「get used to」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S07E10で学ぶ英会話

「get used to」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

引っ越したばかりの部屋、変わったばかりの職場、新しく始めた早起きの習慣。最初は落ち着かなくても、しばらくすると不思議と当たり前になっていく——そんな「慣れ」の感覚は、誰にでも覚えがあるのではないでしょうか。

そんなときに使える「get used to」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン7第10話の中盤、急に注目を浴びて戸惑うシェルドンが、まわりの友人たちに向かって言い放つシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「get used to」の意味とニュアンス

get used to
意味:〜に慣れる

最初は違和感や抵抗があったものが、繰り返すうちに当たり前になっていく——その「慣れていく」過程を表す表現です。get が「〜の状態になる」という変化を示すため、get used to には「だんだん慣れていく」という動きが含まれています。

うしろに来る to は前置詞なので、続くのは名詞か動名詞です。get used to the cold(寒さに慣れる)、get used to working(働くことに慣れる)のように使います。新しい環境、仕事、習慣、気候など、徐々に適応していく対象なら幅広く当てはまります。よく似た be used to は「すでに慣れている」という状態を指すので、「慣れる過程」の get used to とは役割が分かれます。I’m getting used to it(慣れてきている)と I’m used to it(もう慣れている)の違いを意識すると、使い分けがはっきりします。

【ここがポイント!】

  • get が示すのは「慣れていく」変化、be used to の「慣れている」状態とは別物
  • うしろの to は前置詞なので、続くのは名詞か動名詞
  • used to do(昔はよく〜した)と混同しないのが使いこなしの分かれ目

『ビッグバン★セオリー』S07E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

舞台は、いつものアパートのリビング。発見をきっかけに急に有名になったシェルドンが、その注目を心底嫌がっています。「羨ましい」と呆れ気味の友人たちに向かって、シェルドンはまるで他人事のように諭しはじめます。

Sheldon: Look, you’re gonna be doing this stuff for a while. You’re just gonna have to find a way to get used to it.
(いいかい、君たちはしばらくこういうことを続けるんだ。なんとかして、それに慣れる方法を見つけるしかないよ。)

Penny: How can you not be happy? You’re tall, thin and famous.
(どうして喜べないの?背が高くて、痩せてて、有名なのに。)

The Big Bang Theory Season7 Episode10(The Discovery Dissipation)

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シーン解説と心理考察

このやり取りで光るのは、シェルドンの自分を棚に上げる姿勢です。注目に苦しんでいるのは誰よりシェルドン本人なのに、「慣れるしかない」とまるで先輩風を吹かせるように友人へ説いています。アドバイスする側に回ることで、自分の動揺から目をそらしているような可笑しみがにじむ場面です。

ペニーの「どうして喜べないの」という素朴な問いも効いています。多くの人が望むはずの「有名」という状態を、シェルドンだけが重荷として抱えている——その価値観のズレが、短い会話の温度を変えています。直後にシェルドンが「君たちには分からない」と被害者の立場へ転じる流れも込みで、彼の自己中心性がくっきりと表れています。get used to という、本来は相手を励ます言葉が、ここでは自分を正当化する道具になっているのも見どころです。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

新品の革靴を思い浮かべてみましょう。下ろしたばかりの靴は硬くて、かかとが擦れて落ち着きません。けれど何日か履き続けるうちに、革が少しずつ足の形に馴染んでいきます。get used to は、まさにこの「履き慣らす」感覚です。

シェルドンは「有名になることに足を慣らせ」と他人に説きながら、自分の靴擦れには文句タラタラ——その矛盾ごと覚えると忘れません。最初はきつくても、繰り返すうちに馴染んでいく。その「だんだん」の感覚を、足に馴染んでいく靴のイメージと一緒に手元に置いてみてください。

例文で覚える「get used to」

慣れる対象は、環境でも仕事でも生活リズムでも構いません。3つの場面で、この表現の感覚をつかんでいきましょう。

It took me a while to get used to working from home.
(在宅勤務に慣れるのに、しばらくかかったよ。)
働き方の変化を振り返る場面です。to のうしろが working と動名詞になっている点が、used to do(昔は〜した)との大きな違いです。

You’ll get used to the cold weather eventually.
(そのうち、寒い気候にも慣れるよ。)
引っ越してきたばかりの人を励ます場面です。get used to のうしろに名詞を置く、最もシンプルな形です。

A: I can’t get used to waking up this early.
B: Give it a week. Your body will adjust.
(A:こんなに早く起きるの、どうしても慣れないよ。)
(B:一週間もすれば、体が慣れるって。)
生活リズムの愚痴をこぼす会話です。can’t get used to とすると「どうしても慣れられない」という、まだ馴染めていない状態を表せます。

あわせて覚えたい関連表現

be used to
(〜に慣れている)
get used to が「慣れる」という変化を表すのに対し、be used to は「すでに慣れている」状態を指します。I’m used to it(もう慣れている)と I’m getting used to it(慣れてきている)の差が、両者の役割の違いです。

used to do
(昔はよく〜したものだ)
形は似ていますが、まったくの別物です。うしろが動詞の原形なら「過去の習慣」、to が前置詞で名詞・動名詞が続けば「慣れる・慣れている」。見分けの鍵は to のうしろの形にあります。

adjust to
(〜に順応する)
adjust はやや改まった響きで、「自分を能動的に合わせていく」ニュアンスがあります。get used to がより日常的で「自然に馴染んでいく」感覚なのに対し、adjust to は意識的な調整を含みます。

Note|used to do と be/get used to doing、似て非なる二つ

get used to を学ぶうえで、避けて通れない壁があります。used to のもう一つの顔、used to do との混同です。

同じ used to という形をしていながら、この二つは意味も文法もまったく別物です。鍵を握るのは、used to のうしろに来る形です。後ろが動詞の原形なら、「I used to live in Tokyo(昔は東京に住んでいた)」のように過去の習慣を表します。一方、to が前置詞として働き、うしろに名詞や動名詞が続くと、「I’m used to living in Tokyo(東京暮らしに慣れている)」「I’m getting used to it(慣れてきている)」のように「慣れ」を表します。同じ綴りなのに、to の品詞が違うために意味が分かれる——英語学習者がつまずく代表格と言われるのも、うなずける紛らわしさです。見分けたいときは、used to のうしろが「動詞の原形か、名詞・動名詞か」を確かめるのが確実です。

劇中でシェルドンが使った get used to it も、it という名詞が続いているので「それに慣れる」のほう。to のうしろを見れば、迷わず意味を判断できます。

形が似ているからこそ、to のうしろに目を向ける癖をつけておきたい一言です。

まとめ|シェルドンの空回りから学ぶ「慣れる」の一言

get used to は、最初は落ち着かなかったものが、繰り返すうちに当たり前になっていく——その「慣れていく」過程を切り取る表現です。get が示す変化のニュアンスが、be used to の「慣れている」状態とのちょうどよい対比になっています。

新しい環境でも、生活リズムでも、「だんだん慣れてきた」と語りたい場面はたくさんあります。そんなとき、to のうしろに名詞や動名詞を置くだけで、自然に気持ちを伝えられます。

注目に戸惑いながらも、人には「慣れろ」と説くシェルドンの可笑しみとともに、この表現を表現の引き出しに加えてみてください。

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