覚える

「悪い影響で道を踏み外す(させる)」文脈で活躍します。物事を主語にした応用も効きます。

His new friends led him astray, and his grades started slipping.
(新しい友達に悪い道へ引き込まれて、彼の成績は落ち始めた。)

Don’t let flashy advertising lead you astray when you shop online.
(ネット通販では、派手な広告に惑わされないようにね。)

A: Why did the whole report come to the wrong conclusion?(なぜ報告書全体が間違った結論になったの?)
B: One misread number led the entire analysis astray.(数字を一つ読み違えたせいで、分析全体が狂ったんだ。)

人の影響、広告のような物事、データの誤りまで、「正しい方向から外れさせる」状況に幅広く使えます。

あわせて覚えたい関連表現

go astray
(道を外れる/紛失する)
lead someone astray が「他人を外れさせる」のに対し、go astray は主語自身が外れます。手紙や荷物が「行方不明になる」意味でも使われます。

mislead
(誤解させる/間違った方へ導く)
情報や説明で人を「誤った理解に導く」ニュアンス。道徳的というより、事実認識を誤らせる場面で使われます。lead astray より中立的です。

corrupt
(堕落させる/腐敗させる)
より強く、人の道徳や制度を根本から腐らせる響きです。lead astray が「間違った方へ導く」のに対し、corrupt は「すっかり悪に染める」重さがあります。

Note|astray の中の「stray」―― 野良犬とさまよう心の意外なつながり

lead someone astray の astray。この単語、実は身近な言葉と地続きです。

astray は a-(〜の状態へ)と stray(さまよう)が結びついた形と考えられています。そして stray は、stray dog(野良犬・はぐれ犬)や stray cat(野良猫)でおなじみの、あの stray です。動詞としての stray は「(本来いるべき場所から)それる・さまよう・はぐれる」を意味します。

つまり astray の核には、「あるべき道筋からはぐれて、さまよっている」というイメージがあります。飼い主からはぐれた犬が街をさまようように、人や物事が「正しい道」から離れてしまう ―― それが astray の世界観です。go astray なら自分がさまよい出る、lead someone astray なら誰かの手に引かれてさまよい出る、というわけです。

この語にうっすらと道徳的・宗教的な香りがあるのも、ここに理由があります。説教や教訓の文脈では、人が正しい生き方から「迷い出る(go astray)」という言い方が古くから使われてきました。だから astray は、くだけた日常会話よりも、人の生き方や倫理を語る場面で重みを持ちます。

stray dog のさまよう姿を思い浮かべれば、astray の「道を外れる」イメージは忘れません。身近な野良犬と、道を踏み外す心。一見遠いこの二つが、同じ一語でつながっているのが分かります。

まとめ|「道を外れさせる」をひとことで

lead someone astray は「人を悪い道に引き込む」「惑わせて間違った方向に導く」を表す表現です。astray は「正しい道から外れて」を意味し、自分が外れるなら go astray、人を外れさせるなら lead astray と主語で使い分けるのが基本と言えます。

astray の中に stray dog の stray が隠れていると気づけば、この少し硬い単語もぐっと身近になります。go astray、mislead、corrupt と並べれば、「道を外れる・外れさせる」英語のグラデーションも見えてきます。シェルドンの大げさな非難とともに、印象に残しておきたい一語です。

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