海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
手元にある材料だけで、急いで夕食を作ったり、資料をツギハギでまとめたりした経験はありませんか?
今回は、そんな「あり合わせでなんとか形にする」という状況を表す、少し知的な響きの英語表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
クリスマスの研究所。
アンジェラは、展示予定だった「ニムルドのレンズ」の骨組みを利用して、光のホログラムで美しい「クリスマスツリー」を出現させました。
その幻想的な美しさに、美意識の高い所長・グッドマン博士も感嘆の声を漏らします。
Angela: I used the skeleton of the exhibition of the Nimrud Lens to project the image of a Christmas tree.
(ニムルドのレンズ展示の骨組みを使って、クリスマスツリーの映像を投影したの。)Goodman: It beats cobbling together Christmas decorations out of pipettes and specimen bags.
(ピペットや標本袋でクリスマスの飾りを急ごしらえする(あり合わせで作る)よりは、ずっとマシですね。)
BONES Season1 Episode09 (The Man in the Fallout Shelter)
普段、科学者(スクインツ)たちは「実験器具」をただ積み上げただけの、機能的だけど無機質な飾り付けをしがちです。
考古学者であり、美を愛するグッドマン所長は、そんな「貧乏くさい急造品(cobbled together)」に内心うんざりしていたのでしょう。
アンジェラの作品は、科学の廃材をアートに昇華させたものであり、まさに彼女が「科学と美の架け橋」であることを象徴するシーンですね。
フレーズの意味とニュアンス
cobble together
意味:(あり合わせの材料で)急いで作る、急造する、なんとかまとめる
直訳すると「石ころ(cobble)を合わせて作る」…ではなく、ここでの “cobble” は「靴の修繕(cobbler)」から来ています。
昔の靴の修理屋さんが、余った革の切れ端を使ってツギハギで靴を直していた様子から、「手元にあるものを寄せ集めて、とりあえず形にする」という意味で使われるようになりました。
【ここがポイント!】
「完璧ではないけれど、とりあえず間に合わせた」というニュアンスが含まれます。
ネガティブな意味(粗悪品)で使われることもありますが、ビジネスでは「リソース不足の中でなんとかプロジェクトを立ち上げた」という、工夫や努力(ブリコラージュ)の文脈で使われることも多い表現です。
実際に使ってみよう!
日常やビジネスシーンで、急いで何かを作った時に使ってみましょう。
I managed to cobble together a report from various sources.
(色々な情報源をツギハギして(寄せ集めて)、なんとかレポートをでっち上げた。)
解説:時間がなくて、あちこちの資料をコピペして繋ぎ合わせたような、突貫工事の書類作成時によく使います。
We have to cobble together a team for the new project.
(新プロジェクトのために、急いでチームを寄せ集めないといけない。)
解説:各部署から余っている人員をかき集めて、即席チームを作るようなシチュエーションです。
I cobbled together a dinner from leftovers in the fridge.
(冷蔵庫の残り物で、なんとか夕食を急いで作った。)
解説:買い物に行けなかった時の「あり合わせ料理」。見た目はともかく、とりあえずお腹は満たせる状態です。
『BONES』流・覚え方のコツ
「実験器具のフランケン・ツリー」をイメージしましょう。
グッドマン博士が嫌がっていた、ビーカーやゴム手袋、ピペットなどをテープで無理やりくっつけて作った、不格好なツリー。
その「ツギハギ感」と「手作り感」こそが、cobble together のイメージです。
似た表現・関連表現
似た意味を持つ単語も合わせて覚えておくと、表現の幅が広がりますよ。
throw together
(〜を急いで作る、手早くまとめる)
解説:cobble together とほぼ同じ意味ですが、より口語的でカジュアル。「パパッと作る」という軽快なニュアンスです。
whip up
(〜をテキパキと作る、手早くこしらえる)
解説:特に「料理」でよく使われます。「卵を泡立てる(whip)」ような手際の良さを感じさせる、ポジティブな表現です。
scrape together
(〜をかき集める)
解説:お金や資金をなんとか集める時によく使われます。「鍋の底をこする(scrape)」ような、ギリギリの苦労が滲む表現です。
深掘り知識:なぜ「靴職人」が「雑」なのか?
「Cobbler(靴の修理屋)」という言葉には、歴史的に少し見下されたニュアンスが含まれていました。
- Cordwainer: 新品の靴を作る「職人」(高度な技術)
- Cobbler: 古い靴を直す「修理屋」(ツギハギ仕事)
かつてイギリスでは、この2つは厳密に区別されていました。
そのため、「Cobblerの仕事」=「新品を作る技術がない人が、あり合わせで直すこと」=「不器用な仕事」「雑な急造品」という意味が定着してしまったのです。
現代では職業差別的な意味は薄れましたが、言葉の歴史を知ると “cobble together” の「ツギハギ感」がより鮮明にイメージできますよね。
まとめ|不格好でも、形にしよう
「cobble together」は、準備不足や時間がない中で、知恵を絞ってなんとか形にした時に使える表現です。
完璧じゃなくても、アンジェラのツリーのように(あるいはピペットのツリーのように)、まずは形にすることが大切。
「なんとかでっち上げたよ!」と言いたい時は、胸を張ってこの言葉を使ってみてください。


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