海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「これ商品化したら売れるんじゃない?」と、半分冗談、半分本気で口にしたことはありませんか。
今回は、「大儲けする・一財産築く」を表す「make a fortune」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン7第8話の中盤、シェルドンに無理やりチクチクのセーターを着せられたレナードが、皮肉まじりに言い返すシーンから、一緒に見ていきましょう。
「make a fortune」の意味とニュアンス
make a fortune
意味:大儲けする/一財産を築く
fortune には「運・運命」という意味のほかに、「巨額の富・財産」という意味があります。make a fortune は「財産を作る」、つまり「大儲けする・がっぽり稼ぐ」という意味で使われます。
ビジネスの成功談から、「こんなの売れば一財産だよ」という誇張した冗談まで、お金が大きく動く場面で幅広く登場します。反対に「大金がかかる」と言いたいときは cost a fortune、「ちょっとした財産」と程度を和らげたいときは a small fortune と、a fortune を軸にいくつかの定番表現が広がっているのも特徴です。日常会話でもビジネスでも使える、お金まわりの基本表現のひとつです。
【ここがポイント!】
- fortune は「運命」だけでなく「巨額の富」を指す、という二面性が核
- make a fortune は「稼ぐ」、cost a fortune は「かかる」と方向で覚えるのがコツ
- a small fortune にすると「ちょっとした財産」と程度をやわらげられる一言
『ビッグバン★セオリー』S07E08のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
「未解決のモヤモヤがどれほど不快か」を体感させるため、シェルドンはチクチクして着心地の悪いセーターをレナードに着せようとします。渋々従ったレナードが、皮肉で返したのがこの一言でした。
Sheldon: Put it on. Let’s share the experience.
(着るんだ。この体験を共有しよう。)Leonard: You got it. If this sweater shuts you up, I’m gonna make a fortune selling them to everyone we know.
(わかったよ。このセーターでお前が黙るなら、知り合い全員に売って大儲けしてやる。)The Big Bang Theory Season7 Episode8(The Itchy Brain Simulation)
シーン解説と心理考察
理不尽な要求に正面から逆らわず、ユーモアでいなすレナードの処世術が表れています。本気で商売を始める気はなく、「これが効くなら拷問グッズとして売れるレベルだ」という当てこすりが make a fortune の一言に重なっています。
シェルドンの「体験を共有しよう」という大真面目な提案と、レナードの軽口の温度差が、このやり取りの可笑しさを生んでいます。我慢しながらも一矢報いるレナードの、力の抜けた抵抗がにじむ場面です。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
レナードがチクチクのセーターを手に取りながら、「これ売れば一財産だ」と皮肉る——その光景とセットで覚えてみてください。fortune を「運命の女神が運んでくる、山のような富」とイメージすると、make a fortune は「その富の山を自分の手で築き上げる」動きになります。
逆に cost a fortune なら、その富の山が財布から出ていく絵。お金が「入ってくる/出ていく」の方向を、富の山が動くイメージで結びつけると、混同せずに覚えられます。
例文で覚える「make a fortune」
成功談から日常の軽口まで、make a fortune は登場場面が広い表現です。3つの例文で、その幅を見ていきましょう。
He made a fortune in real estate before he turned forty.
(彼は40歳になる前に不動産で一財産を築いた。)
ビジネスの成功談を語る場面です。made a fortune in 〜 の形で「〜で大儲けした」と分野を示せます。
This handbag cost a fortune, so please be careful with it.
(このバッグ、すごく高かったの。だから丁寧に扱ってね。)
高価な買い物について話す場面です。make ではなく cost a fortune にすると、「大金がかかる・とても高い」という反対方向の意味になります。
A: You really think this app idea could work?
B: Are you kidding? You could make a fortune with it.
(A:このアプリのアイデア、本当にいけると思う?)
(B:冗談でしょ?それで大儲けできるよ。)
友人の思いつきを後押しする場面です。You could make a fortune と could を添えることで、「やればきっと稼げる」という可能性を見込んだ励ましになります。
あわせて覚えたい関連表現
cost a fortune
(大金がかかる/とても高い)
make a fortune と同じ a fortune を使いますが、動詞が cost に変わることで「稼ぐ」から「かかる」へと意味の向きが反転します。セットで覚えると、お金の出入りを一度に押さえられます。
a small fortune
(ちょっとした財産/かなりの金額)
a fortune に small を付けると、皮肉まじりに「思ったより高くついた金額」を表します。「小さな」とありながら実際は「結構な額」を指す、ひねりのある言い回しです。
strike it rich
(一攫千金を当てる/大金を手にする)
make a fortune と意味は近いですが、こちらは「思いがけず・一気に」当てるニュアンスが強い表現です。地道に築くより、運やチャンスで富を引き当てる場面に合います。
Note|fortune が「運命」と「富」の両方を表すわけ
make a fortune の fortune を辞書で引くと、「運・運命」と「財産」という一見つながらない二つの意味が並んでいます。なぜ一つの単語が両方を指すのでしょうか。
fortune は、ローマ神話の運命の女神フォルトゥナ(Fortuna)に由来するとされます。彼女は車輪を回し、人の運・不運を気まぐれに分け与える存在として描かれてきました。中世以降、この「女神が回す運命の輪(Wheel of Fortune)」のイメージが広く知られ、fortune は「運命」を表す語として定着したとされています。そして運命がもたらすもののうち、とりわけ目に見える形が「富」でした。女神の恵みとしての財産——そこから fortune は「巨額の富」という意味も持つようになったと考えられています。good fortune(幸運)の fortune と、make a fortune(大儲け)の fortune が同じ語なのは、こうした「運命がもたらす恵み」という共通の発想でつながっているわけです。
この背景を知ると、make a fortune が単なる「稼ぐ」以上に、「運命が運んでくるような大きな富を手にする」というスケールの大きさを帯びていることが見えてきます。
一つの単語の奥に神話が眠っているのは、英語の語彙の面白さです。
まとめ|「大儲け」を富の山として描く一言
make a fortune は、「大儲けする・一財産を築く」を表す表現です。fortune を「運命の女神が運んでくる富の山」と捉えると、その富を自分の手で築き上げるスケールの大きさが見えてきます。
cost a fortune(大金がかかる)、a small fortune(ちょっとした財産)と、a fortune を軸にした仲間とセットで覚えれば、お金の出入りをまとめて表現できるようになります。
レナードの軽口のように、半分冗談で「これ売れば一財産だ」と言ってみたくなる——そんな場面で、会話の引き出しに加えてみてくださいね。


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