「stump someone」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S09E09で学ぶ英会話

「stump someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

クイズで難問を出されて言葉に詰まる、子どもの素朴な質問にうまく答えられない——「答えに詰まる」「お手上げになる」場面は、日常にあふれています。その「相手を答えに詰まらせる」をひと言で表す動詞があるのをご存じでしょうか。

その表現「stump someone」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン9第9話、自分は妻のことを何でも知っていると豪語するレナードが、ペニーのクイズ攻めを軽々とかわすシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「stump someone」の意味とニュアンス

stump someone
意味:(質問・難問で)〜を答えに詰まらせる、お手上げにさせる、立ち往生させる

stump はもともと名詞で「切り株」を指します。それが動詞になると、「行く手を阻む切り株のように、相手を立ち往生させる」=「答えに詰まらせる」という意味になります。

使いどころは、クイズや難問、予想外の質問で、相手が「答えられない」状況です。You can’t stump me.(僕を困らせることはできない)のように人を主語にもできますし、The question stumped me.(その質問に詰まった)のように問題を主語にもできる、柔軟な動詞です。受け身の I’m stumped.(お手上げだ)や、形容詞的な be stumped の形もよく使われます。難しさで頭を抱えさせるというより、「ぴたりと答えが出てこない・言葉に詰まる」という、行き詰まりの感覚が核にある表現です。

【ここがポイント!】

  • stump someone=「(質問で)相手を答えに詰まらせる」、もとは「切り株」
  • 人も問題も主語にできる(You can’t stump me. / The question stumped me.)
  • I’m stumped.(お手上げだ)の受け身・形容詞形もよく使う

『ビッグバン★セオリー』S09E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

「自分は妻のことを何でも知っている」と豪語するレナードに、ペニーが好きなアイドルグループのメンバーを次々と問うクイズで反撃します。ところがレナードは全問正解し、勝ち誇る場面です。

Penny: Who’s my favorite member of NSYNC?
(私のお気に入りのNSYNCメンバーは誰?)

Leonard: Justin.
(ジャスティンだろ。)

Penny: Damn it.
(くっそ。)

Leonard: Face it, you can’t stump me. I am the king of husbands.
(認めろよ、君は僕を困らせられない。僕は夫の王様なんだ。)

The Big Bang Theory Season9 Episode9(The Platonic Permutation)

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シーン解説と心理考察

ペニーは、夫レナードに自分の手の内をすっかり読まれていることが悔しくて、せめて一矢報いようとクイズを出します。けれどレナードは余裕で全問正解し、「君は僕を stump できない、僕は夫の王様だ」と胸を張ります。you can’t stump me が、ここでは「君には僕を詰まらせることなんてできない」という勝ち誇りの決め台詞になっています。

レナードの自信は、妻を深く理解しているという愛情の裏返しでもあります。ただ、この場面の得意げな態度は、実はこの後の展開で彼自身の墓穴につながっていきます(ここでは詳しく触れません)。「何でも知っている」という自慢が、夫婦のあいだでは諸刃の剣になりうる——その伏線が、勝ち誇る stump me のひと言にさりげなく仕込まれているのです。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

まず stump=「切り株」を頭に思い浮かべてください。森の中を歩いていて、地面から突き出た切り株に足を取られ、つんのめって立ち往生する——あの「先に進めなくなる」感覚が、難問にぶつかって答えが出てこない stump someone のイメージにそのまま重なります。

劇中では、ペニーがどんなクイズを出してもレナードがまったく詰まらない(=stump できない)場面でした。「切り株を置いても軽々と乗り越えてくる夫」とセットにすると、この動詞が記憶に残ります。自分が詰まる側の I’m stumped. も、同じ切り株の画でまとめて覚えられます。

例文で覚える「stump someone」

stump someone は、クイズや質問で誰かが答えに詰まる場面で活躍します。場面を変えながら、3つの例で見てみましょう。

The last question on the quiz really stumped me.
(クイズの最後の問題には、本当に答えに詰まった。)
自分が詰まった側を表す場面です。problem や question を主語にして stump me とすると、「その問題にお手上げだった」という行き詰まりが、くっきり伝わります。

My five-year-old asked me why the sky is blue, and it completely stumped me.
(5歳の子に「空はなぜ青いの」と聞かれて、完全にお手上げだった。)
子どもの素朴な質問に詰まる、おなじみの場面です。it(=質問)を主語に stump me と続けると、「思わぬ一言にやられた」というニュアンスが自然に出ます。

A: I bet I can stump you with this one.
B: Go ahead and try—I love a good challenge.
(A:この問題なら君を困らせられると思うな。)
(B:やってみなよ。難問は大歓迎だ。)
クイズの出し合いの会話です。劇中のレナードに近い使い方で、I can stump you / you can’t stump me と人を主語にすると、「詰まらせる・詰まらない」の駆け引きを軽快に表せます。

あわせて覚えたい関連表現

throw someone off
(〜を戸惑わせる、調子を狂わせる)
stump が「答えられない」状態を指すのに対し、throw off は「予想外のことで動揺・混乱させる」という、調子を乱す側に重点があります。質問そのものに詰まるというより、ペースを崩される感覚に近い言い方です。

be at a loss
(途方に暮れる、言葉に詰まる)
stump someone が外から困らされるのに対し、be at a loss は「どうしていいか自分でも分からない」という内側の状態を表します。I’m at a loss for words.(言葉が出てこない)の形でよく使われます。

baffle someone
(〜を当惑させる、まったく理解できなくさせる)
baffle は stump よりも強く、「謎すぎて頭を抱えさせる」という当惑のニュアンスを持ちます。stump がおもにクイズや質問の文脈で使われるのに対し、baffle は不可解な現象や状況にも幅広く使えます。

Note|「切り株」がなぜ「困らせる」になったのか

stump someone を読み解く鍵は、この動詞のもとの意味である「切り株」にあります。なぜ切り株が、人を「困らせる」になったのでしょうか。

その背景には、アメリカの開拓時代があるとされています。入植者たちは森を切り開いて畑をつくりましたが、木を伐っても地面には頑丈な切り株(stump)が残ります。これを抜くのは重労働で、取り切れずに残った切り株は、馬車の行く手をふさいだり、鋤(すき)で耕す作業を邪魔したりと、前へ進むうえでの厄介な障害物でした。文字どおり「先へ進めなくする」存在だったのです。この「行く手を阻んで立ち往生させる」という物理的なイメージが、やがて比喩へと広がり、「人を答えられない状態に追い込む・詰まらせる」という意味の動詞 stump が生まれたとされています。具体的な切り株という障害物が、抽象的な「難問」へと姿を変えていったわけです。ちなみに同じ stump でも、アメリカの選挙では候補者が切り株の上に立って演説した名残から stump speech(遊説演説)という言葉が残っており、こちらは「困らせる」とはまったく別系統の用法として今も使われています。一つの単語が、開拓地の風景の中からいくつもの意味へ枝分かれしていったのは、なんとも味わい深い話です。

言葉のたどってきた道を知ると、何気ない動詞の奥に、開拓時代の風景が見えてきます。

まとめ|レナードの余裕から学ぶ「答えに詰まらせる」

stump someone は、クイズや難問、予想外の質問で相手を答えに詰まらせる、「お手上げにさせる・立ち往生させる」を表す動詞です。

難しい問題に出くわして詰まったとき、思わぬ質問に言葉を失ったとき、逆にクイズで相手を困らせたいとき。人も問題も主語にできる柔軟さで、「答えが出てこない」あの感覚をぴたりと言い表せるのが、この表現の便利なところです。受け身の I’m stumped. も、あわせて覚えておくと表現の幅が広がります。

クイズの出し合いや、答えに詰まった瞬間を語る一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

どんなクイズにも詰まらず勝ち誇るレナードの余裕の後ろに、妻を知り尽くした自信と、それがやがて足をすくう予感とが、そっと同居していました。

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