海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
会議の冒頭で主導権を握りたい時、あなたならどう切り出しますか?
今回は、FBI捜査官ブースの会話術から、相手に「おっ、こいつは仕事が早いな」と思わせる、キレのある英語表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
ワシントン州の田舎町へ捜査に来たブースとブレナン。
地元のシェリフ(保安官)は、よそ者のFBIが介入することに露骨な不快感を示します。
「ここは俺の縄張りだ(俺が法だ)」と牽制するシェリフに対し、ブースは一歩も引かず、会話の冒頭でその空気を変えようとします。
Sheriff: You’re way out of your jurisdiction Agent Booth.
(ブース捜査官、あんたは管轄外だろ。)Booth: Actually, we’re not. We are here at the request of the coroner.
(いいや、違いますね。検視官の要請で来たんです。)Sheriff: I’m the law here.
(ここでは俺が「法」なんだよ。)Booth: Yeah, that’s pretty crucial we get that straight right off the bat, meanwhile about the dead human being…
(ああ、その点(=誰が仕切るか)を最初からはっきりさせておくのはかなり重要だな。ところで死体についてだが…)BONES Season1 Episode4 (The Man in the Bear)
シーン解説と心理考察
相手のマウント(威圧)に対し、ブースはあえて強く反論せず、right off the bat という言葉を使って「その認識合わせ、大事だね」とサラリと受け流しました。
「ごちゃごちゃ揉める前に、スパッと決めよう(俺たちが仕切るけどな)」というブースの自信と、交渉を一歩前に進めるプロの手腕が光るシーンです。
フレーズの意味とニュアンス
right off the bat
意味: すぐに、直ちに、のっけから、早々に
語源は野球です。
バッターがボールを打った瞬間(=ボールがバットから離れた瞬間:right off the bat)に、一塁へ向かって走り出す様子から来ています。
【ここがポイント!】
単なる「時間的な早さ(immediately)」だけではありません。
「カキーン!」という快音と共にボールが飛んでいくような、「迷いのなさ」「勢い」そして「幸先の良いスタート」というポジティブなニュアンスが含まれています。
ビジネスシーンで使えば、「即断即決できる人」や「フットワークの軽い人」という知的な印象(Smart Casual)を与えることができますよ。
実際に使ってみよう!
ダラダラと話すのではなく、リズムよく会話を始めたい時に最適です。
We hit it off right off the bat.
(私たちはすぐに意気投合した。)
解説:
出会った瞬間にビビッときて、会話が弾んだ様子。デートや新しい同僚との関係を話す時の定番表現です。
He started complaining right off the bat.
(彼は開口一番、文句を言い始めた。)
解説:
挨拶もそこそこに、会っていきなり本題(文句)に入ってきた相手の「食い気味」な態度を表現できます。
Let’s settle this right off the bat.
(この件は最初に片付けてしまおう。)
解説:
会議の冒頭で、懸案事項や厄介な問題を「まず最初に」クリアにしておきたい時、リーダーシップを示すのに便利なフレーズです。
『BONES』流・覚え方のコツ
「ブースの直感スピード」で覚えましょう。
論理的で慎重なブレナンに対し、ブースは「体育会系」で「直感型」の捜査官です。
彼がうじうじ悩まず、バットを振るように即断即決で行動する姿こそが right off the bat のイメージそのもの。
「ブースなら、初球から振っていく!」という映像を思い浮かべれば、このフレーズの持つスピード感が定着するはずです。
似た表現・関連表現
- from the get-go
(最初から、初めから)
解説:ネイティブがよく使う口語表現。「スタート地点から(ずっと)」という継続的なニュアンスを含みます。(例:From the get-go, I knew he was the one. / 最初から彼だとわかってたわ。) - immediately
(直ちに、すぐに)
解説:最も一般的でフォーマルな表現。「感情」や「勢い」のニュアンスはなく、単に時間が経過していない事実を伝えます。報告書などではこちらが適しています。
深掘り知識:「Immediately」とは何が違う?
「すぐに」と和訳される言葉はたくさんありますが、なぜブースは right off the bat を選んだのでしょうか?
実は right off the bat には、「予期していなかったことが起きた時の反応」というニュアンスが含まれることがあります。
バッターが打ったボールがどこへ飛ぶか予測できないのと同様に、予期せぬ質問や事態に対して「間髪入れずに反応する」際によく使われます。
今回のシーンでも、シェリフからの予期せぬ「俺が法だ」というマウントに対して、ブースが「おっと、そこはハッキリさせておこう」と瞬時に反応して打ち返したからこそ、このフレーズが最も適しているのです。
単なる immediately では表現できない、会話のライブ感がここにあります。
まとめ|初速で差をつけよう
物事は最初が肝心ですね。
会議や商談で「とりあえず…」と弱気にならず、right off the bat とスマートに切り出して、会話の主導権を握ってみてください。
その一言が、あなたの「英語ができるキャラ」を決定づけるかもしれません。


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