「in the can」の意味と使い方|『BONES』S01E13で学ぶ英会話

in the can

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

同じ事実を伝えるのに、改まった語を選ぶか、砕けた語を選ぶかで、話し手の立ち位置が見えてしまうことがあります。言葉づかいは内容だけでなく、その場をどう扱っているかまで運びます。

そんな選択が表れる「in the can」を、『BONES』シーズン1第13話の後半、ブースが捜査の裏側をブレナンに説明するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「in the can」の意味とニュアンス

in the can
意味:収監されている、ブタ箱に入っている

刑務所や留置施設に入っている状態を指す俗語です。can が拘禁施設を指す使い方は古くからあり、狭い金属の容器に人を押し込めるという見立てから来ていると説明されます。ただし成立の経緯には諸説あり、ここでは断定を避けておきます。

響きは決して丁寧ではありません。prison や jail が制度としての施設を指すのに対して、the can は敬意を欠いた言い方です。日本語の「ブタ箱」や「ムショ」に近い位置にあり、報道や公式の文書には出てきません。

使えるのは、気を張らない場面に限られます。同僚どうしの雑談、事情を知っている相手との会話、あるいは相手を軽く突く言い方として。被害者の家族に説明する場面や、記録に残る文書でこの語を選ぶことはありません。

なお、まったく別の意味も持っています。映像制作の現場では、撮影が完了した状態を in the can と言います。同じ形が、閉じ込めと完成という正反対の評価を担っている点は覚えておくと役に立ちます。

【ここがポイント!】

  • 人を狭い容器に押し込めるという見立てが、語の乱暴さをそのまま支えている表現
  • prison や jail とは敬意の度合いが違い、公的な場面には出てこない一言
  • 映像業界では撮影完了を指すので、文脈で意味を切り分けるのがコツ

『BONES』S01E13のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

逃げた男の行方がつかめないまま、捜査は足踏みしていました。関係者は口を閉ざし、証言も取れません。そこでブースが選んだのは、対立するグループの頭に圧力をかけて男を差し出させるという手でした。なぜその要求が通ったのか。ブレナンの問いに、彼は交渉材料を明かします。

Brennan: But why would he do that?
(でも、どうして彼がそんなことをするの?)

Booth: Ortez’s sister’s in the can on possession charges. I promised him I could make that go away.
(オルテイズの妹が所持の罪でブタ箱に入っててな。その件をなかったことにできると約束したんだ)

Brennan: Can you?
(できるの?)

Booth: I don’t know, it’s a local beef, I’m federal.
(さあな。あれは地元の管轄で、俺は連邦だ)

BONES Season1 Episode13 (The Woman in the Garden)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

ブースがこの語を向けている相手は、取り調べの容疑者ではなく同僚のブレナンです。それでも in the can という砕けた言い方を選んでいるところに、この場面の性格が出ています。

彼は公式の報告をしているのではありません。取引の中身を打ち明けている。管轄の外に手を伸ばし、果たせるか分からない約束をした経緯を話しているところです。制度の言葉ではなく現場の言葉が出てくるのは、その内容と釣り合っています。

a local beef という言い方も同じ調子です。beef は揉め事を指す俗語で、こちらも報告書には並びません。二つの砕けた語が続くことで、机の上ではない話をしているのだと分かる作りになっています。

ブレナンの Can you? が、その空気に静かに触れます。俗語で語られた交渉に、彼女は事実確認だけを返す。同じ話題を扱いながら、二人が使っている言葉の層が違っているのが読み取れます。

『BONES』流・覚え方のコツ

金属の缶を思い浮かべてみます。中身は動かせず、外からは見えず、蓋が閉まれば自分では開けられない。人をそこに入れるという見立てが、この表現の乱暴さを支えています。

prison という語には、制度や建物としての輪郭があります。the can にはそれがありません。ただの容器です。人を収める場所を容器と呼ぶことで、扱いの粗さがそのまま言葉に出ます。

劇中でも、話題になっているのは交渉材料としての一件でした。人の身柄が取引の駒として語られる場面に、容器の比喩が並ぶ。缶の絵と、その場の温度を一緒に覚えておくと、この語を選ぶべきでない場面も自然に分かります。

例文で覚える「in the can」

収監を指す用法と、まったく別の業界用法を並べてみましょう。

He spent three years in the can before anyone looked at the case again.
(誰も事件を見直さないまま、彼は3年を刑務所で過ごした)
経緯を語る場面です。spend と組み合わせると、そこで過ごした時間の長さが前に出ます。

Keep driving like that and you’ll end up in the can.
(そんな運転を続けていたら、しまいにブタ箱行きだぞ)
親しい相手に警告する場面です。end up と組ませると、成り行きの果てという含みが出ます。

A: How did the shoot go?
B: Last scene’s in the can. We wrapped an hour ago.
A: Congratulations.
(A:撮影はどうだった?)
(B:最後の場面も撮り終えた。1時間前に終了したよ)
(A:おめでとう)
映像制作の現場での用法です。同じ形が完了を意味するので、文脈で判断することになります。

あわせて覚えたい関連表現

behind bars
(鉄格子の向こうに、収監されて)
鉄格子という視覚的な絵を持つ言い方で、報道記事でも使われます。俗語である in the can に比べると、公的な文脈にも収まる中間的な語です。

do time
(服役する)
刑期を務めることを、時間を過ごすという言い方で表します。状態を指す in the can に対して、こちらは動詞句なので、He did time のように経歴として語れます。

the slammer
(ムショ)
鉄の扉が閉まる音から来た俗語で、砕けた度合いは in the can と同じくらいです。音を、in the can は容器を絵にしている点が違います。

Note|同じ in the can が、監獄と完成を指す

in the can には、まったく違う二つの意味があります。刑務所に入っていること。そして、撮影が終わっていること。前者は身動きが取れない状態を、後者は仕事をやり遂げた状態を指します。

後者は映像制作の現場から広まった言い方です。フィルムで撮影していた時代、撮り終えたフィルムは光を通さない金属の缶に収めて保管されました。缶に入った、つまり撮影が済んで手を離れたという言い方が、そのまま完了の合図になったわけです。今ではデジタル撮影が主流になり缶を使う機会は減りましたが、表現だけが残っています。

面白いのは、二つの用法が同じ絵を共有している点です。どちらも、缶という閉じた容器に何かが収まっている。動かせない、取り出せない、外から手を加えられない。状態としてはまったく同じです。

違うのは、それを誰の側から見ているかだけです。閉じ込められる側から見れば自由の喪失になり、送り出す側から見れば作業の完了になります。同じ密閉が、立場によって不自由にも達成にもなる。

容器の絵は変わらず、評価だけが裏返ります。

まとめ|どの語を選ぶかで、立ち位置が見える

in the can は、収監されている状態を指す砕けた言い方です。人を容器に収めるという見立てを持つぶん、prison や jail のような中立さはありません。

この語を知っていると、話し手がどの層の言葉を使っているかを読み取れるようになります。使うほうに回るときは場面を選ぶ必要がありますが、聞き取れることの価値は別にあります。犯罪ドラマでは頻出する語です。

同僚に交渉の中身を打ち明ける場面で、ブースが選んだのは制度の言葉ではありませんでした。言葉づかいが内容と釣り合っていたあの一言ごと、表現の引き出しに加えてみてください。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
日常英会話を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「in the can」のような、日常で使いやすい英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
日常英会話が学べる海外ドラマを見る

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次