海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン2第18話から、直接的ではないけれど「ある視点から見ればそう言える」という絶妙なニュアンスを表現できる、知的なフレーズをご紹介します。
白黒つけられない曖昧な状況でも、スマートに会話を繋ぐことができる大人の表現ですよ。
実際にそのシーンを見てみよう!
アンジェラとブレナンが、ブレナンの亡き母親について静かに語り合っているシーンです。
母親の記憶を辿ろうとするアンジェラの問いかけに対し、科学者であるブレナンがこう答えます。
Angela: Well, part of you is made up of your mother, right?
(あなたの体の一部はお母さんでできているのよね?)Brennan: In a manner of speaking.
(ある意味ではね。)Angela: So, honor that part of yourself. Visualize a memory of her. See what it brings up.
(だから、あなたの中のその部分を大切にして。お母さんの記憶を視覚化してみて。何が浮かんでくるか確かめるの。)Brennan: I have very few distinct memories of my mother.
(母の鮮明な記憶はほとんどないわ。)
BONES Season2 Episode18 (The Killer in the Concrete)
シーン解説と心理考察
感情やスピリチュアルな繋がりを大切にするアンジェラに対し、骨やDNAといった物理的な事実を重んじるブレナン。
「体の一部が母親でできている」という情緒的な問いかけに対し、ブレナンは「遺伝子学的な観点から言えば、確かにその通りだ」というニュアンスを込めて返答しています。
完全に100%同意するわけではないけれど、自分なりの科学的な解釈の枠組みで友人の言葉を受け止めようとする、ブレナンらしい不器用で誠実な心理が表れているシーンですね。
フレーズの意味とニュアンス
in a manner of speaking
意味:ある意味では、言ってみれば、一種の
mannerには「やり方」だけでなく、「話しぶり、言い回し」という意味があります。
つまり「ある特定の言い回し(manner of speaking)の枠組みの中(in)に当てはめてみれば、そうとも言える」というのが本来の成り立ちです。
完全に正確な事実ではないかもしれないけれど、「見方を変えれば同意できる」と、少し控えめに補足をする際に使われる大人な表現です。
【ここがポイント!】
このフレーズの核心的なニュアンスは「ストレートな断定を避ける、知的なクッション」です。
相手の意見や物事の定義に対して「イエスともノーとも言い切れないけれど、そういう捉え方もできるね」と、少しだけ角度を変えて同意を示すような、柔らかくも理知的な勢いを持っています。
実際に使ってみよう!
He is, in a manner of speaking, the boss of this team.
(彼はある意味で、このチームのボスと言える。)
正式な役職や肩書きはないけれど、実質的にチームをまとめているリーダー格の人物を紹介する際にぴったりの表現です。
I got a promotion, in a manner of speaking. They just gave me more work.
(ある意味、昇進したよ。ただ仕事が増えただけだけどね。)
立場は上になったけれど実態や給与が伴っていないというような、少し自虐的なユーモアを交えたい時に使うと会話に深みが出ます。
Are you two dating? – Well, in a manner of speaking.
(二人って付き合ってるの? – まあ、そういう言い方もできるかな。)
はっきりと「付き合っている」と断言するのは恥ずかしい、あるいはまだ友達以上恋人未満の微妙な関係である時に、角を立てずにお茶を濁すことができる便利なフレーズですね。
BONES流・覚え方のコツ
「愛」や「心」といった目に見えないものを信じないブレナンですが、アンジェラたちと過ごす中で、時に彼女なりに歩み寄ろうとしますよね。
「非科学的な表現だけど、私の解釈の枠組み(manner)に当てはめれば、そうとも言える(speaking)」と、ブレナンが少しだけ眉を下げて譲歩する姿をイメージしてみましょう。
このフレーズの持つ「相手の意見を柔らかく受け止める」という絶妙なニュアンスが、スッと記憶に定着しやすくなりますよ。
似た表現・関連表現
in a way
(ある意味では、ある程度は)
今回のフレーズとほぼ同じ意味ですが、より短くカジュアルな響きがあります。「in a manner of speaking」が少し知的な響きを持つのに対し、こちらは日常会話でサッと一言添えたい時に非常に便利です。
so to speak
(言ってみれば、いわば)
相手の意見に対する返答ではなく、自分が比喩的な表現を使った後に「例えるならこういうことだよ」と補足説明をする際に使われます。
kind of / sort of
(少し、まあね、そんな感じ)
非常にカジュアルで口語的な表現です。フォーマルな場では避けられますが、「完全にそうとは言えないけど、まあそれに近いかな」と、少し曖昧に返事をする際に、ネイティブが日常的に最もよく使うフレーズの一つです。
深掘り知識:「事実」と「感情」を橋渡しする魔法の言葉
誰もが楽しめる、さらに一歩踏み込んだ知見としてご紹介したいのが、このフレーズが持つ「嘘をつかないためのテクニック」としての側面です。
英語圏の人々は、イエス・ノーをはっきりさせると思われがちですが、実は「事実と異なることは言いたくないけれど、相手の気分も害したくない」という場面によく遭遇します。
そんな時、この「in a manner of speaking」が魔法の言葉として機能します。
「100%の事実ではないけれど、ある観点からは真実だ」とワンクッション置くことで、論理的な正確さを保ちながら、相手の感情にも寄り添うことができるのです。
ブレナンのような科学者にとって、このフレーズはまさに「事実」と「感情」を繋ぐ大切な橋渡し役になっているのですね。
まとめ|絶妙なニュアンスを伝える知的なフレーズ
いかがでしたでしょうか。今回は、相手の意見を柔らかく受け止めたり、はっきりと言い切れない状況を説明したりする時に使える、とても知的な表現をご紹介しました。
白黒つけられない曖昧な状況こそ、実は会話が弾むチャンスでもあります。
ぜひ日々の学習や英会話の中で、少しニュアンスを持たせたい時に使ってみてくださいね。


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