海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
初対面でうっかり相手の機嫌を損ねてしまい、「最初の出だしがまずかったな、なんとか仕切り直したい」と思った経験はありませんか。
そんなときにぴったりの「get off on the wrong foot」を、『CHUCK』シーズン3第1話の終盤、クラブで誤って殴り倒してしまった暗殺者ハビエルに拘束されたチャックが、なんとか穏便に済ませようと取り入るシーンから、一緒に見ていきましょう。
「get off on the wrong foot」の意味とニュアンス
get off on the wrong foot
意味:出だしでつまずく、第一印象を損なう
「the wrong foot」は「間違った方の足」、「get off」は「踏み出す・出発する」。直訳すると「間違った足で踏み出す」となり、そこから「物事や人間関係のスタートでまずいことになる、最初から関係がこじれる」という意味で使われます。
反対の表現は「get off on the right foot(良いスタートを切る)」です。行進などで踏み出す足を間違えると、最初から全体の調子が狂ってしまう——そんなイメージが、この表現の核にあります。
使われ方として多いのは、初対面でしくじったときや、新しい仕事・関係の出だしがうまくいかなかったときです。特に「最初はまずかったけれど、仕切り直したい」という文脈でよく登場し、関係を立て直そうとする場面の前置きとして便利な一言です。
【ここがポイント!】
- 「get off on the wrong foot」の核は、踏み出す足を間違えて最初から足並みが乱れるイメージ
- 反対は「get off on the right foot(好スタート)」、セットで覚えるのがコツ
- 「最初はまずかったけど仕切り直したい」という場面で活躍する一言
『CHUCK』S03E01のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
クラブで暗殺者ハビエルを誤って殴り倒してしまったチャックは、その後ハビエルに拘束されてしまいます。なんとか穏便に切り抜けようと、チャックは「最初の出会い方がまずかっただけ」「マリアチ音楽の大ファンなんだ」と、命乞いに近いお世辞でその場を取り繕おうとします。
Chuck: Oh, Javier. Uh, you know, I think we actually got off on the wrong foot.
(ああ、ハビエル。あのさ、僕たち、最初の出会い方がちょっとまずかったみたいでね。)Chuck: Truth be told, I’m a huge fan of mariachi music. And my hitting you was completely unintentional.
(正直に言うとさ、僕、マリアチ音楽の大ファンなんだ。殴っちゃったのも、本当に故意じゃなくて。)
シーン解説と心理考察
絶体絶命の状況で、暴力ではなく愛想笑いと弁舌で切り抜けようとする、チャックの性格がよく表れた場面です。「got off on the wrong foot」を持ち出すことで、険悪な始まりをなかったことにして、なんとか仕切り直したいという必死の懐柔がにじみます。
殴り倒した相手に向かって「最初の出会い方がまずかっただけ」と言ってのける図々しさと、その裏に透ける恐怖。この二つが同居するところに、チャックという普通の青年がスパイの世界で奮闘する可笑しさがあります。直後に「マリアチ音楽の大ファン」と取ってつけたようなお世辞を続けるあたりも、彼らしい必死さが表れています。
穏やかな表現で険悪な空気をならそうとするチャックの試みが、緊張と笑いを同時に生んでいる場面と言えます。「get off on the wrong foot」という柔らかい言い回しが、命がけの状況をどこかコミカルに見せています。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
行進やダンスで、全員が右足から踏み出すところを、一人だけ左足(wrong foot)から出してしまう——そんな場面を思い描いてください。最初の一歩を間違えただけで、足並みが乱れ、全体の調子が狂ってしまいます。
チャックは、殴り倒した相手に「最初の一歩がまずかっただけ」と取り入ろうとします。スタートで足を踏み外した、だから仕切り直そう、というわけです。反対の「get off on the right foot(正しい足で踏み出す=好スタート)」とセットで思い浮かべれば、両方の表現がまとめて記憶に定着します。
例文で覚える「get off on the wrong foot」
「最初はまずかったけれど」という仕切り直しの文脈で使うのが定番です。場面の違う3つの例文で、フレーズの幅を体感してみましょう。
The new manager got off on the wrong foot by criticizing the team on day one.
(新しいマネージャーは初日にチームを批判して、出だしでしくじった。)
仕事の出だしの失敗を説明する使い方です。最初の振る舞いが原因で、関係がこじれてしまった状況を表しています。
We got off on the wrong foot, but we’ve become good friends since.
(最初は印象が悪かったけど、その後いい友達になったよ。)
「出だしは悪かったが、今は良い」という対比で使う形です。関係の変化を振り返るときに、自然に登場する表現です。
A: I’m sorry about earlier. I think we got off on the wrong foot.
B: No worries. Let’s start over, shall we?
(A:さっきはごめんね。なんだか最初でつまずいちゃった気がして。)
(B:気にしないで。仕切り直そうか。)
初対面の気まずさをリセットしたいときの会話です。劇中のチャックと同じ、「仕切り直し」を持ちかける使い方になります。
あわせて覚えたい関連表現
get off on the right foot
(良いスタートを切る)
「wrong」を「right」に変えた対義表現です。好スタートを表し、「get off on the wrong foot」とセットで覚えると、出だしの良し悪しを両方言い分けられるようになります。
make a bad first impression
(第一印象を悪くする)
「初対面の印象」に限定した直接的な言い方です。「get off on the wrong foot」が印象だけでなく、関係や物事全般の出だしに使えるのに対し、こちらは第一印象そのものに焦点を当てます。
start off on the wrong note
(出だしから調子を狂わせる)
音楽の「最初の音を外す」由来の、ほぼ同義の表現です。foot 版のほうが口語でよく使われますが、note 版も同じく「悪いスタート」を表します。
Note|なぜ「間違った足」なのか、行進とダンスが生んだ表現
出だしのつまずきを、なぜ「足」で表すのでしょうか。この表現の手触りをたどると、足並みをそろえる動作の感覚に行き当たります。
「get off on the wrong foot」は、行進やダンスで、踏み出すべき足を間違えると最初から足並みが乱れてしまう、というイメージに由来するとされます。隊列での行進では、全員が同じ足から踏み出すことで動きがそろいます。そこで一人だけ逆の足を出せば、たちまちリズムが崩れる。この「最初の一歩のズレ」が、物事の悪いスタートの比喩になったわけです。さらに古くは、左足を踏み出すのを不吉とする迷信との関連も語られます。英語で「右(right)」が「正しい」を意味することもあって、右足=吉、左足=凶という対の発想が、この表現に重なっているとされます。だからこそ、反対の good start は「right foot(正しい足)」で表されるのです。
この成り立ちを知ると、チャックの言葉選びが妙に律儀に見えてきます。命がけの状況で、彼は「足並みがそろわなかっただけ」とでも言うように、関係の仕切り直しを持ちかけているのです。
最初の一歩のズレは、あとから踏み直せるのですね。
まとめ|チャックの懐柔から学ぶこと
「get off on the wrong foot」は、物事や人間関係の出だしでつまずくことを表す表現です。踏み出す足を間違えて足並みが乱れるという、行進由来のイメージが、この言葉に分かりやすさを与えています。
初対面で気まずくなってしまったとき、新しい仕事の滑り出しがうまくいかなかったとき、こじれた関係を仕切り直したいとき。この一言があれば、「最初はまずかったけれど」という前置きを、さらりと言い表せます。
反対の「right foot(好スタート)」とあわせて、出だしの良し悪しを語る表現として、会話のレパートリーに加えてみてください。
このエピソードを見るには
(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)
※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


コメント