海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は大人気法医学サスペンス『BONES』シーズン8第20話から、話を前に進めたいときに役立つフレーズ「get on with」をご紹介します。
脱線した会話をピシッと引き締める、ブース流の一言をマスターしましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
事件の捜査で宝石店を訪れたブースとブレナン。
店主のオスカーは二人を婚約指輪を探しに来たカップルだと勘違いし、熱心にダイヤモンドの営業を始めます。
そのペースを断ち切って本題に引き戻すブースの一言がこれです。
Oscar: Then keep these beauties in mind, darling.
(それなら、この美しいダイヤを覚えておいてくださいね、お客様。)Brennan: N-No, w-we’re, we’re not here for that.
(い、いや、私たちはそのために来たわけじゃなくて。)Oscar: These are VS1, conflict-free diamonds from Canada.
(こちらはカナダ産のコンフリクトフリーのVS1クラスのダイヤです。)Booth: Let’s get on with the show.
(さて、本題に入ろうか。)BONES Season8 Episode20(The Blood from the Stones)
シーン解説と心理考察
一刻も早く事件の情報を聞き出したいのに、思わぬ接客を受けてペースを乱される二人。
客観的事実と論理を愛するブレナンにとって、「恋人同士である」という思い込みを前提にした営業トークは最も対処が苦手な領域で、戸惑いを隠せないでいます。
そんな中ブレナンが返答に困っているうちに、ブースはバッジを見せながら一言で会話の主導権を奪い返します。
相手のペースに飲まれない、ブースの頼もしさと大人の余裕が光るシーンですね。
「get on with」の意味とニュアンス
get on with
意味:〜を(急いで)進める、〜を(中断したところから)続ける
何かの中断や停滞を挟んだ後、本来取り組むべき活動や仕事・会話などを「さあ、どんどん進めよう」「続きをやろう」と促す際によく使われる句動詞です。
ゼロから「始める(start)」というよりも、すでにある進行ルートに戻るというニュアンスを持っています。
【ここがポイント!】
このフレーズの核心は「余計なことや停滞をバッサリと切り上げて、本来やるべきことに軌道修正する」という勢いと焦燥感にあります。
「get(動く)+ on(接触・継続)+ with(〜と一緒に)」という成り立ちからもわかるように、立ち止まっていた状態から再び物事とがっぷり四つに組んで前進していくポジティブな力強さがあります。
ダラダラとした空気をピリッと引き締めたいときにネイティブが頻繁に使う、実用的な表現です。
実際に使ってみよう!
Let’s stop arguing and get on with our work.
(口論はやめて、仕事を進めましょう。)
ネガティブな状況や無駄な時間を断ち切り、本来の作業に戻るよう促す定番フレーズです。チーム内の空気を切り替えるリーダーシップの言葉としても役立ちます。
I need to get on with my homework before dinner.
(夕食の前に、宿題をさっさと進めないと。)
「早く手をつけて進めなければ」という自分自身への急かしのニュアンスを出したいときにぴったり。休日のダラダラモードから抜け出すときの独り言としても自然です。
The meeting is running late. Can we just get on with the main topic?
(会議が長引いていますね。そろそろ本題に進めませんか?)
脱線してしまった議論を本来の議題へスマートに引き戻す一言です。「just」を入れることで少し柔らかい響きになります。
『BONES』流・覚え方のコツ
宝石店の店主がノリノリでダイヤの営業をしているのを、ブースがバッジを見せながら「本題に入ろうか」と一言で空気を変える映像を思い浮かべてください。
「脱線ルートを断ち切って、本線にガチャンと乗り直す(get on with)」という勢いのある感覚をブースの表情と一緒に記憶に焼き付けることで、いざ自分が会話の軌道修正をしたい場面でもパッと口から出やすくなります。
似た表現・関連表現
move on to
(〜へ移行する、次の話題へ進む)
今やっていることを終えて新しいトピックや次の段階へ移る際に使います。Let’s move on to the next agenda.(次の議題へ移りましょう)は会議の定番フレーズです。
proceed with
(〜を続行する、〜を進める)
「get on with」と似ていますが、よりフォーマルで硬い表現です。ビジネス文書や公式なアナウンスで、計画や手続きを予定通り進める際に好まれます。
get down to business
(本題に入る、仕事に取り掛かる)
雑談や前置きを終えて、本格的に仕事や重要な話し合いを始めるという意味のイディオムです。ブースが使ったセリフと非常に近いシチュエーションで活躍します。
深掘り知識:ブース流「the show」の粋な使い方
今回ブースは単に「Let’s get on with it.(進めよう)」と言うだけでなく、「the show」という単語を付け加えて「Let’s get on with the show.(ショーを始めよう=本題に入ろう)」という表現を使っています。
英語圏では、ビジネスや日常の「やるべき事・プロジェクト・本題」をしばしば「show」に例える文化があります。
たとえば、何かトラブルが起きても計画通りに進めなければならないとき「The show must go on.(何があっても続けなければならない)」と言うのはその典型です。
堅い職業であるFBI捜査官でありながら、あえて「the show」という比喩を使うところに、修羅場をくぐり抜けてきたブースならではの余裕が感じられます。
長々とした営業トークという「前座」を終わらせ、「さて、ここからがメインイベントだ」と場を支配する空気感まで味わえるのが、ドラマで英語を学ぶ醍醐味ですね。
まとめ|軌道修正のフレーズで会話をリードしよう
今回は『BONES』のワンシーンから、停滞した空気を切り裂いて物事を前に進める「get on with」をご紹介しました。
単語を暗記するだけでなく、「軌道修正」というコアイメージを知ることで、会議でも日常会話でも使いどころが自然と見えてきます。
ご自身のペースで着実に前進していきましょう。

