ドラマで学ぶ英会話|『BONES』S9E17に学ぶ「have it out for」の意味と使い方

have it out for

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は大人気法医学サスペンスドラマ『BONES』シーズン9・エピソード17から、少し高度ですがネイティブが日常やビジネスでもよく使うイディオム「have it out for」の意味と使い方を解説します。
「なんであの人、自分だけに当たりが強いんだろう?」そんな状況を英語でスマートに表現できるフレーズです。

目次

実際にそのシーンを見てみよう!

浄化槽で遺体となって発見された前科のある青年ベニーについて、ブースとスイーツが保護観察官のファウラーから話を聞く場面です。
ベニーがどんな人物だったかを確認しながら、事件の背景を探っていきます。

Fowler: No. The guy was going to Bible study, had a job, wasn’t fraternizing with any ex-cons from what I could tell.
(いや。彼は聖書の勉強会に通い、仕事に就き、私の見る限り前科者とつるむようなことはしていませんでした。)

Booth: Well, someone sure had it out for him.
(まあ、誰かが彼を目の敵にしていたのは確かだな。)

Sweets: Yeah. What kind of job did he get?
(ええ。彼はどんな仕事に就いていたんですか?)

BONES Season9 Episode17(The Repo Man in the Septic Tank)

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シーン解説と心理考察

更生しようとしていた青年が、なぜ殺され、浄化槽という最も屈辱的な場所に遺棄されなければならなかったのか。
この場面でブースが集めているのは、ベニーを取り巻く人間関係の情報です。
周囲とのトラブルもなかったはずの青年に、あえてこれほど執拗な遺棄の仕方をした犯人がいる——ブースはその「異常な悪意」に早くも気づいています。
単なる「嫌い」ではなく、「誰かがベニーを個人的に標的にしていた」という推理を一言で表現したのが、このフレーズです。
FBI捜査官としての長年の勘が、まだ見えていない犯人の執着心を鋭く見抜いた瞬間ですね。

「have it out for」の意味とニュアンス

have it out for
意味:(人)を目の敵にする、(人)に恨みを抱く、執拗に狙う

「have it out for 人」で、「(その人に対して)悪意や恨みを持ち、隙あらば危害を加えたり陥れたりしようと狙っている」という意味を表すイディオムです。
直訳からはまったく意味が読み取れない表現ですが、それだけにネイティブらしさが際立ちます。
単に「嫌い」という感情だけでなく、相手を攻撃しようとする「行動を伴う悪意」や「執着」のニュアンスが含まれているのが特徴です。

【ここがポイント!】

なぜ直訳から意味が想像できないのかというと、このフレーズには少し複雑な成り立ちがあります。
「have it out(with人)」という熟語は元々「(不満をぶちまけて)徹底的に話し合う、決着をつける」という意味を持ちます。
そこにターゲットを示す「for」が加わることで、「あいつとは絶対に決着をつけてやる」という内に秘めた怒りや執念が、相手への継続的な悪意として固まったのです。
「嫌い」という感情より一歩踏み込んだ、「積極的に相手を陥れようとしている」という行動の意志が含まれているのが最大のポイントです。

実際に使ってみよう!

I feel like the new manager has it out for me. He criticizes everything I do.
(新しいマネージャーが私を目の敵にしている気がする。私のやること全てを批判してくるんだ。)
職場で特定の上司から理不尽な扱いを受けていると感じた時に使える表現です。「なぜか自分だけ厳しくされる」というリアルな状況がしっかり伝わります。

Be careful around Sarah. I think she has it out for you since you got the promotion.
(サラには気をつけて。あなたが昇進してから、彼女はあなたを恨んでいると思うよ。)
昇進や成功をきっかけに、同僚から嫉妬や悪意を向けられていると忠告するシーンです。「目をつけられているから気をつけて」というニュアンスにぴったりですね。

That professor definitely has it out for me. He gave me a D on my perfect essay.
(あの教授は絶対に私を目の敵にしている。完璧なエッセイを出したのにD評価をつけられたよ。)
いくら努力しても個人的な感情で不当な評価を下されるような、執拗な嫌がらせを表現する際にも非常によく使われます。

『BONES』流・覚え方のコツ

今回のブースのセリフと、悲惨な状態で発見された被害者ベニーの状況をリンクさせて覚えてみましょう。
「更生しようとしていた青年を、わざわざ浄化槽に捨てるなんて、犯人はよっぽど彼に恨みを抱いていた(had it out for him)に違いない」と推測するブースの険しい表情を思い浮かべてみてください。
単なる「嫌悪」を越えた「執拗な悪意やターゲット化」という重いニュアンスが、ドラマの強烈なシーンとともにスッと脳に定着しますよ。

似た表現・関連表現

hold a grudge against
(〜に恨みを抱く、〜を根に持つ)
「grudge(恨み)」を「hold(抱き続ける)」という表現です。過去の具体的な出来事を理由に、長く恨みを持っている状態を指します。「have it out for」が今まさに狙っているような攻撃的なニュアンスを持つのに対し、こちらは心の中に黒い感情を長期間留めている状態に焦点を当てています。

bear ill will towards
(〜に悪意を抱く、〜を恨む)
「ill will(悪意)」を「bear(心に抱く)」という、少しフォーマルで知的な表現です。ビジネスシーンや文書などで、特定の相手に対する敵意や悪感情を客観的に述べる際によく使われます。

be out to get
(〜を陥れようとする、〜を捕まえようとする)
「have it out for」と非常に似たニュアンスを持つ口語表現です。「相手を標的にして、積極的に陥れようとしている」という物理的な行動の勢いがより強く感じられます。

深掘り知識:代名詞「it」が持つミステリアスな役割

英語のイディオムには、今回の「have it out for」のように、何を指しているのか明確ではない代名詞「it」が含まれるものが数多く存在します。
「make it(うまくいく)」「take it easy(気楽にする)」「live it up(大いに楽しむ)」などが典型例です。
この場合の「it」は特定の物事ではなく、「その場の状況」や「胸の内に抱えた言葉にできない感情」全体を指し示しています。
「have it out for」の「it」も、言葉にはしきれないドロドロとした怒りや悪意の塊を暗示しており、だからこそネイティブの感覚に根ざした、理屈ではないリアルな感情表現として機能しているのです。
こうした「it」の用法を意識すると、他のイディオムも覚えやすくなりますよ。

まとめ|人間関係の「執着した悪意」を言語化する力

今回は『BONES』シーズン9・エピソード17から、特定の相手への恨みや執着を表すイディオム「have it out for」をご紹介しました。
直訳では意味が掴めない表現ですが、「単なる嫌悪」ではなく「行動を伴う執着した悪意」という状況を一言で言い表せるのがこのフレーズの真骨頂です。
職場や学校で「なぜか自分だけ標的にされている」と感じた時、あるいは誰かをそういう状況から守りたい時——そんな場面でこのフレーズを使えると、状況を的確に共有できる頼もしい一言になります。
人間関係の機微をネイティブの言葉で語れるようになる——それがドラマで英語を学ぶ醍醐味ですよね。

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