「the jig is up」の意味と使い方|『CHUCK』S02E17で学ぶ英会話

「the jig is up」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

こっそり続けていたいたずらや隠し事が、とうとう相手にバレてしまった——そんな「もう観念するしかない」瞬間を、英語ではどう言うのでしょうか。

今回の「the jig is up」は、まさに「もうごまかせない」「万事休す」という、ごまかしが利かなくなった状況を表す表現です。『CHUCK』シーズン2第17話の中盤、暴走したコンピューターを止めようとモーガンが仲間に呼びかける場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「the jig is up」の意味とニュアンス

the jig is up
意味:もうごまかせない/万事休す/おしまいだ

直訳すると「ジグ(踊り)は終わった」。そこから転じて、「もう隠し通せない」「正体がバレた」「これ以上は無理だ」という、お楽しみやたくらみが終わってしまった状況を表します。

主に、悪事・いたずら・隠し事などが露見したときに使われる、やや古風で味のある口語表現です。誰かにごまかしを見破られた瞬間や、計画が破綻してもう引き返せないと悟った瞬間に、ぽつりと放たれます。The game is up という似た言い方もあり、こちらもほぼ同じ意味で使えます。なお、よく似た音の gig(演奏・仕事)と混同されることがありますが、このイディオムで使うのは jig のほうです。

【ここがポイント!】

  • 核は「お楽しみ・たくらみが終わって、もうごまかせない」というイメージ
  • 悪事や隠し事がバレた瞬間に放たれる、古風で味のある一言
  • 似た音の gig(仕事・演奏)とは別物、jig(踊り)が正しいつづり

『CHUCK』S02E17のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

新型ノートパソコンをこっそり持ち出し、ゲーム感覚で遊んでいたモーガンたち。ところがそれは本物の軍用ドローンを操作するもので、暴走の危険が迫ります。事態に気づいたチャックの必死の説得を受け、モーガンが「もう潮時だ」と仲間に呼びかける場面です。

Chuck: Morgan, you have to listen to me. You have to stop playing with that computer right now.
(モーガン、よく聞いてくれ。今すぐそのコンピューターで遊ぶのをやめるんだ。)

Morgan: Time to pull the plug, all right? Jig is up.
(もう電源を抜く時だよ、いいな? おしまいだって。)

Chuck Season2 Episode17(Chuck Versus the Predator)

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シーン解説と心理考察

ここでの Jig is up は、無断でパソコンを使うという「お楽しみ」が終わりを迎える瞬間を、軽妙に言い表しています。本来 the jig is up と冠詞をつけるところを、モーガンは Jig is up と崩して言っており、ここにくだけた口語のテンポのよさが出ています。

注目したいのは、深刻な状況なのにモーガンの口調がどこか軽いことです。本人は本物の軍用ドローンを操作しているとは知らず、ゲームを切り上げる程度の感覚でこの言葉を使っています。チャックの切迫した説得と、モーガンののんきな返しのギャップが、コメディとサスペンスを同居させる『CHUCK』らしい味わいを生んでいると言えます。直前の pull the plug(電源を抜く=中止する)という表現と並んで、「もう終わりにしよう」という気持ちが二重に語られているのも見どころです。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

舞台の上で陽気に踊っていた人が、ふと音楽が止まってぴたりと動きを止める——そんな「ショーが終わった瞬間」を思い浮かべると、the jig is up の感触がつかめます。

モーガンが「もうおしまい」と遊びを切り上げたあの場面と、踊りが止まるイメージを重ねてみてください。jig がもともと「踊り」だと知っていれば、「楽しい時間が終わった=もうごまかせない」という意味のつながりが、すっと腑に落ちます。陽気な動きがぴたりと止まる、その静止の感覚ごと覚えるのがコツです。

例文で覚える「the jig is up」

隠し事やたくらみがバレる場面で活躍する表現です。3つの場面で見てみましょう。

When the police arrived, the thieves knew the jig was up.
(警察が到着したとき、泥棒たちはもう逃げられないと悟った。)
犯罪がばれる典型的な場面です。「ここまでだ」という観念の瞬間を、この一言が表しています。

The jig is up — I know you ate the last slice of cake.
(もうごまかせないよ——最後のケーキを食べたの、君だってわかってるんだから。)
日常のささいな隠し事を問い詰める場面です。深刻さよりも、軽い「もうバレてるよ」のニュアンスで使えます。

A: I can explain everything, I swear!
B: Save it. The jig is up.
(A:全部説明できるんだ、本当だって!)
(B:いいから。もう観念しなよ。)
言い逃れしようとする相手を突き放す場面です。「もうごまかしは利かない」という打ち切りの一言として機能しています。

あわせて覚えたい関連表現

the game is up
(もう万事休すだ/ばれてしまった)
the jig is up とほぼ同じ意味の言い換えです。jig(踊り)の代わりに game(ゲーム)を使っており、「仕掛けが終わった」というニュアンスは共通しています。

the cat is out of the bag
(秘密がばれてしまった)
隠していた秘密が漏れることを表す表現です。the jig is up が「もうごまかせない」と観念する側の言葉なのに対し、こちらは「秘密が外に出てしまった」という事実そのものに焦点があります。

busted
(ばれた/捕まった)
悪事や隠し事が見つかったときのくだけた一言です。the jig is up より口語的でカジュアルな響きがあり、若い世代の会話でよく使われます。

Note|「jig」はもともと踊りだった

the jig is up という表現で「終わってしまった」とされている jig とは、いったい何なのでしょうか。

jig は、16〜17世紀のイギリスやアイルランドで踊られた、テンポの速い陽気なダンスを指す言葉です。アイリッシュ・ダンスでおなじみの、足を細かく刻むあの軽快な踊りを思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。この「楽しく賑やかな踊り」というイメージから、jig はやがて「たくらみ」「ひそかなお楽しみ」「策略」といった、人目を忍んだ活動を指す意味でも使われるようになりました。そして the jig is up、つまり「踊りは終わった」という言い回しが、「お楽しみは終わりだ=もうごまかしは利かない」という意味の決まり文句として、18世紀ごろから定着していきます。陽気な踊りが、いつしか「バレてしまった」瞬間を告げる言葉へと変わっていったわけです。

この成り立ちを知っておくと、the jig is up に漂う、どこか芝居がかった軽さの理由が見えてきます。深刻な「終わり」ではなく、「ショーの幕引き」のような、少し戯けたニュアンスがあるのです。

賑やかな音楽がぴたりとやみ、踊り手が静止する——その一瞬に、このフレーズの味わいが宿っています。

まとめ|踊りの終わりが告げる「観念のとき」

the jig is up は、お楽しみやたくらみが終わり、「もうごまかせない」「万事休す」となった状況を表す、古風で味わいのある表現です。jig がもともと陽気な踊りを指していたことを知ると、その意味のつながりがぐっと身近になります。

悪事がばれる場面から、日常のささいな隠し事まで、幅広く使える一言です。少しユーモラスな響きがあるので、シリアスにもコミカルにも転がせます。覚えておくと、「もうバレてるよ」と伝えたいときの表現に深みが出ます。

ゲームを切り上げるモーガンの軽い口ぶりとともに、このフレーズを表現の引き出しに加えてみてください。

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