海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は大人気法医学サスペンス『BONES』シーズン8第20話から「foregone conclusion」をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
研究所にドキュメンタリー撮影でやってきたアンドリューと、ブースが初めて言葉を交わす場面です。
戦争や危険動物を題材にした作品で知られる彼の肝の据わり方に、ブースが感心して声をかけると、意外な答えが返ってきます。
Booth: Oh, man, you are fearless.
(おいおい、お前は怖いもの知らずだな。)Andrew: No, I just realized that in a world without love, pain and death are a foregone conclusion, so why fear what you can’t control?
(いや、愛のない世界では、苦痛と死は避けられない結果だと気づいただけです。コントロールできないものをなぜ恐れる必要があるんですか?)BONES Season8 Episode20(The Blood from the Stones)
シーン解説と心理考察
戦場や危険地帯でカメラを回し続けてきたアンドリューが行き着いた、「苦しみや死は最初から決まっている結論だから恐れても仕方がない」というニヒリスティックな死生観が表れています。
「怖いもの知らずだな」と感心したブースが思わず口ごもりそうになるような、アンドリューの独特な達観と芸術家肌の一面が垣間見えるシーンです。
外見は陽気なドキュメンタリー作家でありながら、その内側に深い虚無感を抱えている——そのギャップが、このシーンをただの雑談以上のものにしていますね。
「foregone conclusion」の意味とニュアンス
foregone conclusion
意味:避けられない結果、最初から決まっている結論、必然の帰結
「foregone(すでに起こった・過去の)」と「conclusion(結論)」が組み合わさった表現です。
議論や検証をする前から「結果は見え透いている」「当然そうなる運命だ」と、確信を持って結果を予測する際に使われます。
【ここがポイント!】
このフレーズのコアイメージは「賽(さい)はすでに投げられている」というような、ある種の「諦め」や「揺るぎない確信」です。
すでにシナリオが書き上がっているかのように、どう足掻いてもその結末に行き着くという、少し重みのあるニュアンスを持っています。
裁判の結果が目に見えているときや、企業の倒産が避けられないときなど、シリアスな場面で「やる前から結果は明らかだ」と言いたいときにこそ真価を発揮する表現です。
実際に使ってみよう!
With the company’s massive debts, bankruptcy was a foregone conclusion.
(その会社の莫大な負債を考えれば、倒産は避けられない結果だった。)
財務状況などの明らかな事実から、最悪の事態が起こるのは時間の問題だったと振り返るビジネスシーンでの使い方です。重みのある分析として説得力を持たせることができます。
Given the overwhelming evidence, the guilty verdict is a foregone conclusion.
(圧倒的な証拠を考慮すると、有罪判決は最初から決まっているようなものだ。)
裁判や議論において、証拠や事実が揃いすぎていて別の結論に至る余地がない状況を表します。ニュース記事などでも頻繁に目にする表現です。
Since we didn’t practice at all, losing the game was a foregone conclusion.
(全く練習していなかったのだから、試合に負けるのは目に見えていたよ。)
自業自得な結果を自嘲気味に語るシチュエーションです。「そりゃそうなるよね」という諦めのニュアンスがうまく伝わります。
『BONES』流・覚え方のコツ
「コントロールできないものをなぜ恐れるのか」と静かに語るアンドリューの、どこか冷めた悟りの表情を思い浮かべてみてください。
「pain and death(苦痛と死)」という人間の根源的な恐怖に対して「それは foregone conclusion(最初から決まっているシナリオ)だ」と言い切る重厚感とセットにすることで、このフレーズが持つ「すでに確定した未来への確信と諦観」というニュアンスが深く心に刻まれます。
似た表現・関連表現
inevitable result
(避けられない結果・必然の結果)
「foregone conclusion」とほぼ同じ意味で使われますが、inevitable は「論理的・物理的にどうやっても回避できない」というニュアンスがより強い、フォーマルな表現です。
matter of course
(当然のこと、自然の成り行き)
特別なことではなく、自然な流れとして「当然そうなるべきこと」を指します。「as a matter of course(当然のこととして)」という形でよく使われます。
given
(既定事実、当然のこと)
名詞として使われる「given」は「すでに与えられた条件=疑う余地のない事実」を表します。It is a given that…(〜は当然のことだ)のように使います。
深掘り知識:シェイクスピアに由来する表現
「foregone conclusion」は、劇作家ウィリアム・シェイクスピアの悲劇『オセロ』が初出と言われている表現です。
劇中では、ある嘘の出来事が「すでに起こってしまった過去の事実(foregone conclusion)」であるかのように語られるシーンで登場します。
400年以上前の文学作品に由来する表現が、現代のビジネスやドラマの中で今も生き続けているというのは、英語の豊かさを実感させてくれますね。
まとめ|語彙の「格」を上げる一言を手に入れよう
今回は『BONES』のセリフから、「foregone conclusion(避けられない結果)」をご紹介しました。
やや硬い表現ではありますが、この一語を知っているだけで、分析や議論の場での発言に知的な重みが生まれます。
「inevitable」「obvious」だけでは物足りないと感じたとき、「a foregone conclusion」という選択肢がすでに頭にあるかどうか——その差が、英語表現の奥行きにそのまま現れてきます。

