海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
初対面でなんとなくギクシャクしてしまった、最初の印象が最悪だった——そんな「出だしのつまずき」を英語でどう表現しますか?
今回は『ビッグバンセオリー』シーズン1第4話から、「get off on the wrong foot」 をご紹介します。
知っておくと、人間関係のぎこちないスタートをひとことで言い表せる便利なフレーズです。
実際にそのシーンを見てみよう!
シェルドンが新しい学科長のゲーブルハウザー博士を「バカ」と呼んでクビになり、お母さんのメアリーに連れられて渋々謝りに行くシーンです。
廊下でばったり博士と鉢合わせし、シェルドンの「謝罪」が始まります。
Mrs Cooper:Let’s go, baby, we’re losing daylight.
(早くしなさい、日が暮れちゃうわよ。)Sheldon:Um, as you know, several weeks ago in our first encounter we may have gotten off on the wrong foot, when I called you an idiot. And I just wanted to say that I was wrong. To point it out.
(えっと、ご存じの通り、数週間前に初めてお会いしたとき、あなたをバカと呼んだことで出だしを誤ってしまったかもしれません。そして、私が間違っていたとただ一言お伝えしたかったのです。指摘したことを。)Gablehouser:I’m sorry, we haven’t been introduced. Dr Eric Gablehouser.
(失礼、まだ紹介されていませんでしたね。エリック・ゲーブルハウザー博士です。)Mrs Cooper:Mary Cooper, Sheldon’s mom.
(メアリー・クーパーです、シェルドンの母です。)The Big Bang Theory Season1 Episode4(The Luminous Fish Effect)
シーン解説と心理考察
「バカって言ったのは事実だけど、それを指摘したのが間違いだった」という、謝っているようで全然反省していないシェルドン節が炸裂しています。
しかも謝罪の場で自分から “gotten off on the wrong foot” と使っているのが面白いところで、状況は正確に把握しているのにそれが謝罪にならない。
お母さんのメアリーが「早くしなさい」と横でプレッシャーをかけながら、シェルドンがしぶしぶ絞り出した「謝罪」がこれ、というシーンはこのエピソードの中でも特に笑えます。
シェルドンにとってこれが精一杯の歩み寄りだと思うと、少しほほえましくもあります。
「get off on the wrong foot」の意味とニュアンス
get off on the wrong foot
意味:出だしを誤る、最悪なスタートを切る
人間関係や仕事などで、最初から歯車が噛み合わなかった・第一印象が悪かったときに使うフレーズです。
「物理的にこけた」わけではなく、関係性や状況の「出だし」が失敗したという意味で使います。
過去形の “got off on the wrong foot” や、シェルドンのように “gotten off on the wrong foot” という現在完了形でもよく使われます。
主語は人だけでなく、「私たち(we)」のように関係性全体を主語にするのが自然なパターンです。
【ここがポイント!】
「失敗を認めつつも、関係を修復したいという意思を伝える」文脈でよく登場します。
“get off on the wrong foot” と “start off on the wrong foot” はどちらも同じ意味で使えます。
どちらもネイティブが日常的に使うので、セットで覚えておくと安心です。
また、wrong を right に変えた “get off on the right foot” で「幸先の良いスタートを切る」という意味になります。
「悪い出だし → wrong foot」「良い出だし → right foot」とセットで押さえておくと、初対面や新しい環境での会話にすぐ使えます。
単に「最初が悪かった」と言うだけでなく、「だからリセットしたい」「もう一度ちゃんとやりたい」という前向きなニュアンスが自然に含まれるのが、このフレーズの大きな特徴です。
実際に使ってみよう!
I think we got off on the wrong foot. Can we start over?
(私たち、出だしでつまずいちゃったみたい。もう一度やり直せないかな?)
関係修復の定番フレーズ。最初の気まずさを正面から認めて、相手に歩み寄るときに使えます。
I didn’t want to get off on the wrong foot with the new team, so I brought snacks on my first day.
(新しいチームとの出だしを失敗したくなくて、初日にお菓子を持っていったんだ。)
「失敗したくない」という予防的な使い方。日常会話でとても自然に出てくるパターンです。
The meeting started off on the wrong foot when the projector stopped working.
(プロジェクターが動かなくなって、会議は最悪な滑り出しになった。)
人間関係だけでなく、物事のスタート全般にも使えます。”start off on the wrong foot” の形もあわせて確認できます。
『ビッグバンセオリー』流・覚え方のコツ
このフレーズを覚えるなら、ゲーブルハウザー博士への謝罪シーンをそのままイメージするのがおすすめです。
シェルドンが “gotten off on the wrong foot” と言う場面は、まさに「一歩目の足を出し間違えてよろけている」様子そのもの。
謝っているのに全然謝れていないシェルドンの顔を思い浮かべながら、「最初の一歩を踏み誤った=get off on the wrong foot」 と結びつけてみてください。
反対の “get off on the right foot”(幸先の良いスタートを切る)もセットで、初対面や新しい環境でひとこと添えられるよう準備しておきましょう。
似た表現・関連表現
start on the wrong note
(最初から不協和音を出す、出だしを誤る)
“wrong foot” と同じく「最初のつまずき」を表す表現。音楽の「音を外す」イメージから来ており、会話・会議・関係性のぎこちないスタートに使われます。
make a bad first impression
(第一印象を悪くする)
「第一印象が良くなかった」という結果に焦点を当てた言い方。”get off on the wrong foot” よりも直接的で、ビジネスや改まった場面でも使いやすい表現です。
break the ice
(緊張をほぐす、打ち解ける)
“get off on the wrong foot” の対策として使えるフレーズ。ぎこちない出だしや沈黙を打ち破って場の雰囲気を和ませるときに使います。
深掘り知識:「wrong foot」はどこから来た?
「wrong foot」 という表現のルーツは、西洋に古くから伝わる「左足で床を踏んで起きると一日中ついていない」という迷信にさかのぼるという説があります。
左足=不吉な一歩、という感覚が、そのまま「出だしを間違える」という意味に転じたとされています。
また、行進や式典では「右足から踏み出す」のが正式とされていた文化的背景もあります。
兵士や儀礼の場で「wrong foot(間違った足)から出発する」ことは文字通り失敗を意味し、そこから一般的な「スタートの失敗」を表すフレーズとして定着したと言われています。
どちらの説も共通しているのは、「最初の一歩が全体の流れを左右する」 という感覚。
英語圏の人々が日常的にこのフレーズを使うのも、そんな感覚が根っこにあるからかもしれません。
まとめ|出だしのつまずきを認めて、関係を前に進めるフレーズ
“get off on the wrong foot” の核心は、「最初の一歩が噛み合わなかった」というひとことです。
このフレーズを使えると、気まずいスタートになってしまった状況を率直に、でも角を立てずに伝えることができます。
「なんかぎこちないな」「最初からちょっとやり直したいな」と感じたとき、このひとことが相手に歩み寄るきっかけをつくってくれます。
“get off on the right foot” とセットで覚えておくと、「良いスタートを切りたい」という場面でも使えて、表現の幅が広がります。
初対面のあいさつや、新しい環境でのひとことに自然に出てくるよう、ぜひ口に馴染ませておいてください。


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