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変化のスピードが速すぎて、情報にも仕事にも「ついていくのが大変」と感じたことはありませんか。少し気を抜くと置いていかれそうな、あの感覚です。
そんなときに使える「keep up with」を、『フレンズ』シーズン1第20話の、レイチェルの発言に動揺したロスが、苦しまぎれの言い訳をまくし立てて逃げ出すシーンから、一緒に見ていきましょう。
「keep up with」の意味とニュアンス
keep up with
意味:〜についていく、〜に遅れずに対応する
keep up with は、進み続けるものに対して、遅れずに同じペースを保つことを表します。相手の歩く速さ、仕事の量、世の中の変化、流行やニュースなど、「どんどん先へ進んでいくもの」に後れを取らずについていく、というのが核にあるイメージです。
物理的なペース(歩く・走る速さ)にも、情報や流行への追随にも使えるのが特徴です。「なんとか離されずに食らいついている」というニュアンスがあり、余裕たっぷりというより、努力して同じ速度を維持している感覚に近い表現です。with 以下を省いて keep up 単独でも「ついていく」の意味で使えます。
【ここがポイント!】
- 核は「先を行くものに離されず、同じペースで並走し続ける」イメージ
- 歩く速さから情報・流行まで、”進み続けるもの”全般に使える表現
- 余裕ではなく「なんとか食らいついている」努力の感覚がにじむ一言
『フレンズ』S01E20のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
レイチェルが「バリーとの復縁は、あなたと元妻キャロルの関係と同じようなもの」と例えたことで、ロスが激しく動揺します。キャロルは同性愛に目覚めてロスと離婚した相手。触れられたくない話題に反論しかけて墓穴を掘りそうになったロスは、意味の通らない言い訳を早口でまくし立て、慌ててその場を去ろうとします。
Rachel: There’s a history there. It’s like you and Carol.
(二人には歴史があるのよ。あなたとキャロルみたいなものじゃない。)Ross: It’s nothing like me and Carol. I got to go. I have a jam-packed schedule and I am late for keeping up with it, okay?
(俺とキャロルとは全然違う。もう行かないと。予定がぎっしり詰まってて、それに追いつくのに遅れてるんだよ、いいだろ?)Friends Season1 Episode20 (The One with the Evil Orthodontist)
シーン解説と心理考察
痛いところを突かれたロスが、反論しきれずに逃げ出す瞬間の慌てぶりが、この一言に表れています。「予定がぎっしりで、それに追いつくのに遅れている」という言い訳は、よく考えると意味が通っていません。その支離滅裂さこそが、動揺して頭が回っていないロスの心理をやわらかく見せています。
keep up with 自体はごく普通の実用フレーズですが、ここでは”苦しまぎれにひねり出した口実”として使われているのが見どころです。落ち着いていれば選ばないような不自然な言い回しを、勢いで押し切ろうとする——そのちぐはぐさが会話の温度を変えています。正論から逃げる人ほど、言葉が上滑りしてしまう。そんな人間らしさがにじむ場面と言えます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
keep up with は、動いているエスカレーターやランニングマシンの上を、止まらずに歩き続けるイメージで覚えると定着します。keep(保つ)+ up(遅れない高さ)+ with(〜と一緒に)で、「先を行く相手の背中を見ながら、離されないよう足を合わせ続ける」動作がそのまま言葉になっています。
墓穴を掘りかけたロスが「予定に追いつかなきゃ」と早口でまくし立てて去っていく、あの落ち着きのない足取りと結びつけると、「遅れずについていく」という意味が印象に残ります。止まったら置いていかれる。その必死さごと覚えてしまいましょう。
例文で覚える「keep up with」
keep up with は、後ろに「進み続けるもの」を置いて使います。3つの場面で確認してみましょう。
It’s hard to keep up with all the changes at work.
(職場の変化全部についていくのは大変だよ。)
変化の速い環境への対応を語る場面です。keep up with changes(変化についていく)は、ビジネスでも日常でも頻出のコロケーションです。
She reads the news every morning to keep up with current events.
(彼女は時事に遅れないよう、毎朝ニュースを読んでいる。)
情報収集の習慣を説明する場面です。keep up with current events / the news の形で、「世の中の動きに後れを取らない」という意味でよく使われます。
A: Slow down a little! I can’t keep up with you.
B: Oh, sorry. I didn’t realize I was walking so fast.
(A:もう少しゆっくり歩いて!ついていけないよ。)
(B:あ、ごめん。そんなに速く歩いてたなんて気づかなかった。)
歩くペースが速い相手に声をかける会話です。keep up with を最も原義的な「物理的なペースに追いつく」意味で使った例です。
あわせて覚えたい関連表現
catch up with
((遅れを取り戻して)〜に追いつく)
catch up は「一度離された差を縮めて追いつく」動作を表します。keep up が「離されずに並走し続ける」状態の維持であるのに対し、catch up は追いつく途中の動きを指す、という違いがあります。
keep pace with
(〜と歩調を合わせる、同じ速さを保つ)
keep up with とほぼ同義で、ややフォーマルです。賃金と物価のように「Aの伸びがBに見合っているか」を語る文脈で好まれます。
stay on top of
(〜をきちんと把握・管理し続ける)
stay on top of は「情報や仕事を主導的に掌握している」ニュアンスです。keep up with が「なんとか遅れずついていく」なのに対し、こちらは余裕を持って管理している感覚で、コントロールの度合いが違います。
Note|keep up の「up」が担う”遅れない”の感覚
keep up with の up は、方向の「上」ではありません。この小さな副詞が、フレーズ全体のニュアンスを決めています。
ここでの up は、「(基準となるペースや高さに)届いた状態を保つ」という働きをしています。たとえば keep it up(その調子で続けて)の up は「今の good な状態を維持する」印ですし、hold up(持ちこたえる)の up も「崩れずに保たれている」感覚を表します。同じように keep up with 〜 の up は、「先を行く対象と同じ高さ(=ペース)に自分を保ち続ける」という意味を担っています。だからこのフレーズは、静止したものではなく、”動いているもの”についていく文脈にしっくりなじみます。変化・流行・スケジュール・相手の歩幅——どれも刻々と前へ進んでいくからこそ、「その高さをキープする(keep up)」という言い方が生きてくるわけです。逆に、止まっているものに keep up とは言いません。この up の感覚をつかむと、数ある句動詞の中でこのフレーズがどんな場面を選ぶのかが見えてきます。
ロスが keeping up with it と口走ったのも、「(勝手に進んでいく)予定に自分を合わせ続ける」と言おうとしたから。言い訳としては破綻していても、up の使い方だけは的を射ていたのです。
小さな up 一つに、”遅れない”という緊張感が詰まっているのですね。
まとめ|ロスの空回りから学ぶ「ついていく」の一言
keep up with は、進み続けるものに遅れず、同じペースを保ち続けることを表す表現です。歩く速さから情報や変化まで、”前へ進んでいくもの”全般に、「離されずについていく」という意味で使えます。
このフレーズを知っていると、忙しさや変化の速さを語るときに、「なんとか食らいついている」という感覚を自然に伝えられます。keep up 単独でも通じる応用の効く表現です。
正論から逃げようとして言葉が上滑りするロスの慌てぶりごと、この表現を会話の引き出しに加えてみてください。


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