海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
最初は疑っていた相手のことを、「この人は後ろ暗いところのない、信用できる人だ」と見直した経験はありませんか。
そんなときにぴったりの「on the up-and-up」を、『BONES』シーズン11第21話の中盤、一度は疑ったフランス人捜査官を信用できると認めるオーブリーのシーンから、一緒に見ていきましょう。
「on the up-and-up」の意味とニュアンス
on the up-and-up
意味:正直な/公明正大な/後ろ暗いところがない
人や取引、商売などが「真っ当で、やましいところがない」ことを表すアメリカ英語の口語表現です。「up(上向き)」を二つ重ねた響きには、隠し事なくオープンで、まっすぐであるというイメージが込められています。
ビジネスの取引が「クリーンである」こと、人物が「信用できる」こと、手続きが「正規である」ことなど、幅広く使えます。疑いの目を向けていた対象が「実は潔白だった」と分かる文脈で特によく登場します。カジュアルな会話からややくだけたビジネスの場面まで、肩の力を抜いて使える表現です。
【ここがポイント!】
- 「up」を重ねた響きに、オープンでまっすぐという真っ当さのイメージ
- 人・取引・手続きが「やましくない、信用できる」ことを表すアメリカ口語
- 疑いが晴れて「実は潔白だった」と分かる場面で特に映えるのがコツ
『BONES』S11E21のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
一時は宝石泥棒の黒幕ではと疑われていた、フランスから来た捜査官ルソー。しかし彼がフランスでの強盗事件の映像を見せたことで、オーブリーは彼への疑いを解きます。チームのボスであるブースに、「彼は信用できる」と報告する場面です。
Aubrey: I think he’s on the up-and-up, Booth.
(彼は信用できると思う、ブース)Aubrey: He’s seen the videos of the French heist. He can help us.
(フランスの強盗の映像も見てるし。俺たちの力になってくれる)Bones Season11 Episode21(The Day in the Life)
シーン解説と心理考察
オーブリーが on the up-and-up を選んだことには、彼らしい人物評価の軽やかさが表れています。「信用できる」を堅い言葉で言うのではなく、くだけた口語でさらりと伝えるあたりに、若手FBI捜査官のフラットな距離感が出ています。
このフレーズが効いているのは、ルソーがついさっきまで疑われていた相手だという点です。黒幕かもしれないと警戒していた人物について、「やましいところはない」と判定を切り替える――その転換が on the up-and-up の一言に凝縮されています。証拠を見て冷静に評価を更新するオーブリーの実務的な姿勢と、相手をいったん信じてみようとする柔軟さが、同時に伝わってくる場面と言えます。
『BONES』流・覚え方のコツ
ブラインドを上げて、部屋の中を隅々まで見えるようにする――そんな「オープンにする」動きをイメージしてみてください。up(上へ)が二つ重なって、隠し事なくすべてをさらけ出している、その透明さが on the up-and-up の核です。
オーブリーがルソーへの疑いを解く場面を重ねると、このフレーズの「後ろ暗いところがない」感覚がつかめます。閉じていたブラインドが上がり、光が差し込んで、隠れていたものが何もないと分かる。その開放的なイメージごと覚えると、「クリーンさ」の意味が体に残ります。
例文で覚える「on the up-and-up」
人にも取引にも使える表現です。ビジネスから日常会話まで、3つの例文で使いどころを押さえましょう。
Don’t worry, the whole deal is completely on the up-and-up.
(心配いらないよ、この取引は完全に真っ当なものだから。)
ビジネスで「やましいことは一切ない」と保証する使い方です。
I checked the company, and they seem to be on the up-and-up.
(その会社を調べたけど、ちゃんとした真っ当なところみたいだよ。)
相手や組織の信用度を確かめた結果を伝える場面に合います。
A: Are you sure this online seller is legit?
B: Yeah, I read the reviews. They’re on the up-and-up.
(A:このネットの出品者、本当に大丈夫なの?)
(B:うん、レビュー読んだよ。ちゃんと信用できるところだ。)
日常会話で、相手の信頼性をくだけて評価する使い方です。
あわせて覚えたい関連表現
on the level
(正直で、公正で)
on the up-and-up とほぼ同義のアメリカ口語ですが、「水平=傾きがない」という別のイメージから「公正さ」を表します。どちらも「真っ当さ」を語るのに使えます。
legit
(ちゃんとした、本物の/合法の)
legitimate の短縮形で、より新しくカジュアルな言い方。on the up-and-up が「やましくない」なら、legit は「本物・正規である」点に重心があります。
aboveboard
(隠し立てのない、公明正大な)
こちらはカードゲームで手をテーブルの上に出す=いかさまをしないイメージから生まれた表現。on the up-and-up と同じ「オープンな潔白さ」を、別の比喩で言い表します。
Note|アメリカ口語が育てた「真っ当さ」の言い回し
on the up-and-up は、英語の中でも特にアメリカ英語で好まれてきた口語表現です。同じ「正直・潔白」を表す言葉でも、地域や場面によって選ばれる言い回しは少しずつ違います。
英語には「やましいところがない」ことを表す表現がいくつもあります。on the up-and-up、on the level、aboveboard など、それぞれ別のイメージから同じ「クリーンさ」にたどり着いているのが面白いところです。on the up-and-up は「上向き」を重ねた音の弾みが特徴で、口に出したときのリズムの良さもあって、会話の中で軽く使われてきました。とりわけアメリカの日常会話やビジネスシーンで、「この話、裏はないよ」と相手を安心させる場面によくなじみます。フォーマルな契約書には登場しにくい一方で、口頭で信頼性を伝えるときには重宝される――その「話し言葉ならでは」のポジションが、この表現の持ち味です。同じ意味でもフォーマル度や響きで使い分けられる点に、英語表現の奥行きが見えます。
オーブリーがこの口語を選んだのも、堅い報告ではなく、相棒に肩の力を抜いて「あいつは大丈夫だ」と伝えたかったからでしょう。表現の手触りが、話し手の距離感までも映し出しています。
音の弾みに「裏のなさ」がにじむ、会話向きの一言です。
まとめ|オーブリーの人物評から学ぶ「信用できる」の一言
on the up-and-up は、「up」を重ねた響きに「オープンでまっすぐ」というイメージを込めた、アメリカ口語の表現です。人・取引・手続きが「やましいところなく真っ当だ」と伝えたいときに活躍します。
この一言を知っておくと、「この人は信用できる」「この話には裏がない」という安心感を、くだけた口調で自然に伝えられるようになります。堅い言葉に頼らず、会話の温度を保てます。
疑いが晴れた相手を語るときにぴったりのこの表現を、会話のレパートリーに加えてみてください。


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