海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かが裏でコソコソと手を組んでいる、そんな「悪だくみ」の匂いを嗅ぎつけた時、英語でどう表現しますか?
今回は、FBI捜査官ブースのセリフから、サスペンスや日常のちょっとしたイタズラにも使える、ネイティブらしい共謀表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
骨移植によってがんに感染した少女の事件を追うブースとブレナン。
移植に使われた骨の出所であるバイオテック社は、すでに存在しない架空の組織でした。
手掛かりが途絶える中、ブースが病院の担当医であるオグデンに疑いの目を向けるシーンです。
Booth: Look, I got three agents out there right now searching for BioTech. But all we have to work on is this email address assigned to a fictitious name.
(なあ、今3人の捜査官がバイオテック社を捜索中だ。だが手掛かりは偽名のアドレスだけだ。)
Booth: OK, let’s just…let’s just say that Ogden and this, uh, fake tissue lab are in cahoots.
(よし、仮に…仮にオグデンとこの偽の組織バンクがグルだったとしよう。)
Booth: How many other bones out there can be from the same donor?
(同じドナーからの骨が、あとどれくらい出回ってる可能性がある?)
Zack: There are 206 bones in the human body, Agent Booth. Of those, any number of them are graftable.
(人間の骨は206個あります、ブース捜査官。そのうちのいくつかは移植可能です。)
BONES Season1 Episode20 (The Graft in the Girl)
手がかりは偽名のメールアドレスのみという行き詰まった状況で、ブースは直感的にオグデン医師への疑いを口にします。
ここで面白いのはザックとの対比です。
「人間の骨は206個」と冷徹に事実だけを並べるザックに対し、ブースは人間の持つ悪意や企み、つまり in cahoots(結託)という人間臭い仮説に飛びつきました。
数字や証拠が揃わなくても、悪人の匂いを嗅ぎ分ける直感型の捜査官であるブースの焦りと執念が、この一言に見事に表れていますね。
フレーズの意味とニュアンス
in cahoots
意味:グルになって、共謀して、結託して
語源には諸説ありますが、フランス語の cahute(小屋)から来ているという説が有力です。
狭い山小屋の中に隠れて、コソコソと悪だくみをしている様子から、裏で手を組むことを指すようになりました。
通常、be in cahoots with 〜(〜とグルである)という形で使われます。
【ここがポイント!】
このフレーズの核心は「秘密裏に行われる悪意やイタズラ」です。
公明正大なビジネスの提携ではなく、犯罪、不正、あるいは誰かを驚かせるためのドッキリなど、表沙汰にできない企みを共有している当事者同士の、少しダークで密接な関係性を表します。
実際に使ってみよう!
犯罪ドラマのようなシリアスな場面から、日常のちょっとした冗談まで幅広く使えます。
The mayor was clearly in cahoots with the construction company.
(市長は明らかにその建設会社とグルだった。)
汚職や癒着など、不正な結託を指摘する際の定番の表現です。ニュース記事などでもよく目にします。
I think my dog and cat are in cahoots to steal my food.
(うちの犬と猫、私の食べ物を盗むために結託してると思う。)
ペットや子供たちが裏でコソコソいたずらをしているような、微笑ましいシチュエーションでもユーモアを交えて使えます。
Are you two in cahoots to plan a surprise party for the boss?
(あなたたち2人、ボスのサプライズパーティーを計画するためにグルになってるんでしょ?)
悪だくみを逆手にとって、内緒のサプライズ計画などを暴く時にも活躍する表現です。ニヤリと笑いながら使ってみてください。
『BONES』流・覚え方のコツ
「暗い小屋での密談」をイメージしましょう。
オグデン医師と架空の組織の人間が、薄暗い小屋(cahute)に身を隠し、病気の骨を売りさばく相談をヒソヒソとしている姿を想像してみてください。
表の顔は立派な医師でも、裏では汚い小屋で手を組んでいる。そのドロドロとした関係性こそが in cahoots の響きそのものですよ。
似た表現・関連表現
conspire
(共謀する、陰謀を企てる)
法的・政治的な文脈で使われる、非常にフォーマルで硬い表現です。
partner in crime
(共犯者、最高の相棒)
文字通りの犯罪だけでなく、一緒にバカなことをしたり、秘密を共有したりする親友を指すポジティブな表現としてもよく使われます。
collude
(結託する、談合する)
特にビジネスや政治において、不当な利益を得るために裏で手を組むことを指す専門的な単語です。
深掘り知識:なぜブースは「conspire」ではなく「in cahoots」を選んだのか?
共謀するという意味の英語には conspire という単語もありますが、なぜブースは in cahoots を選んだのでしょうか。
conspire は調書や法廷で使われるような硬い法律用語です。
対して in cahoots は、よりストリートの匂いがする口語表現。
「法的に共謀している」と事務的に語るのではなく、「あいつら、裏でコソコソ汚いマネをしやがって」という、現場叩き上げのFBI捜査官であるブースの直感的で感情的な吐き捨てが、このイディオムにはよく表れています。
キャラクターの性格や感情によって選ばれる単語が変わるのも、生きた英語の面白いところですね。
まとめ|言葉の裏にある企みを感じ取ろう
ブースが放った in cahoots という一言のおかげで、単なる医療ミスではなく「組織的な悪意」が背景にあることが視聴者にも一気に伝わりました。
ドラマを見ていると、悪役たちが密談するシーンでこのフレーズに遭遇することがよくあります。
日常でも、誰かが裏でこっそり動いている気配を感じたら、目を細めて Are you in cahoots? と探りを入れてみてくださいね。


コメント