「stick to one’s guns」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S07E23で学ぶ英会話

「stick to one's guns」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

周りから「考え直したら」と説得されても、これだけは譲れない――そんなふうに自分の信念を守り通したくなる場面が、誰にでもありますよね。

そんなときにぴったりの「stick to one’s guns」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン7第23話の終盤、恋愛に悩むラージをシェルドンが(やや的外れに)励ますシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「stick to one’s guns」の意味とニュアンス

stick to one’s guns
意味:周囲の圧力に屈せず、自分の意見や立場を貫く

文字どおりには「自分の銃にしがみつく」ですが、ここでの guns は戦場で守るべき持ち場や砲台を指すとされます。そこから「持ち場を捨てずに守り抜く」という発想が生まれ、反対や説得、プレッシャーにさらされても自分の信念や決定を曲げずに守り通すことを表すようになりました。

ニュアンスとして大切なのは、これが「頑固さ」というより「筋を通す」「ぶれない」という肯定的な評価で使われることが多い点です。交渉で値引きを迫られても引かないとき、周囲に反対されても自分の選択を貫くとき、議論で立場を堅持するときなど、芯の強さを評価する場面でよく登場します。

【ここがポイント!】

  • 核は「持ち場を離れずに守り抜く」という、踏みとどまる姿のイメージ
  • 「頑固」ではなく「筋を通す」という前向きな評価で使われやすい表現
  • プレッシャーがある場面とセットで使うと、芯の強さが際立つ一言

『ビッグバン★セオリー』S07E23のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

恋人エミリーが別の男性といたのを目撃し、落ち込むラージ。それをシェルドンが(例によってずれた形で)慰めます。ラージが「まだ排他的な関係ではない」と打ち明けると、シェルドンは思わぬ方向に話を進めます。

Raj: Emily and I haven’t dated that long, and we never agreed to be exclusive to each other.
(エミリーとはそんなに長く付き合ってないし、お互い排他的にしようとも約束してないんだ)

Sheldon: Well, stick to your guns. There will be a lot of pressure.
(なら、自分の信念を貫けよ。色々プレッシャーはかかるだろうがな)

The Big Bang Theory Season7 Episode23(The Gorilla Dissolution)

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シーン解説と心理考察

このやり取りの妙は、シェルドンの「stick to your guns」が、ラージの本当の悩みとかみ合っていないところにあります。ラージが抱えているのは、孤独や関係への不安という感情の問題です。ところがシェルドンはそれを「禁欲を貫くべきか」という話に取り違え、的外れな励ましを送ってしまいます。

フレーズ自体は「信念を貫け」という前向きな言葉です。だからこそ、それが見当違いの文脈に置かれることで、ズレがいっそう際立ちます。相手の核心を読み違え、自分の理屈で話を完結させてしまうシェルドンらしさが、ここでも発揮されていると言えます。励ましの言葉が正しく響かないのに、本人はいたって真剣――この温度差が見どころです。前向きな表現も、文脈を外せば空回りするという好例だと読み取れます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

戦場で、敵が押し寄せても自分の持ち場を離れずに踏みとどまる兵士の姿を思い浮かべてみてください。手元の砲(guns)を守り抜いて一歩も引かない――その「持ち場から逃げない」姿勢が、「自分の立場を捨てない」という意味につながります。

このシーンが記憶に効くのは、勇ましい軍隊由来の表現が、ラージの恋愛相談という場違いな文脈に置かれているからです。「持ち場を守る兵士」と「禁欲を貫けと諭されるラージ」のミスマッチをセットにしておくと、前向きな励ましの表現だということも、その意味も、すっと思い出せるようになります。

例文で覚える「stick to one’s guns」

芯の強さを評価する場面でよく使われます。3つの場面で、その使い方を見てみましょう。

Everyone told her to lower the price, but she stuck to her guns.
(みんなが値下げするよう言ったが、彼女は自分の立場を貫いた)
交渉での毅然とした態度を描く場面です。過去形 stuck to her guns で、周囲の圧力に屈しなかった様子を伝えています。

The CEO stuck to her guns on the remote-work policy despite pushback from the board.
(取締役会の反発にもかかわらず、CEOはリモートワーク方針を貫いた)
経営判断の堅持を伝える場面です。「despite + 反対」とセットで使うと、どんな圧力をはねのけたのかがはっきりします。

A: They’re really pressuring you to change your design.
B: I know, but I’m going to stick to my guns on this one.
(A:デザインを変えろってかなり圧力かけられてるね)
(B:わかってる。でも、これに関しては自分の考えを貫くつもりだ)
プレッシャーを受けている相手との会話です。「stick to my guns on this one」で、この件については譲らないという意志を示す口語的な使い方です。

あわせて覚えたい関連表現

stand one’s ground
(自分の立場を守る、一歩も引かない)
stick to one’s guns とほぼ同義ですが、物理的に「その場から退かない」イメージが強い表現です。stick to one’s guns が「意見・方針を変えない」点に焦点があるのに対し、こちらは立ち位置を守るニュアンスです。

hold one’s ground
(持ちこたえる、譲らない)
攻撃や圧力に「耐えて持ちこたえる」防御的なニュアンスがあります。stick to one’s guns が信念を貫くという能動的な意志を前面に出すのに対し、こちらは守りに重心があります。

dig in one’s heels
(断固として譲らない、頑として動かない)
しばしば「頑固で融通が利かない」という否定的な含みを持ちます。stick to one’s guns が肯定的に評価されることが多いのと対照的で、評価のニュアンスが逆になる点が違いです。

Note|”guns” は砲台の持ち場? stick to one’s guns の軍事由来

stick to one’s guns を直訳すると「自分の銃にしがみつく」となり、なぜそれが「信念を貫く」になるのか、少し不思議に思えます。この表現の成り立ちには、戦場の情景があると考えられています。

広く知られている説によれば、この表現はかつての戦闘で、砲手が自分の持ち場である大砲を離れずに撃ち続けたことに由来するとされます。ここでの guns は、手で持つ拳銃ではなく、陣地に据えられた砲台を指していたという見方です。戦況が不利になっても、敵が迫ってきても、命じられた持ち場を捨てずに踏みとどまる――そうした兵士の姿が、「圧力に屈せず自分の立場を守り通す」という比喩へと発展していったと考えられています。守るべきものが物理的な「砲台」から、抽象的な「自分の信念・主張」へと移り変わっていったわけです。文字どおりの戦場の踏ん張りが、日常の議論や交渉での粘り強さを表す言葉に育っていったと見ると、表現の像が立体的になります。

劇中でシェルドンがラージに「stick to your guns」と告げたのも、この「持ち場を守り抜け」という勇ましいイメージを、恋愛の悩みに当てはめたものでした。砲台を守る兵士の姿を背景に思い浮かべておくと、なぜこの表現が前向きな励ましとして響くのか、腑に落ちてきます。

言葉のルーツをたどると、その温度が見えてくるわけです。

まとめ|シェルドンの的外れな励ましから学ぶ stick to one’s guns

stick to one’s guns は、周囲のプレッシャーに屈せず、自分の意見や立場を貫くことを表す表現です。「頑固」ではなく「筋を通す」という肯定的な評価で使われることが多く、芯の強さを称えるニュアンスがあります。

この一語を知っておくと、誰かが圧力をはねのけて信念を守った場面を、前向きな言葉で言い表せるようになります。「despite」や「on this one」を添えれば、何に対して譲らなかったのかも伝わります。

信念を貫けと励ましながら少しずれているシェルドンの姿を入り口に、stick to one’s guns を表現の引き出しに加えてみてください。芯の強さに名前をつけられる一語です。

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