海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かが「いつでも手伝うよ」と言ってくれたとき、「じゃあ、お言葉に甘えて」と、その申し出をありがたく受けたくなる場面はありませんか。
そんな「(申し出を)受ける・言葉に甘える」を表す「take someone up on」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン9第22話、ワイン会に行けず家で過ごしたバーナデットとシェルドンが、思いがけず楽しい夜の締めくくりに交わすシーンから、一緒に見ていきましょう。
「take someone up on」の意味とニュアンス
take someone up on (something)
意味:(人の)申し出・誘いをありがたく受ける/言葉に甘える
take someone up on は、誰かが出してくれた申し出(offer)や誘い(invitation)を「受けて、実際に実行に移す」ことを表す句動詞です。take + 人 + up on + 申し出、という語順で使い、「せっかくだから、その言葉に甘えるよ」という前向きな受諾のニュアンスを持ちます。たとえば I’ll take you up on that offer.(その申し出、受けさせてもらうよ)のように使います。単に「受け入れる(accept)」よりも口語的で、相手の好意に応える温かみがあるのが特徴です。誘いや申し出、ときには賭けまで、相手が差し出してくれたものに応じるときに使える、自然で感じのよい言い回しです。
【ここがポイント!】
- 相手が差し出した申し出を「受けて実行に移す」ことを表す句動詞
- take + 人 + up on + 申し出、という語順がポイント
- 「せっかくだから甘えるよ」という前向きで温かい受諾の一言
『ビッグバン★セオリー』S09E22のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
妊娠中でワイン会に行けないバーナデットと、お酒の場が苦手なシェルドンが、二人きりで過ごすことに。シェルドン手製のゲームで「戦士の女王バーナトリックス」を演じたバーナデットは、「妊婦扱い」から解放された夜を心から楽しみます。その締めくくりの会話です。
Sheldon: And any time you need a break from being Bernadette the Pregnant, Bernatrix the Warrior Queen is here waiting.
(「妊婦のバーナデット」から休みたくなったら、いつでも戦士の女王バーナトリックスが待ってるよ。)Bernadette: I might just take you up on that.
(その言葉に甘えちゃうかも。)The Big Bang Theory Season9 Episode22(The Fermentation Bifurcation)
シーン解説と心理考察
普段は他人への気遣いが苦手なシェルドンが、「いつでもまた付き合うよ」と思いがけず温かい申し出をする場面です。その厚意を、バーナデットが take you up on that(その言葉に甘えちゃうかも)と素直に受け取るやり取りに、二人の意外な相性のよさがにじみます。妊娠を知られてから「妊婦のバーナデット」という役割に押し込められていた彼女にとって、シェルドンの作ったゲームの中で「戦士の女王」になれた時間は、思いがけない息抜きでした。お互いに不器用な二人が、この一夜を通して静かに歩み寄っていく温度が、この短い受け答えに重なっています。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
take someone up on は、相手が差し出してくれた「申し出」というボールを、こちらが両手で「受け取って(take up)」実際に動き出す、という絵で捉えるのがおすすめです。take 人 up on 申し出、という語順がやや複雑なので、「(人)を、その申し出の件で、つかまえる」と区切って読むと頭に入りやすくなります。バーナデットの I might just take you up on that.(その言葉に甘えちゃうかも)という、シェルドンの厚意を素直に受け取るひとことを思い出せば、好意を受ける温かい場面とセットで記憶に残ります。
例文で覚える「take someone up on」
take someone up on は、相手の申し出や誘いに応じるときの、感じのよい表現です。3つの例文で、使い方の幅を見ていきましょう。
Thanks for the invitation—I’d love to take you up on it.
(お誘いありがとう。ぜひ受けさせてもらいたいです。)
誘いに快く応じる場面です。on のあとを it という代名詞で受けると、何の話かが明確なときに自然な言い回しになります。
If the offer still stands, I’ll take you up on it next week.
(その申し出がまだ有効なら、来週ありがたく受けます。)
申し出を後日受ける、ややフォーマルな場面です。if the offer still stands(その申し出がまだ有効なら)は、take up on とセットでよく使われる前置きです。
A: You should come stay at our place when you visit.
B: Really? I might take you up on that.
(A:こっちに来るときは、うちに泊まればいいよ。)
(B:本当に? お言葉に甘えちゃおうかな。)
友人同士のカジュアルな会話です。劇中とほぼ同じ形で、相手の好意を気持ちよく受け取るときに使えます。
あわせて覚えたい関連表現
accept (an offer / invitation)
(申し出・誘いを受け入れる)
中立的で、フォーマルな場面にも使える基本の動詞です。accept が淡々とした受諾なのに対し、take up on は「せっかくだから甘える」という口語的な温かみがある点が違います。
I’ll hold you to that
(その言葉、守ってもらうからね)
相手の発言を「約束として後で守らせる」という念押しの表現です。take up on が自分が好意を受ける側なのに対し、こちらは相手に約束を守らせる側、という方向の違いがあります。
jump at (the chance / offer)
(機会・申し出に飛びつく)
即座に、喜んで受ける勢いを強調する表現です。take up on が落ち着いて受ける標準的な言い回しなのに対し、jump at は乗り気な勢いが前面に出ます。
Note|「お言葉に甘えて」を英語でどう言うか
バーナデットの take you up on that を訳すとき、しっくりくる日本語は「お言葉に甘えて」です。実はこの表現、日本語の社交的な気配りと英語の感覚が、きれいに重なる一例なのです。
日本語の「お言葉に甘えて」には、相手の厚意をありがたく受け取りつつ、「本来なら遠慮すべきところを、好意に乗らせてもらう」という、ほんのりした謙遜とあたたかさが含まれています。英語の take you up on that も、まさにこの感覚に近い働きをします。たとえば誰かが Let me know if you ever need help.(困ったらいつでも言って)と申し出てくれたとき、その場の社交辞令で流さず、後日 I’d like to take you up on your offer.(お言葉に甘えさせてください)と返せば、相手の厚意を無駄にせず、関係を一歩深めることができます。単に accept(受け入れる)と言うよりも、「あなたが差し出してくれたものを、ありがたく受け取ります」という相手への敬意がにじむため、英語圏でも人間関係の潤滑油としてよく使われます。社交辞令と本当の申し出の境目を、上手に越えていく言葉とも言えます。
シェルドンの不器用な厚意を、バーナデットが take you up on that で受け止めたことで、二人の距離がふっと縮まったのも、この表現が持つ温かさゆえでした。
厚意に甘える勇気を、そっと後押ししてくれる一言です。
まとめ|相手の厚意を、気持ちよく受け取る英語
take someone up on は、相手が差し出してくれた申し出や誘いを「ありがたく受ける・言葉に甘える」表現でした。take 人 up on 申し出、という語順を押さえれば、I’ll take you up on that. の形で、さまざまな場面の厚意に感じよく応えられます。
「いつでも言って」と言ってくれた相手に、社交辞令で終わらせず素直に甘えられると、人との関係はぐっと温かくなります。誰かの親切な申し出に出会った瞬間に take you up on that が浮かぶよう、会話のレパートリーに加えてみてください。


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