「help the less fortunate」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S09E09で学ぶ英会話

「help the less fortunate」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

祝日になると、炊き出しや寄付のボランティアに出かける——そんな「困っている人を助けに行く」場面は、英語圏のドラマでもよく描かれます。その「恵まれない人を助ける」を上品に言い表す決まり文句があるのをご存じでしょうか。

その言い回し「help the less fortunate」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン9第9話、サンクスギビングにボランティアへ向かったハワードが、いつもの皮肉を口にするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「help the less fortunate」の意味とニュアンス

help the less fortunate
意味:恵まれない人々を助ける、困っている人を支援する

fortunate は「運に恵まれた」、less fortunate は「より運に恵まれない」。その前に the が付くと、「そういう人々全体」を指す集合名詞になります。help the less fortunate で「恵まれない人々を助ける」という、慈善やボランティアの定番フレーズになります。

ポイントは the + 形容詞で「〜な人々」をまとめて表す英語の文法です。the rich(裕福な人々)、the elderly(高齢者)、the poor(貧しい人々)と同じ形ですが、the less fortunate は the poor よりも直接的でなく、相手の立場に配慮したやわらかい響きを持つとされます。だからこそ、寄付の呼びかけ、慈善団体の紹介、スピーチといった、きちんとした場面で好んで使われます。日本語の「恵まれない方々」に近い、ていねいな言い換えだと考えるとしっくりきます。

【ここがポイント!】

  • the less fortunate=「恵まれない人々」、慈善・ボランティアの定番表現
  • the+形容詞で「〜な人々(全体)」をひとまとめに表せる
  • the poor より遠回しで、相手に配慮したていねいな響きが特徴

『ビッグバン★セオリー』S09E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

サンクスギビングに炊き出しのボランティアへ来た一行ですが、人手は足りていると一度は断られてしまいます。不機嫌になるバーナデットに、ハワードがわざとらしく嫌味を返す場面です。

Bernadette: Wipe that smug smile off your face.
(その薄ら笑い、引っ込めなさいよ。)

Howard: Maybe I’m happy that so many people turned up to help the less fortunate.
(大勢が恵まれない人を助けに集まってくれて、嬉しいだけかもよ。)

Emily: Are you and I close enough for me to say…
(私たち、こう言える間柄かしら……)

Bernadette: That he’s an ass? He beat you to it.
(コイツが嫌なヤツだって? それならもう言われてるわ。)

The Big Bang Theory Season9 Episode9(The Platonic Permutation)

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シーン解説と心理考察

ハワードの「大勢が恵まれない人を助けに集まって嬉しい」というセリフは、本心からの善意ではありません。ボランティアを断られて拗ねている妻バーナデットを、わざと美しい言葉でからかっているのです。help the less fortunate という慈善のきれいな決まり文句が、ここでは皮肉の道具として使われています。

立派なフレーズと、それを口にする人物の意地悪な動機。このギャップが場面の可笑しさを生んでいます。すかさずエミリーが「こう言ってもいい間柄?」と切り出し、バーナデットが「コイツが嫌なヤツだって? もう言われてる」と先回りして落とす——三人のテンポのよい掛け合いの中で、決まり文句がコミカルに転がされていきます。きれいな言葉ほど、皮肉に使われると効くという見本のような場面です。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

less fortunate は、fortunate(運に恵まれた)に less(より少ない)が付いた形だと分解すると、「運に恵まれていない」という意味がそのまま見えてきます。そこへ the を足すと、個人ではなく「そういう人々全体」を指すまとまりに変わります。

劇中でハワードが炊き出しの前でこの言葉を口にする場面とセットにすると、「恵まれない人を助ける=ボランティアの定番フレーズ」というイメージが画として残ります。the rich(裕福な人々)、the elderly(高齢者)と並べて覚えておくと、the+形容詞の応用も一気に効くようになります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「help the less fortunate」

help the less fortunate は、慈善やボランティア、社会貢献を語る場面で活躍します。場面を変えながら、3つの例で見てみましょう。

Our company donates a portion of its profits to help the less fortunate.
(我が社は利益の一部を、恵まれない人々を助けるために寄付しています。)
企業の社会貢献を紹介する場面です。donate … to help the less fortunate の形で、「困っている人のために寄付する」という流れをきちんとした口調で伝えられます。

During the holidays, many people volunteer to help the less fortunate.
(祝日の時期には、多くの人が恵まれない人々を助けるために奉仕します。)
劇中とよく似た、年末年始のボランティアを語る場面です。volunteer to help the less fortunate で、「人助けのために自ら動く」という行動が自然に表せます。

A: I want to do something meaningful this year.
B: We could volunteer together and help the less fortunate.
(A:今年は何か意味のあることをしたいんだ。)
(B:一緒にボランティアして、恵まれない人を助けるのはどう?)
誘い合って行動を起こす会話です。help the less fortunate を提案の形で使うと、「困っている人の力になろう」と前向きに呼びかけられます。

あわせて覚えたい関連表現

those in need
(困っている人々、支援を必要とする人々)
the less fortunate とほぼ同じ意味ですが、「必要としている」状態そのものに焦点を当てた言い方です。help those in need の形でよく使われ、less fortunate よりもさらにシンプルで直接的な響きになります。

the underprivileged
(恵まれない人々、社会的に不利な立場の人々)
社会の仕組みによる不利を含んだ、やや硬い語です。the less fortunate が広く一般的に使えるのに対し、the underprivileged は福祉や教育、報道といった文脈で選ばれることが多い表現です。

give back to the community
(地域社会に恩返しをする)
こちらは助けられる側ではなく、「成功した人が社会に還元する」という行為の側から見た言い方です。help the less fortunate が支援の対象を示すのに対し、give back は「お世話になった分を返す」という気持ちに重きを置きます。

Note|the less fortunate という「やわらげた」言い方

help the less fortunate を読み解く鍵は、なぜ the poor とストレートに言わず、わざわざ the less fortunate と回りくどく言うのか、という点にあります。

英語には、相手を傷つけかねない直接的な言葉を、やわらかい表現に言い換える長い伝統があります。婉曲表現(えんきょくひょうげん)と呼ばれるもので、the less fortunate はその代表例です。the poor と言えば「貧しい人々」とまっすぐ指してしまいますが、the less fortunate なら「(自分たちより)運に恵まれなかった人々」となり、貧富を運の差として描き直します。これは、相手の尊厳を傷つけまいとする配慮であり、同時に「自分たちもたまたま運がよかっただけ」という謙虚さもにじませる言い方だとされています。だからこそ、慈善団体の案内文、寄付を募るスピーチ、報道といった、言葉づかいに気を配る場面で繰り返し選ばれてきました。日本語で「貧しい人」と言わずに「恵まれない方々」と言うときの感覚と、ほとんど同じ心の動きがここにあります。面白いのは、劇中のハワードがこの上品な言葉を、皮肉という正反対の目的で使っている点です。本来は配慮のための言い換えが、相手をからかう道具に化ける——言葉のていねいさが、文脈ひとつでこれほど表情を変えるのです。

言い換えの背景にある気配りを知ると、何気ない決まり文句の奥に、英語圏の人付き合いの作法が見えてきます。

まとめ|きれいな言葉が皮肉に変わるとき

help the less fortunate は、困っている人・社会的に弱い立場の人を支援する、「恵まれない人々を助ける」を表すていねいな決まり文句です。

寄付を呼びかけるとき、ボランティアを語るとき、社会貢献について話すとき。the poor よりもやわらかく、相手に配慮した響きで「人助け」を語れるのが、この表現の持ち味です。the+形容詞で「〜な人々」をまとめて表す文法も、あわせて押さえておきたいところです。

慈善やボランティアの話題で「困っている人の力になりたい」と伝えたい場面の一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

きれいな言葉ほど皮肉に効くと知り尽くしたハワードの一言の後ろに、断られて拗ねる妻と、それをからかう夫の、なんとも人間くさいやり取りが顔をのぞかせていました。

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