海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
世の中には「表のルール」ではどうにもならないことがあります。
そんな時、ルールを破るのではなく、「人脈という裏ルート」を使ってスマートに問題を解決できる大人はかっこいいですよね。
今回は、FBI捜査官ブースが見せた、法律よりも温かい「大人の解決策」を表す英語表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
事件は解決しましたが、被害者の子供たちは規則により、別々の里親施設へ送られる運命にありました。
「法律だから仕方ない」と誰もが諦めかけたその時。
ブースはブレナンに、事もなげにこう報告します。
Booth: Pulled some strings, you know, to make sure they- they get to stay together.
(裏から手を回してさ(コネを使ってさ)、あの子たちが離れ離れにならないようにしておいたよ。)Brennan: You did?
(あなたが?)BONES Season1 Episode5 (A Boy in a Bush)
シーン解説と心理考察
「俺がやってやったぞ」と恩着せがましく言うのではなく、「ちょっと糸を引いておいたよ」と軽く流す。
ブースの男気が光る名シーンですね。
フレーズの意味とニュアンス
pull strings / pull some strings
意味: (裏から)手を回す、コネを使う、影響力を行使する
直訳すると「糸を引く」。
この「糸」とは、操り人形(マリオネット)の糸のことです。
【ここがポイント!】
舞台裏にいる人形使いが、観客に見えないように糸を引いて人形を動かす様子から来ています。
日本語の「裏工作」には悪い響きがありますが、英語の pull strings は必ずしもネガティブではありません。
今回のブースのように、「表のルール(お役所仕事)が理不尽な時、人脈を使って強引にハッピーエンドを手繰り寄せる」という、頼れる解決策(Solution)として使われることも多いのです。
実際に使ってみよう!
私欲のためではなく、「誰かのため」に使うのがカッコいい大人のマナーです。
1. 大切な記念日のディナーで
My wife loves this restaurant, so I pulled a few strings to get the best table.
(妻がこの店を気に入っててね。ちょっと顔を利かせて一番いい席を用意させたんだ。)
解説:
単なる予約ではなく、オーナーとの関係性などを匂わせる「大人の余裕」を感じさせるフレーズです。
2. 実力ある後輩を推薦する時に
He deserves a chance. I’ll pull some strings to get him an audition.
(彼にはチャンスが必要だ。オーディションを受けられるよう、僕から口添えしておくよ(骨を折るよ)。)
解説:
正規ルートでは門前払いされてしまう才能を、自分の信用(Strings)を使ってフックアップする時に使います。
3. 役所の壁にぶつかった友人に
Don’t worry about the paperwork. I know someone who can pull strings for us.
(書類手続きのことは心配するな。裏から動いてくれる(融通を利かせてくれる)人を知ってるから。)
解説:
ガチガチのルール(Red tape)を、人脈(Strings)で突破する。頼りがいのある友人の一言です。
『BONES』流・覚え方のコツ
「あしながおじさんのマリオネット」で覚えましょう。
ブースは、FBIという巨大な劇場で、離れ離れになりそうな二人の子供(人形)を、見えない糸(Strings)をキュッと引くことで、ピタッと寄り添わせました。
「見えないところで、糸を引いて動かす」
この映像を思い浮かべれば、単なる「コネ」という言葉以上の、「状況をコントロールする力」というポジティブなニュアンスが掴めるはずです。
似た表現・関連表現
- call in a favor
(借りを返してもらう、頼み事をする)
解説:過去に貸しがある相手に「あのお願い、聞いてくれる?」と頼むこと。Pull strings を実行するための具体的な手段の一つです。(例:I had to call in a favor to make this happen.) - cut through red tape
(お役所仕事を省略する、煩雑な手続きを解消する)
解説:ブースがやりたかったのは結局これです。面倒な規則(Red tape)を、ハサミではなく「コネ」で断ち切ったわけですね。
深掘り知識:ブースの「正義」の形
FBI捜査官であるブースは、誰よりも法律(Law)を守る立場にいます。
しかし彼は、法律が必ずしも人の心(Heart)を守ってくれないことも知っています。
ブレナンが「論理と科学」で事件を解決するなら、ブースは「人情と人脈(Strings)」で人の心を救います。
彼が引いた「糸」は、単なるコネではありません。
冷たいシステムの中で切れそうになっていた、「家族の絆」という糸を繋ぎ止めたのです。
自分の出世のためではなく、子供たちの未来のために「糸を引く」。これぞヒーローの仕事ですね。
まとめ|その糸は、誰かのために
自分の利益のために糸を引くのは、ただの「黒幕」です。
でも、誰かの笑顔のために糸を引ける人は、「頼れる大人」です。
あなたもいつか、困っている誰かのために
“I can pull some strings.”(なんとかしてあげるよ)
と言える、粋な大人を目指してみませんか?


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