海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
朝起きて体調がすぐれず、職場に「今日は休ませてください」と連絡を入れた経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
そんなときに欠かせない「call in sick」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン10第19話の中盤、ペニーが職場の同僚の欠勤をめぐる噂をラージに打ち明けるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「call in sick」の意味とニュアンス
call in sick
意味:病欠の連絡を入れる、病気で会社を休む
call in sick は、電話やメッセージで職場に「体調が悪いので休みます」と伝えることを表す表現です。call(電話する)に in(中へ=職場に向けて)が付き、その理由として sick(病気)を添えた形で、「病気だと連絡を入れる」という一連の動作をまとめて言い表します。
ポイントは、実際に病気であるかどうかとは切り離して使われる場面もあることです。本当に体調を崩したときはもちろん、「病欠ということにして休む」というニュアンス、つまり日本語の「ずる休み」に近い含みで使われることもあります。どちらの意味になるかは、前後の文脈や話し手の口ぶりで決まります。
【ここがポイント!】
- 「call in sick」の核は、職場に向けて「病気です」と連絡を入れる動作
- 本当の病欠にも、ずる休みの含みにも使える、文脈次第の表現
- 誰が・なぜ休んだのかという話題で、噂や憶測とセットで登場しやすい一言
『ビッグバン★セオリー』S10E19のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ペニーは、不正な手段で昇進を狙っているのではと疑う同僚ジェニファーに直接問いただすつもりでした。ところが当のジェニファーは出社せず、しかも不倫が噂される相手まで同じく欠勤。ペニーがその「偶然」をラージに語る場面で、このフレーズが続けざまに飛び出します。
Raj: So did you confront Jennifer?
(それで、ジェニファーと話はつけたの?)Penny: No, I was going to, but she called in sick. And guess who else called in sick.
(ううん、するつもりだったんだけど、彼女病欠したのよ。しかも、もう一人誰が病欠したと思う?)Raj: Paul.
(ポール)Penny: Paul.
(ポールよ)The Big Bang Theory Season10 Episode19(The Collaboration Fluctuation)
シーン解説と心理考察
ペニーの「病欠したのよ」という報告には、額面どおりの欠勤ではなく「二人そろって休むなんて怪しい」という含みがにじむ場面です。call in sick という同じ表現を二度重ねることで、偶然を装った欠勤への疑いが会話の温度を変えています。
ラージがすかさず「ポール」と相手の名前を言い当て、ペニーが「ポールよ」と返すテンポの良さからは、二人がすっかり噂話に乗っている様子が伝わってきます。一方で、その輪に入れず「ポールって誰?」と置いていかれるレナードの姿が、この回の裏テーマである疎外感をやわらかく見せています。職場のゴシップを軽やかに交わす会話のなかで、call in sick が「ただの病欠」以上の意味を帯びていると言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
受話器を持って、会社という建物の「中へ(in)」向かって「今日は病気です」と声を送り込む——その一本の電話の絵を思い浮かべてみてください。call が声を出す動作、in がその声の向かう先、sick が伝える中身、と三つの部品が一直線につながります。
このシーンでは、ジェニファーとポールが「そろって電話で休んだ」という構図でした。職場に二本の欠勤連絡が同じタイミングで届く様子と結びつけると、call in sick が「誰かが職場に病欠を知らせる」表現だと、絵のまま記憶に残ります。
例文で覚える「call in sick」
体調不良の連絡から、ずる休みの含みまで、call in sick は職場まわりの会話で幅広く使えます。3つの場面で感覚をつかみましょう。
I’m not feeling well, so I’m going to call in sick today.
(体調が良くないので、今日は病欠の連絡を入れます。)
朝、具合が悪くて上司に連絡するときの最も基本的な使い方です。going to と組み合わせて「これから連絡する」という流れを自然に表せます。
Three people called in sick, so we’re short-staffed today.
(3人が病欠の連絡をしてきたので、今日は人手不足です。)
出勤したら同僚が複数休んでいた、という状況説明の例です。他人の欠勤を主語にして、職場の状況を伝える形で使えます。
A: He called in sick again? That’s the third time this month.
B: Yeah, I’m starting to think he’s just avoiding the big presentation.
(A:彼また病欠?今月もう3回目だよ。 B:うん、例の大事なプレゼンから逃げてるだけな気がしてきた。)
同僚の頻繁な欠勤に首をかしげる会話です。ここでの call in sick には「本当に病気なのか怪しい」というずる休みの含みがにじみ、まさにドラマのシーンと同じ温度感になります。
あわせて覚えたい関連表現
take a sick day
(病気休暇を取る)
call in sick が「病欠の連絡をする」という動作を指すのに対し、こちらは「病欠の1日を取る」という休暇そのものを指します。連絡行為ではなく、取得する休みに焦点が当たる言い方です。
take a day off
(1日休みを取る)
理由を問わず「休む」全般を表す表現です。病気とは限らず、私用や休養でも使えます。call in sick が病気限定なのに対し、こちらは休む理由を限定しません。
be off sick
(病気で休んでいる)
イギリス英語でよく使われる、休んでいる「状態」を表す言い方です。call in sick が連絡を入れる瞬間を指すのに対し、be off sick は実際に休んでいる最中を表します。
Note|「病欠」を伝える英語のフォーマル度の幅
call in sick は、同僚同士の軽い会話から、人事への正式な連絡まで、フォーマル度の幅が広い表現です。同じ「病欠」でも、場面によって言い回しを選び分けられると、英語の伝わり方がぐっと自然になります。
カジュアルな場では、今回のシーンのように call in sick がそのまま使われます。一方で、就業規則や人事からの案内のようなフォーマルな文脈では、より手続き的な言い回しが好まれます。たとえば社内規定では「If you’re unable to work due to illness, please notify your manager(病気で就業できない場合は、上司に連絡してください)」のように、notify(通知する)という硬い動詞が選ばれることがあります。アメリカの多くの企業では sick day(病気休暇)が有給休暇とは別枠で設けられており、call in sick は労働者の権利として日常に根付いた表現でもあります。同時に、今回のジェニファーとポールのように「そろって休む」状況では、ずる休みを疑う皮肉の道具にもなります。
つまり call in sick 一つを覚えておけば、まずは幅広い場面に対応できます。そのうえで、相手やフォーマル度に応じて notify や take a sick day へ言い換えられると、表現の引き出しが一段深くなります。
同じ「休む」でも、選ぶ言葉で印象は静かに変わります。
まとめ|ペニーの噂話から学ぶ「病欠」のひとこと
call in sick は、職場に病気の連絡を入れる動作をまるごと表す、日常に欠かせない表現です。本当の体調不良にも、ずる休みの含みにも使える柔軟さが、このフレーズの便利なところと言えます。
この一言が使えると、自分が休む連絡をするときはもちろん、「誰がなぜ休んだのか」という職場の何気ない会話にもすっと入っていけます。ペニーとラージのやり取りのように、欠勤をめぐる噂話は、英語の世界でも日常のひとコマです。
体調を崩した朝の連絡から、ちょっとした職場の世間話まで、call in sick を会話のレパートリーに加えてみてください。


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