海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
絶体絶命のピンチや、息が詰まるような状況から一気に脱出したい時、その「必死さ」を英語でどう表現しますか?
今回は、FBI捜査官ブースたちが遭遇した逮捕劇の混乱から、生死をかけた一瞬の判断を表すフレーズをご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
物語の冒頭、路上で容疑者の男が警察に取り囲まれているシーンです。
手錠をかけられそうになったその瞬間、どこからともなく銃弾が撃ち込まれます。
警官たちが「伏せろ!」と身を守る中、男だけはその混乱をチャンスと捉え、包囲網から逃げ出そうとします。
Man: Get down! Get down!
(伏せろ!伏せろ!)(The suspect starts to make a break for it…)
(容疑者が一目散に逃げ出し始める…)Man: Shots fired! Shots fired!
(撃たれたぞ!発砲あり!)
BONES Season1 Episode13 (The Woman in the Garden)
周囲の人間が「恐怖で動けなくなる」状況下で、この容疑者は真逆の行動を取りました。
彼にとって銃撃音は恐怖ではなく「合図」だったのです。
「今なら警官の目が逸れる」「この囲いを突破(Break)できる」という、一瞬の隙に全てを賭けた、無謀とも言える逃走本能が見て取れます。
フレーズの意味とニュアンス
make a break for it
意味:一目散に逃げる、強行突破して逃げる、隙を見てずらかる
直訳すると「それ(it=出口や自由)に向かって、破壊(break)を成す」。
語源的には、包囲網や壁などの「閉じ込められた状態」を物理的に突き破って外へ飛び出すイメージから来ています。
【ここがポイント!】
このフレーズの核心は「静止状態からの急発進」です。
単に走っている状態(Running)ではなく、今まで止まっていたり、抑圧されていたりした状態から、チャンスを見つけて「今だ!」と爆発的に動き出すエネルギーが含まれています。
実際に使ってみよう!
日常やビジネスシーンで、閉塞感を打破して逃げ出したい時に使ってみましょう。
The thief waited for the guard to blink, then made a break for it.
(泥棒は警備員が瞬きをした一瞬の隙を突き、一目散に逃げ出した。)
まさにドラマのようなシチュエーション。「隙(chance)」とセットで使われることが多い表現です。
As soon as the boring meeting ended, everyone made a break for the door.
(退屈な会議が終わった瞬間、全員がドアに向かって脱兎のごとく殺到した。)
「ドア(出口)」を目的地にすることがよくあります。解放感を強調したい時にぴったりです。
It’s stopped raining a bit. Let’s make a break for the car!
(雨が小降りになったわ。今のうちに車まで突っ走ろう!)
雨宿りをしていて(=静止)、小降りになった瞬間にダッシュする(=急発進)。日常で一番使えるパターンですね。
『BONES』流・覚え方のコツ
「容疑者の火事場ダッシュ」で覚えましょう。
警官たちが地面に伏せている中、一人だけ猛スピードで逆方向に走っていく男の背中。
あの「イチかバチかの強行突破」の映像を思い浮かべれば、単なる run との違いは一目瞭然です。
似た表現・関連表現
make a run for it
(走って逃げる)
今回のフレーズとほぼ同義で、入れ替え可能です。ただし break の方が「現状を打破する」という勢いが少し強く感じられます。
flee
(逃亡する、避難する)
ニュース英語でよく使われる、より硬い表現です。「危険から遠ざかる」という点に重きが置かれ、瞬発的なダッシュ感は薄れます。
bolt
(飛び出す、急に逃げ出す)
馬が驚いて走り出すように、突然その場からいなくなること。「脱兎のごとく」という日本語が一番近いです。
深掘り知識:「Prison Break」との関係
ドラマのタイトルにもなっている Prison Break(脱獄)。
実は make a break も、元々は刑務所や収容所の壁を破って逃げることから来ていると言われています。
今回のシーンでも、警察官たちという「人の壁」に囲まれた状況を「牢獄」に見立て、そこから無理やり抜け出そうとする(Breakする)ニュアンスが含まれているんですね。
「逃げる」という行為に、「自由への渇望」というドラマチックな意味を乗せることができる表現です。
まとめ|その一瞬を見逃すな
make a break for it は、リスクを冒してでも現状から抜け出そうとする強い意志を感じさせる言葉です。
もし日常で「今しかない!」という脱出のチャンスが訪れたら、迷わずこのフレーズを思い出して、一歩を踏み出してくださいね。


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