海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「しょっちゅう連絡してるの?」と聞かれて、内心ドキッとしながら「いや、ごくたまにだよ」とごまかした——そんな経験はありませんか。
その「ごくたまに」を運ぶ「once in a blue moon」、つまりごくまれにという意味の表現を、『CHUCK/チャック』シーズン4第4話の中盤、モーガンがケイシーに娘との連絡頻度を問い詰められ、必死にごまかすシーンから、一緒に見ていきましょう。
「once in a blue moon」の意味とニュアンス
once in a blue moon
意味:ごくまれに、めったに〜ない、たまにしか〜ない
once in a blue moon は、何かが非常にまれにしか起こらないことを表す口語表現です。頻度の低さを、めったに見られない「青い月」になぞらえた比喩で、日常会話で広く使われます。
この表現の鍵を握る blue moon は、ひと月のうちに二度目に訪れる満月(または季節の中で四度目の満月)を指すとされる、暦のうえでまれな現象です。実際に月が青く見えるわけではないのに「blue」と呼ばれる点が、この表現の面白さでもあります。
否定的な響きはなく、単に「頻度が低い」という事実を述べる中立的な言い回しです。hardly ever のように否定語を使わずに「めったにない」と言える手軽さがあり、軽い会話の中で自然に使えます。how often(どのくらいの頻度で)と問われたときの答えとしても、よく登場します。
【ここがポイント!】
- 核は「めったに見られない青い月」という頻度の低さの比喩
- 否定語を使わずに「ごくまれに」と言える便利な表現
- 実際に月が青いわけではない、という由来も覚えておきたい一言
『CHUCK/チャック』S04E04のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ケイシーの娘アレックスと交際を深めるモーガンですが、その仲をケイシー本人にはまだ知られたくありません。連絡を取り合う頻度を問い詰められ、モーガンが苦し紛れにごまかそうとする場面です。
Morgan: No, I wouldn’t say often. Once in a blue moon, when we need to discuss meats.
(いや、しょっちゅうってわけじゃないよ。ごくたまにさ、肉について相談が必要なときだけ。)Casey: Meats.
(肉だと。)Chuck Season4 Episode4(Chuck Versus the Coup d’Etat)
シーン解説と心理考察
「ごくたまに」と言いながら、その理由を「肉の相談」と苦しくひねり出すモーガンのしどろもどろぶりが、笑いを誘う場面です。本当は頻繁に連絡しているのに、頻度を低く見せようと once in a blue moon を持ち出すところに、隠しごとの下手さがにじみます。
ケイシーの「肉だと」という短い返しが、モーガンの言い訳の苦しさをやわらかく見せています。娘を溺愛する父親の前で、必死に平静を装おうとして失敗するモーガンの空回りが、コミカルな緊張として響きます。「ごくまれに」というフレーズの軽さと、本心を隠したい必死さのギャップが、このやり取りの見どころです。
『CHUCK/チャック』流・覚え方のコツ
夜空を見上げて、めったにお目にかかれない「青い月」が浮かんでいる——そんな珍しい光景を思い浮かべてみてください。それくらいまれにしか起きない、というのが once in a blue moon の核です。
劇中では、モーガンが「ごくたまにだよ」と言いながら、しどろもどろに「肉の相談のときだけ」と取り繕っていました。あの「めったにないはずなのに、なぜか言い訳が必要になる」おかしさごと覚えておくと、青い月の珍しさとフレーズの意味が一度に頭に残ります。
例文で覚える「once in a blue moon」
頻度の低さを軽やかに伝えるこの表現を、3つの場面で見てみましょう。
We only go out for dinner once in a blue moon.
(うちが外食するのは、ごくたまにだけなんだ。)
日常の習慣を語る場面です。「めったに〜しない」という、この表現の最も基本的な使い方です。
He visits his hometown once in a blue moon these days.
(彼が故郷を訪れるのは、最近じゃごくまれだ。)
頻度が減ったことを語った例です。「以前はともかく、今ではめったに」というニュアンスも添えられます。
A: Do you ever watch horror movies?
B: Once in a blue moon, if a friend really wants to.
(A:ホラー映画って観ることある?)
(B:ごくたまにね、友だちがどうしてもって言えば。)
頻度を尋ねられて答える会話です。「めったにないけど、条件次第では」という控えめなニュアンスが出ています。
あわせて覚えたい関連表現
every now and then
(ときどき、時おり)
every now and then は「ときどき」程度の、once in a blue moon より高い頻度を表します。once in a blue moon は「めったにない」ほどまれな点で、頻度の低さが際立ちます。
hardly ever
(めったに〜しない)
hardly ever は頻度の低さでは近いものの、hardly という否定語を伴う構文上の違いがあります。once in a blue moon は否定語なしで「ごくまれ」と表せる、比喩的で柔らかい言い回しです。
seldom
(まれに、めったに〜ない)
seldom は一語で「まれに」を表すややフォーマルな副詞です。once in a blue moon は口語的で比喩を含むぶん、会話の中で温かみのある響きになります。
Note|blue moon は本当に青いのか
once in a blue moon の blue moon とは、いったい何の「青い月」なのでしょうか。実は、月が文字どおり青く見えるわけではありません。その正体をたどると、表現の成り立ちが見えてきます。
暦のうえで blue moon と呼ばれるのは、ひと月のうちに満月が二度訪れたときの、二度目の満月を指すとされます。月の満ち欠けの周期は約29.5日で、ひと月のほとんどに収まるため、二度目の満月が起きるのは数年に一度ほど。この「めったにない」頻度が、once in a blue moon という言い回しの土台になったと考えられています。一方で、火山の噴火や山火事で大気中に細かな粒子が舞うと、月や太陽が実際に青みを帯びて見える、ごく稀な現象も知られています。暦上の珍しさと、大気現象としての珍しさ——二重の「まれさ」が、この表現に重なっているわけです。どちらの由来が先かを一つに断定することは難しいものの、いずれも「めったに見られない月」という共通のイメージを持っている点が興味深いところです。
「青い月」がそもそも珍しいものだと知ると、once in a blue moon の「ごくまれに」という意味が、ぐっと忘れにくくなります。
まとめ|モーガンのごまかしに学ぶ「ごくまれに」の一言
once in a blue moon は、何かが非常にまれにしか起こらないことを表す表現です。めったに見られない「青い月」になぞらえた比喩で、否定語を使わずに「ごくたまに」と軽やかに言える点が便利です。
この一言を知っておくと、頻度の低さを、堅い否定文ではなく柔らかい比喩で伝えられるようになります。how often と尋ねられたときの、ちょっと気の利いた返しとしても活躍します。
頻度をごまかそうと必死に「ごくたまに」と取り繕う、モーガンのあのコミカルな一言とセットで、この表現をあなたの英語の引き出しに加えてみてください。
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