「take ~ under one’s wing」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S08E02で学ぶ英会話

「take ~ under one's wing」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

新しい環境で右も左も分からなかったとき、誰かが親身に面倒を見てくれて救われた——そんな記憶がある方も多いのではないでしょうか。

そんな関係を表すのが「take ~ under one’s wing」、誰かを庇護のもとに置いて育てるという表現です。『ビッグバン★セオリー』シーズン8第2話の中盤、教えることを渋るシェルドンが、偉大な科学者たちを引き合いに自分を納得させようとするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「take ~ under one’s wing」の意味とニュアンス

take ~ under one’s wing
意味:〜を庇護のもとに置く、目をかけて面倒を見て育てる

このフレーズは、親鳥がひなを翼(wing)の下にすっぽり包み込んで守る姿に由来するとされています。雨や外敵から守られる安心の場所、それが under one’s wing です。そこから、経験のある人が未熟な人を保護し、導いていくことを表すようになりました。

単に「教える」よりも、守り育てるという温かい含みがあるのが特徴です。take someone under one’s wing で「〜を引き受けて面倒を見る」、have someone under one’s wing なら「〜を庇護下に置いている」と、形を変えて使えます。職場の先輩が新人を、師匠が弟子を、ベテランが若手を育てる——そんな師弟的な関係を語るときにぴったりの表現です。

【ここがポイント!】

  • 核は、親鳥がひなを翼の下で守る姿。「包んで守り育てる」イメージ
  • ただ教えるより一段あたたかい、保護と育成のニュアンスを持つ一言
  • take / have + under one’s wing で「面倒を見る/庇護下に置く」と使い分けるのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S08E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

准教授への昇進と引き換えに授業を持たされることになったシェルドンが、教えることへの抵抗を抱えつつ、自分を偉大な科学者たちの系譜に重ねて納得させようとします。

Leonard: Look, most importantly, this will let you move on and study dark matter.
(なあ、何より大事なのは、これで君が次に進んでダークマターを研究できるってことだろ。)

Sheldon: It is true that many of my heroes have taken students under their wings. Feynman, Einstein, Professor X. Humorously, in the case of Professor X, some of his students actually had wings.
(確かに、僕のヒーローの多くが弟子を翼の下に置いてきたのは事実だ。ファインマン、アインシュタイン、プロフェッサーX。おかしなことに、プロフェッサーXの場合は、実際に翼を持った生徒もいたわけだが。)

The Big Bang Theory Season8 Episode2(The Junior Professor Solution)

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シーン解説と心理考察

授業を雑用としか思っていなかったシェルドンが、take students under one’s wing という言葉を持ち出した瞬間、「教える」行為が一気に「師の務め」へと格上げされていくのが伝わってきます。偉人たちと自分を同列に並べることで、嫌だったはずの仕事を誇らしいものに変換しようとする、彼らしい自己説得です。

さらに直後、wing(翼)の比喩を文字どおりに受け取って、「プロフェッサーXの生徒には本物の翼があった」と言葉遊びに転じるところに、シェルドンの知性とユーモアが重なっています。プライドと屁理屈、そして子どもっぽい茶目っ気が一つのセリフに同居する、このキャラクターの魅力が凝縮された場面と言えます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

親鳥が、羽を広げてひなを自分の翼の下にそっと包み込む——その姿をイメージしてみてください。外の雨も風も、外敵さえも届かない、いちばん安全な場所。それが under one’s wing です。

シェルドンが偉大な科学者たちを「弟子を翼の下に置いてきた」と語り、すぐにプロフェッサーXの翼へ脱線したのも、この鳥の翼の比喩があってこそ。守り包む翼のビジュアルと、シーンの言葉遊びをセットで思い出すと、「ただ教えるのではなく、守り育てる」というこのフレーズの温度感が、すっと記憶に定着します。

例文で覚える「take ~ under one’s wing」

守り育てる、という核を押さえたら、使い方を見ていきましょう。職場・学校・感謝の三方向で紹介します。

When I joined the firm, a senior partner took me under his wing.
(入社したとき、シニアパートナーが私を引き受けて指導してくれた。)
キャリアの恩人について語る、最も典型的な使い方です。take + 人 + under one’s wing の語順で、誰が誰を育てたかがはっきり伝わります。

The veteran chef took the apprentice under his wing for three years.
(そのベテランシェフは3年間、見習いを手元で育てた。)
職人の師弟関係を語る場面です。for three years と期間を添えることで、長く守り育てたという「育成」のニュアンスが強まります。

A: How did you learn so much in your first year here?
B: My manager took me under her wing and taught me everything.
(A:この1年でどうしてそんなに多くを学べたの?)
(B:上司が私の面倒をしっかり見て、全部教えてくれたんだ。)
新人時代を振り返る会話です。会話の流れの中で、誰かに守り育てられた経験を自然に語れる、実用的なパターンです。

あわせて覚えたい関連表現

mentor someone
(〜を指導する、助言役を務める)
一語で助言・育成を表す動詞です。take under one’s wing が持つ「翼で包んで守る」という温かい比喩は薄く、より中立的・専門的な響きになる点が違います。

show someone the ropes
(〜にやり方やコツを教える)
実務の手順を教えることに焦点がある表現です。長く守り育てるという含みはなく、最初のレクチャーや手ほどきの段階を指す点で、under one’s wing とは役割が異なります。

look after someone
(〜の世話をする、面倒を見る)
一般的な「世話」全般を表します。指導・育成の意味は弱く、生活面の世話にも使える点で、師弟的な育成を含む take under one’s wing より広い表現です。

Note|親鳥の翼に由来する「庇護」のイメージ

このフレーズの温かさは、翼という比喩そのものに宿っています。

under one’s wing は、親鳥がひなを翼の下で守る様子に由来するとされる、古くからある言い回しです。鳥が子を翼で覆って守るイメージは、聖書をはじめとする古い文献にも繰り返し登場し、保護・養育の象徴として長く親しまれてきたと言われます。だからこそ、人が人を「翼の下に置く」と言うとき、そこには単なる指導を超えた、外の危険から包み守るという含みが自然とにじみます。

英語には、この wing を使った表現が他にもいくつもあります。spread one’s wings(羽を広げて新たな挑戦をする)、wing it(準備なしでぶっつけ本番でやる)、clip someone’s wings(自由を奪う)など、翼は「守り・自由・成長」を象徴する語として幅広く使われています。take under one’s wing は、その中でも「守り」の側面を最もよく表す表現と言えます。

シェルドンが翼の比喩を言葉遊びにできたのも、この語が持つ豊かなイメージあってこそ。守る翼、という原点を知っておくと、フレーズの手触りがより鮮やかになります。

まとめ|翼の下で守り育てるという関係

take ~ under one’s wing は、「経験のある人が未熟な人を守り育てる」という、温かい師弟の関係を一語で表す表現です。親鳥の翼という比喩が、ただ教える以上の、包み守るニュアンスをそのまま運んでいます。

この一言を知っていると、自分を育ててくれた人への感謝や、誰かを育てる立場の気持ちを、英語でも情感をもって伝えられるようになります。人と人との育み合いを語る言葉として、表現の引き出しに加えてみてください。

守る翼のあたたかさが、シンプルな前置詞句の奥にそっと畳まれている一言です。

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