海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
試験の合否や面接の結果を待つあいだ、「どうかうまくいきますように」と願わずにいられない時間、ありますよね。
そんな気持ちを表す「cross one’s fingers」を、『CHUCK』シーズン1第4話、ピンチのサラを助けようとしないカリーナに、チャックが食い下がるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「cross one’s fingers」の意味とニュアンス
cross one’s fingers
意味:(指を組んで)幸運を祈る、うまくいくよう願う
中指を人差し指の上に重ねるジェスチャーとセットの表現で、「うまくいきますように」と願掛けすることを指します。実際に指を組まなくても、口頭で「祈ってるよ」という意味で使えます。
試験、面接、結果待ちなど、自分の力ではどうにもできないことの成功を願う場面でよく登場します。願う対象には for を添えて、cross one’s fingers for ~(〜がうまくいくよう祈る)の形にします。また keep one’s fingers crossed(祈り続ける)や、Fingers crossed.(うまくいきますように)という短い言い方も日常で頻繁に使われます。気軽な願掛けから切実な祈りまで、幅広く対応できる表現です。
【ここがポイント!】
- 中指を人差し指に重ねるジェスチャーとセットの「幸運を祈る」表現
- 自分ではどうにもできないことの成功を願う場面で使うのがコツ
- Fingers crossed. と短く添えるだけでも「うまくいきますように」が伝わる
『CHUCK』S01E04のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
サラが窮地にあるなか、ダイヤだけを回収しようとするカリーナに、チャックが助力を迫る場面です。「祈るだけで友達を助けないのか」と問い詰めるチャックの言葉に、スパイの利己主義への素朴な反発がにじみます。
Carina: Sarah’s fine. She’s very resourceful. Now, the rock?
(サラは大丈夫よ。あの子は機転が利く。さあ、石は?)Chuck: So you’re just going to cross your fingers and hope for the best instead of helping your friend?
(つまり友達を助けもせず、ただ指を組んで幸運を祈るだけのつもりなのか?)Chuck Season1 Episode4 (Chuck Versus the Wookiee)
シーン解説と心理考察
仲間のピンチに手を貸そうとしないカリーナへ、チャックが「祈るだけのつもりか」と迫る場面です。本来は前向きな願掛けである cross your fingers を、ここでは「何もせず祈るだけ」という消極性を突く皮肉として使っているところに、言葉の妙があります。
スパイの利己主義に対するチャックの素朴な反発と、サラを思う気持ちが、この問いかけに重なっています。傍観者でいることの多かったチャックが、誰かのために一歩踏み出す——その変化が、何気ない一言を通して伝わってきます。同じ表現でも、文脈次第で願いにも皮肉にもなる柔らかさが、この場面に表れています。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
中指を人差し指にきゅっと重ねる、あのジェスチャーをそのまま思い浮かべるのが一番の近道です。組んだ指が小さな十字(cross)になり、「どうかうまくいきますように」と願う形になります。
チャックがカリーナに「ただ指を組んで祈るだけか?」と皮肉る場面とセットで覚えてみてください。本来は前向きな願掛けが、文脈によっては「何もせず祈るだけ」という皮肉にもなる——その二面性ごとイメージすると、cross one’s fingers が記憶に残りやすくなります。
例文で覚える「cross one’s fingers」
自分ではどうにもできないことの成功を願う場面で使えます。場面を変えて三つの使い方を見てみましょう。
I’m crossing my fingers that I get the job.
(その仕事に受かるよう祈ってるんだ。)
結果待ちの不安を語る場面です。that 以下に願う内容を続けることで、「〜でありますように」と具体的に祈れます。
Keep your fingers crossed for me—my interview is tomorrow.
(うまくいくよう祈っててね。明日が面接なの。)
相手に祈りを頼む場面です。keep your fingers crossed for me で「私のために祈っていて」と依頼できます。
A: How did the presentation go?
B: I think it went okay. Fingers crossed.
(A:プレゼンどうだった?)
(B:まあまあだと思う。うまくいってるといいな。)
結果を待つ会話です。Fingers crossed. と短く添えるだけで、「あとは祈るだけ」という気持ちを軽やかに表せます。
あわせて覚えたい関連表現
keep one’s fingers crossed
(幸運を祈り続ける)
cross one’s fingers とほぼ同義です。keep を使うと「祈り続ける」という継続のニュアンスが加わり、相手に頼む形でよく使われます。
knock on wood
(厄除けに木をたたく)
cross one’s fingers が「これからの成功を願う」のに対し、knock on wood は「今の幸運が続きますように」と災いを避ける厄除けの願掛けです。
break a leg
(健闘を祈る、頑張って)
舞台前などにかける言葉です。cross one’s fingers が結果を祈るのに対し、break a leg はこれから臨む人への激励という点が違います。
Note|指を組む仕草が「祈り」になる文化
cross one’s fingers は、指を組むジェスチャーとセットで覚えられる珍しい表現です。なぜ指を交差させる仕草が「幸運を祈る」を意味するようになったのか、その文化背景をたどってみます。
有力な説のひとつは、指を交差させて作る十字(cross)が、キリスト教の十字架に通じるというものです。十字の形に加護を求める仕草が、やがて「幸運を願う」ジェスチャーとして広まったとされています。興味深いのは、この仕草がもうひとつ正反対の使われ方も持っている点です。英語圏には、背中の後ろで指を組んでいれば「いまの約束は無効」とみなす、子どもの遊びのような慣習があります。つまり同じ指を組む仕草が、表では「うまくいきますように」という祈りに、裏では「この約束は嘘」という帳消しのサインにもなるわけです。願いと嘘の打ち消しという、正反対の意味を併せ持つジェスチャーは、言葉とともに身振りで気持ちを伝える文化の面白さをよく表しています。
チャックが「指を組んで祈るだけか」と皮肉ったのも、この仕草が持つ「祈り」のイメージを逆手に取った一言と読み取れます。
ひとつの仕草に、祈りと嘘が同居しているのですね。
まとめ|チャックの問いかけに学ぶ「祈る」表現
cross one’s fingers は、自分の力ではどうにもできないことの成功を、指を組む仕草とともに願う表現です。ジェスチャーとセットで覚えられる、英語圏の文化が色濃く出た言い回しです。
試験や面接の結果待ち、大事なイベントの成否——「あとは祈るしかない」場面で、軽い願掛けから切実な祈りまで幅広く使えます。Fingers crossed. と短く添えるだけでも、十分に気持ちが伝わります。
どうにもできない時間を、前向きな願いとともに過ごすための一言として、表現の引き出しに加えてみてください。
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