海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
仲の良い友人たちとドライブへ行く時、「誰が前の席に座るか」で揉めたことはありませんか?
今回は、そんな日常のワンシーンでネイティブが必ず口にする、ちょっと歴史を感じさせる「席取り合戦」の合言葉をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
事件現場のゴルフ場へ向かうブレナンとザック。
普段ならブースが運転するSUVで颯爽と登場するところですが、今回はなんと「ゴルフカート」。ブレナンがハンドルを握り、その横にはザックがちょこんと座っています。
※このシーンのト書き(脚本の指示)には、こう記されています。
“Begin with Brennan driving a golf cart and Zack riding shotgun…”
(ブレナンがゴルフカートを運転し、ザックが助手席に乗って…)
Brennan: We’ll be meeting with agents from the FAA, the NTSB, and local police.
(FAA、NTSB、それに地元警察の捜査官たちと会うことになるわ。)Zack: Usually Booth handles those people.
(普段なら、ブースがそういう人たちの対応をしますよね。)Brennan: Plane crashes don’t belong to the FBI.
(飛行機の墜落事故はFBIの管轄じゃないの。)
BONES Season1 Episode14 (The Man on the Fairway)
ト書きにある “riding shotgun” が、このシーンのシュールさを際立たせています。
本来、助手席(ショットガン)は「頼れる相棒」の指定席。しかし今、そこにいるのは対人関係が苦手な助手ザックであり、乗り物は時速の出ないゴルフカートです。
「ブースがいないと不安だ」とこぼすザックですが、その姿は「僕が博士のパートナーです(形だけは)」と主張しているようにも見え、彼の不器用な忠誠心が可愛らしく描かれていますね。
フレーズの意味とニュアンス
ride shotgun
意味:助手席に乗る
直訳すると「散弾銃(ショットガン)に乗る」となってしまいますが、これはアメリカ西部開拓時代の名残です。
馬車の御者の隣に座る護衛役が、盗賊や野生動物から荷を守るために長い散弾銃を抱えていたことに由来します。
【ここがポイント!】
現代では単に「助手席に座る」という意味で使われますが、語源のイメージから「真っ先にその特等席を確保する」「ドライバーの相棒・護衛役を務める」という、ポジティブで能動的なニュアンスが含まれています。
単なる座席の位置(front seat)以上に、「ここは俺の場所!」という独占欲や、「相棒ポジション」という響きを持つ言葉です。
実際に使ってみよう!
I call shotgun!
(助手席は私のもの!/ショットガン!)
解説:”I call…”(私が権利を主張する)とセットで使うのがお決まりです。車に向かって歩きながら、タッチの差でこれを叫んだ人が助手席権を獲得します。子供から大人まで使う「絶対ルール」です。
You can ride shotgun since you get carsick.
(車酔いするから、あなたが助手席に乗りなよ。)
解説:席を譲る時にも使えます。単なる “sit in the front” よりも、ネイティブらしいこなれた響きになります。
I need you to ride shotgun on this presentation.
(このプレゼン、君に補佐役として横にいてほしいんだ。)
解説:ビジネスシーンでの比喩表現です。まさしく語源通りの「護衛・サポート役」として、メインスピーカーを支え、トラブルから守る役割を指します。
『BONES』流・覚え方のコツ
「ゴルフカートの用心棒」で覚えましょう。
ブース(正パートナー)がいない隙に、ブレナンの横の席を確保したザック。
彼がショットガンを撃つわけではありませんが、西部劇の屈強な用心棒と、ゴルフカートで揺られるひ弱なザックの対比をイメージしてください。「位置だけは一丁前」なのがポイントです。
似た表現・関連表現
似た意味を持つ表現との違いを押さえておきましょう。
passenger seat
(意味:助手席)
解説:最も一般的で中立的な名称。「乗客席」という意味で、タクシーやバスでも使われます。”Shotgun” のような「相棒感」や「特権」のニュアンスはありません。
navigator
(意味:ナビ役、道案内人)
解説:助手席に乗って地図を見たり、道案内をする役割の人を指します。役割に焦点を当てた表現です。
co-pilot
(意味:副操縦士)
解説:飛行機用語ですが、ドライブの文脈でも使われます。”Shotgun” よりもさらに「運転(操作)を助ける」「対等なパートナー」というニュアンスが強くなります。
深掘り知識:「Shotgun Rules」という不文律
アメリカの若者の間には “Shotgun Rules” という遊びのような不文律が存在します。
「建物を出て車が見えた瞬間に叫ばなければ無効」「靴を履いていないと無効」「ドアノブに触れる前に言わなければならない」など、地域やグループによってルールは様々。
もしドラマで、いい大人が子供のように “Shotgun!” と叫んで車のドアへ走るシーンを見たら、それは単なる席替えではなく、この歴史ある「儀式」を全力で楽しんでいるのです。
まとめ|特等席を確保しよう
助手席は、景色が一番良く見え、ドライバーとの会話も弾む特等席です。
次回、友人の車に乗る時は、遠慮がちに後ろへ回るのではなく、元気に “Can I ride shotgun?” と聞いてみてください。ドライブがもっと楽しくなるはずです。


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