海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
はっきり熱があるわけではないけれど、「なんだか体調が悪いかも、風邪をひきかけてるかな」と感じる瞬間、ありますよね。
そんなときにぴったりの「come down with something」を、『フレンズ』シーズン4第12話の中盤、クイズに勝った勢いで新しいアパートに乗り込んだジョーイが、ふと体調の悪さをこぼすシーンから、一緒に見ていきましょう。
「come down with something」の意味とニュアンス
come down with something
意味:(何か)病気にかかりかけている、体調を崩しかけている
come down with ~ は「(病気)にかかる、かかり始める」という口語表現です。後ろには cold(風邪)や the flu(インフルエンザ)など具体的な病名が来ますが、something を置くと「何か(はっきりしない病気)にかかりかけている」という、漠然とした不調を表します。
ポイントは「かかりかけ」という進行のニュアンスです。すでに寝込むほどではないけれど、なんとなく体が重い、喉がいがらっぽい、といった初期の兆候を感じている段階を指します。get sick(病気になる)が結果としての「病気の状態」に重心があるのに対し、come down with something は「これから悪くなりそうな予感」を含む点が特徴です。I feel like I’m coming down with something(何か体調を崩しかけてる気がする)は、日常でとてもよく使われる定番の言い回しです。
【ここがポイント!】
- something を使うと「何か(はっきりしない)病気にかかりかけ」という漠然とした不調を表せる
- 「もう病気」ではなく「かかりかけ・悪くなりそう」という進行の予感が核
- get sick より初期段階に寄る、体調の変化を感じ始めた瞬間にはまる一言
『フレンズ』S04E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
クイズ対決に勝った男性陣が、賭けで手に入れた新しいアパートに意気揚々と乗り込みます。部屋を物色して浮かれる中、ジョーイがふと体調の悪さを口にする場面です。come down with something が、勝利のはしゃぎに紛れてぽろっと飛び出します。
Chandler: Sure I can. Standard Shotgun Rules. I’m in sight of the room and I called it.
(できるさ。正式なショットガン・ルールだ。部屋が見える位置で、俺が先に言った。)Joey: Man, I feel like I’m coming down with something.
(あー、なんか体調崩しかけてる気がするな。)Chandler: Bet you can’t guess what color my tonsils are. I bet the apartment.
(俺の扁桃腺の色、当てられないほうに賭けるよ。アパートを賭ける。)Friends Season4 Episode12(The One With The Embryos)
シーン解説と心理考察
勝利に浮かれて新居を物色する高揚感の中に、「なんか体調崩しかけてるかも」という、妙に生活感のある一言がふっと挟まれるのが見どころです。派手な勝ち名乗りの直後だからこそ、この何気ないつぶやきが際立ちます。
come down with something は、まさにこうした「日常のふとした瞬間」に自然と出てくる表現だということが、この場面からよく伝わってきます。深刻な病状の告白ではなく、「なんとなく体が重いな」という軽いぼやきです。それを受けたチャンドラーが、扁桃腺の色を当てる賭けを持ちかけて、またアパートを賭けようとする流れも、勝った勢いで何でも賭けにしてしまう二人のノリを表しています。体調の話すら、すぐゲームのネタに変えてしまう。勝利で舞い上がった空気の軽さが、短いやり取りに凝縮されていると言えます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
come down with something は、体調が坂道を「下って(down)」いくイメージと一緒に覚えるのがおすすめです。元気な状態から、じわじわと下り坂に入っていく。その「これから悪くなっていく」下降の感覚が、down という言葉に込められています。
このシーンのジョーイのように、浮かれた気分のさなかにふと「あれ、なんか下がってきたかも」と体の変化に気づく画を思い浮かべると、「かかりかけ」のニュアンスが掴めます。まだ底には着いていない、下り始めの段階だと覚えるのがコツです。
例文で覚える「come down with something」
体調を崩しかけたときに使える、日常の定番フレーズです。具体的な病名でも、漠然とした不調でも、幅広く応用できます。
I think I’m coming down with a cold.
(風邪をひきかけている気がする。)
体調の初期兆候を伝える基本の形です。something の代わりに具体的な病名 a cold を置くと、「風邪をひきかけ」とはっきり示せます。
She had to cancel because she came down with the flu.
(彼女はインフルエンザにかかったので、キャンセルせざるを得なかった。)
予定を断る理由として使う一例です。過去形 came down で、実際に病気にかかってしまった経緯を説明しています。
A: You look a little pale. Are you okay?
B: Not really. I feel like I’m coming down with something.
(A:ちょっと顔色悪いよ。大丈夫?)
(B:あんまり。なんか体調崩しかけてる気がする。)
体調を気遣う会話です。はっきりしない不調を伝える返しとして、come down with something が自然に機能しています。
あわせて覚えたい関連表現
catch a cold
(風邪をひく)
風邪をひくことを表す最も一般的な表現です。come down with が「かかりかけ」の進行を含むのに対し、catch a cold は「風邪をひく」という行為・結果に重心があります。
feel under the weather
(体調がすぐれない、なんとなく不調)
はっきりした病気ではなく「なんとなく調子が悪い」様子を表す口語です。come down with something と近い場面で使えますが、病気にかかる進行というより、漠然とした不調の状態を指します。
get sick
(病気になる、具合が悪くなる)
病気になること全般を表すカジュアルな表現です。come down with something が「かかりかけ」の初期に寄るのに対し、get sick は病気になった結果の状態に焦点があります。
Note|病気が「上から降りてくる」come down with の発想
come down with という言い方には、「病気が下りてくる」という少し不思議な発想が隠れています。少したどってみます。
辞書の説明によれば、この down は「病気に倒れて、活動の水準が下がる」という下向きの動きを表しています。元気に立って動いていた人が、病気によって低いほうへ引き下ろされ、やがて床につく。その「倒される・沈む」イメージが down に込められているわけです。come down with が現在の「病気にかかる」の意味で使われていた記録は、19世紀後半までさかのぼるとされます。同じ down を使った表現に be down with(病気で寝込んでいる)があり、こちらは「かかりかけ」の come down with よりも、すでに寝込んでいる状態を指します。come(来る)と down(下に)を組み合わせることで、「病気がこちらへ、そして下向きに向かってくる」という進行のニュアンスが生まれているわけです。だからこそ、まだ完全には病気になっていない「かかりかけ」の段階を表すのにぴったりの表現になっています。
この背景を知ると、come down with something が持つ「これから悪くなりそう」という予感のニュアンスが、より鮮明に感じられるようになります。
体調の変化を、上下の動きでとらえる感覚が言葉に残っています。
まとめ|ジョーイのぼやきから学ぶ「かかりかけ」の一言
come down with something は、風邪など何かの病気に「かかりかけている」感覚を表す口語表現です。down に込められた「下り坂に入っていく」ニュアンスが、「もう病気」ではなく「これから悪くなりそう」という進行の予感をよく表しています。
この一言を覚えておくと、はっきりした症状が出る前の「なんだか体調が悪いかも」という微妙な状態を、自然に伝えられるようになります。get sick や catch a cold との使い分けができると、体調の話がぐっと表現豊かになります。
体調の変化を感じた朝の一言として、会話のレパートリーに加えてみてください。


コメント