海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
第一印象で「この人はこういうタイプ」と判断したのに、話してみたら全然違った!なんて経験はありませんか?
今回は、天才集団ジェファソニアン研究所の会話から、私たちが無意識にやってしまいがちな「決めつけ」を表す英語表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
遺体のそばで見つかった腐敗物が「コミック本」だと判明したシーン。
分析官のザックが「僕はコミックなんて読まない」と即座に否定したのに対し、同僚のホッジンズが意外そうな反応を見せます。
Zack: I never read comic books.
(僕はコミック本なんて読みません。)Hodgins: Really? I had you pegged for a graphic novel nut.
(マジで? お前はてっきりグラフィックノベルおたくだと思ってたよ。)Zack: Why?
(どうして?)Hodgins: I don’t know. You look like one?
(さあな。見た目がそれっぽいから?)
BONES Season1 Episode12 (The Superhero in the Alley)
ホッジンズは、ザックの「理屈っぽくて世間ズレした雰囲気」から、「こいつなら絶対にアメコミ(しかもマニアックなやつ)が好きに違いない」と勝手にカテゴライズしていました。
ザックの否定を受けて、とっさに “Comic book”(子供向け)から “Graphic novel”(大人向け)と言い換えている点に注目。
「ただの漫画好きじゃないなら、高尚なグラフィックノベル派か?」と、ラベルを貼り直そうとするホッジンズなりの「オタク仲間への敬意(と偏見)」が混じった面白いシーンです。
フレーズの意味とニュアンス
peg [someone] for
意味:〜だと思い込む、〜だと決めつける、〜のレッテルを貼る
「peg」は本来、テントの杭(くい)や、洗濯バサミのような留め具のこと。
そこから転じて、「人物を特定のカテゴリーに固定する(留める)」という意味で使われます。
しばしば have [someone] pegged for/as … の形で登場します。
【ここがポイント!】
単に「思う(think)」のではありません。
「お前はここ!」と地図にピンを刺すように、相手のキャラクターを特定の位置に固定してしまうという、強い「断定」のニュアンスがあります。
「君って〇〇キャラだよね」と型にはめて安心したい、人間の心理がよく表れている言葉です。
実際に使ってみよう!
日常やビジネスで、ギャップを感じた時や、誤解を解きたい時に使ってみましょう。
I had her pegged for a quiet housewife, but she actually runs a successful IT company.
(彼女は物静かな主婦だと思い込んでいたけど、実はIT企業のやり手社長だったの。)
解説:ママ友や近所の人など、見た目と実像のギャップに驚いた時の表現。「勝手に枠にはめていてごめんね」というニュアンスを含めることもできます。
Don’t peg me for an assistant just because I’m young. I’m the lead engineer.
(若いからって、アシスタントだと決めつけないでください。私が主任エンジニアです。)
解説:ビジネスの場での誤解に対する、きっぱりとした訂正。「見た目で判断するな」という強い意志を伝えることができます。
My boss had me pegged for a creative type, so he was surprised by my analytical skills.
(上司は私をクリエイティブ系だと見ていたから、私の分析スキルに驚いていたわ。)
解説:こちらはポジティブなギャップ。相手が貼っていたレッテル(Peg)を良い意味で裏切った時の会話です。
『BONES』流・覚え方のコツ
ホッジンズの「昆虫標本のピン留め」をイメージしてください。
虫好きのホッジンズが、ザックという人間を「オタク」というラベルの場所に、ピン(Peg)でブスッと刺して固定しようとしている姿。
一度刺されたら動けない、その「逃れられない固定感」こそが peg の本質です。
似た表現・関連表現
似た意味を持つ表現との違いを押さえておきましょう。
size [someone] up
(人物を評価する、値踏みする)
解説:「peg」が結果(決めつけ)であるのに対し、「size up」は観察して判断しようとする「プロセス」に焦点があります。
pigeonhole
(型にはめる、分類する)
解説:書類整理棚(鳩の巣箱)のこと。「peg」よりもさらに事務的・体系的に「細かい枠の中に押し込める」という、少し窮屈でネガティブなニュアンスが強くなります。
typecast
(役柄を固定する、類型化する)
解説:元々は演劇用語。「彼は悪役顔だ」のように、ステレオタイプなイメージで役割を固定してしまうこと。ドラマ好きなら覚えておきたい表現です。
深掘り知識:「Nerd(オタク)」にも階級がある?
ホッジンズが最初に言った “Comic book” と、言い直した “Graphic novel”。
日本語にするとどちらも「漫画」ですが、英語圏のオタク文化(Nerd culture)では大きな隔たりがあります。
- Comic book: ペラペラの紙、子供向け、スーパーヒーロー物。
- Graphic novel: 装丁が立派、大人向け、文学的・芸術的価値がある。
ホッジンズはザックに「漫画なんて読まない」と言われ、「おっと失礼、君みたいなインテリは『グラフィックノベル』と呼ぶべきだったか?」と、瞬時に「Peg(ピン)」を刺す位置を修正しました。
単なる「決めつけ」の中にも、相手への理解やユーモアを混ぜ込むのが、ホッジンズ流のコミュニケーションなんですね。
まとめ|そのピン、抜いてみませんか?
私たちは無意識のうちに、出会った人をどこかに peg(固定)してしまいがちです。
でも、人間は標本ではありません。
もし誰かに「意外だね」と言われたら、それは相手があなたに刺していたピンが抜けた音かもしれません。
レッテルを恐れず、自分らしさを発信していきましょう!
次回は、ブース流の「大人のストレス解消法」から、息抜きに使える表現をご紹介します。


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