海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
BONESシーズン4 第10話は、上海へ向かう機内で起きた事件の捜査が軸になるエピソードです。今回はその機内シーンから、人から物を取り上げる場面で繰り返し使われる「hand it over」と「confiscate」という、レジスターの異なる2つの英語表現を見ていきます。
カジュアルな命令形とフォーマルな動詞の使い分けを、劇中のやり取りをたどりながら確認していきましょう。
“hand ~ over”に見る、その場でのカジュアルな「よこせ」
機内でミニボトルの酒を盗み飲みしていた少年イーライに気づいたブースは、FBIのバッジを見せながら詰め寄り、こう告げます。
Booth: This is American soil until we touch down in Shanghai, alright? So come on, hand them over.
(上海に着陸するまでは、ここはアメリカの領土だ。いいから、よこせ。)BONES Season4 Episode10 (The Passenger in the Oven)
hand ~ overは「~を渡す、よこす」という意味の句動詞で、命令形にすると「よこせ」というぞんざいな響きになります。代名詞を目的語にする場合はhand them overのように動詞とoverの間に置く語順が基本で、hand over themとは言えません。日本語の「渡して」「よこして」に近い直接さがある言い方で、丁寧に頼みたい場面ではCould you hand it over?のように疑問文にしたり、文頭にpleaseを添えたりして和らげるのが一般的です。命令形そのものの硬さは変わらなくても、pleaseの有無や疑問文への言い換えで対人的な柔らかさが調整できる表現でもあります。物語の中盤、ブースは同じ少年が今度はウォッカを飲んでいるところを再び見つけ、こう繰り返します。
Booth: Okay. Hand it over. Hand the vodka over. Come on.
(よし。渡せ。そのウォッカを渡せ。さあ。)BONES Season4 Episode10 (The Passenger in the Oven)
ここではhand the vodka overのように、名詞を目的語にする場合は動詞とoverの間に置くことも、hand over the vodkaのように後ろに置くこともできます。同じフライトの中で2度も繰り返される「よこせ」というやり取りに、ブースの遠慮ない捜査官らしさが表れています。
“confiscate”に見る、職務としての「没収」
捜査に必要な小物を集めるため、ブースは機内放送で乗客に呼びかけます。ライターの提供者が見つからず困っていると、乗務員のミンがひそかにライターを差し出し、こう説明します。
Ming: I confiscated it.
(没収しておきました。)BONES Season4 Episode10 (The Passenger in the Oven)
confiscateは「(規則に基づいて公的に)没収する」という意味のフォーマルな動詞です。機内でライターの所持が禁じられていることを踏まえ、ミンはすでに正式な手続きとして取り上げていたことを、この一語で簡潔に説明しています。hand ~ overが「今この場で渡せ」という直接的な命令であるのに対し、confiscateは「すでに公的な行為として取り上げた」という完了した状況を表す語で、文全体のトーンもフォーマルです。空港の保安検査で規定外の持ち込み品を取り上げる場合や、学校で教師が授業中のスマートフォンを預かる場合など、”confiscate”は個人同士のやり取りというより、制度や規則を後ろ盾にして何かを取り上げる場面でよく使われます。日本語で言えば「没収する」「取り上げる」に相当し、「渡して」「よこして」のようなその場限りの口語表現とは、使われる場面の性質そのものが異なる語だと言えます。
| 表現 | ニュアンス | 話者・場面 |
|---|---|---|
| hand ~ over | その場での直接的な命令、カジュアル | ブースがイーライに |
| confiscate | 規則に基づく公式な没収行為 | 乗務員ミンの説明 |
同じ「物を取り上げる」という内容でも、話者の立場や場面のフォーマル度によって選ばれる語がまるで違うことが、この対比からよくわかります。
まとめ|「取り上げる」を表す英語表現の幅
hand ~ overのカジュアルな命令形と、confiscateのフォーマルな動詞。この2つを押さえておくと、日常のやり取りから公式な場面まで、「物を取り上げる」というシーンを幅広く言い表せるようになります。
次回も『BONES』の機内の会話から、日常で使える英語表現を追いかけていきましょう。
同じ機内シーンを扱った他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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