海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
BONESシーズン4 第8話では、遺体入りの潰れた車が数十万ドルの評価額を持つ「彫刻」だったという設定から物語が始まります。証拠品であるはずの車が「歴史的美術品」として法的に保護され、捜査が制限されるという展開もあり、現代アートの世界がどう描かれているかに注目が集まる回です。
そこで交わされる英語には現代アート評論特有の言い回しが登場します。実際の美術業界の実態を断定するものではなく、あくまで劇中の描かれ方として見ていきましょう。
「ガラクタ」対「消費主義への鋭い批評」、アート評論の言葉遣い
彫刻を前に、ジェフリーの作品を管理するギャラリー関係者ヘレンは、こう説明します。
Helen: Geoffrey’s work is a brilliant examination of consumerism and the destruction of the soul.
(ジェフリーの作品は、消費主義と魂の崩壊を見事に描き出した批評なんです。)Brennan: I see twisted metal.
(わたしにはねじれた金属にしか見えません。)Helen: Well, you need to look beneath the surface.
(それは、表面の下にあるものを見る必要があるということです。)BONES Season4 Episode8 (The Skull in the Sculpture)
劇中のヘレンの言い回しa brilliant examination of consumerism(消費主義への鋭い批評)からは、現代アート評論でよく使われる持ち上げた表現の型が感じられます。対してlook beneath the surface(表面の下を見る)は、文字通りに解釈するブレナンとの噛み合わなさを生む言い回しとして描かれています。
証拠品なのに「歴史的美術品」、法制度が捜査を止める仕組み
証拠であるこの彫刻について、連邦検事キャロラインはこう説明します。
Caroline: You can still examine it. You just can’t disrupt it in any way. Don’t worry. This is only temporary. We’ll see how artistic people are feeling when it starts stinking. Just don’t scratch it.
(調べること自体はできますよ。ただ、どんな形であれ傷つけてはいけません。心配いりません、あくまで一時的な措置ですから。臭ってきた頃に、みんながどれだけ芸術的な気分でいられるか見ものですね。とにかく傷はつけないように。)BONES Season4 Episode8 (The Skull in the Sculpture)
この前段では、彫刻が「historic piece of art(歴史的美術品)」だと判事に認められ、temporary injunction(一時的な差し止め命令)が出されたことが語られています。あくまで劇中の設定であり、現実の美術品や証拠品のすべてに当てはまるとは限りません。
「Po-Mo」という業界用語と、アート評論特有のレトリック
ジェフリーと張り合っていた彫刻家アントンは、事件の話を聞いてこう漏らします。
Anton: How Po-Mo.
(いかにもPo-Moだね。)Booth: Po-Mo?
(Po-Moって?)Brennan: Uh, Post Modern.
(ええと、ポストモダンのことです。)Anton: Let me tell you, Geoffrey’s hermetic aestheticism was choked with tawdry pastiche. He had plastic intentions and weak enterprise.
(言わせてもらうと、ジェフリーの閉じた美学は、安っぽい寄せ集めでがんじがらめだった。意図は薄っぺらで、企ても弱かった。)BONES Season4 Episode8 (The Skull in the Sculpture)
Po-MoはPost Modern(ポストモダン)の略語で、アート業界の内輪の会話で使われる省略語として描かれています。hermetic aestheticism(閉じた美学)、tawdry pastiche(安っぽい寄せ集め)といった評論用語は、専門家同士にしか通じない業界言語の典型で、ブースが「Po-Mo?」と聞き返す様子にも外部の人間には分かりにくい語彙であることが表れています。
まとめ|劇中に描かれたアート業界の言葉遣い
「消費主義への鋭い批評」「Po-Mo」「hermetic aestheticism」といったアート評論特有の言い回しから、「歴史的美術品」として法的に保護される様子まで、現代アート業界がどう描かれているかを読み取れる場面が詰まっています。
次回も『BONES』の場面から、業界ならではの英語表現を見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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