海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
勝利を確信した時や、もう誰にも邪魔されない「勝ち確」の状態になった時、あなたならどう表現しますか?
今回は、FBI捜査官ブースとブレナンの会話から、物事に「完全な決着をつける」というニュアンスを持つ、少しクールな熟語をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
ビーチバレーをしている若者たちの中に、殺された女性の元彼がいると睨んだブース。
彼は根拠もなく「こんな遊びをしている奴の中に犯人がいる」と偏見丸出しで断定しますが、ブレナンはそれを冷ややかに茶化します。
Booth: I’d say anyone who plays this stupid game is capable of m*rder.
(こんな馬鹿げたゲームをする奴は、誰でも殺人を犯せるってことだな。)Brennan: Well then you got this case sewed up. Why don’t you just go and arrest them all?
(あら、だったらこの事件はもう解決済み(一件落着)ね。全員逮捕しに行けばいいじゃない。)Booth: Excuse me guys, ladies? Ladies, Gentlemen excuse me? Please?
(すみません、皆さん? 女性の皆さん、男性の皆さん、ちょっといいですか? お願いします?)Brennan: (Punts the ball) Go fetch.
((ボールを蹴り飛ばして)取ってきなさい。)
BONES Season1 Episode10 (The Woman at the Airport)
「バレーをする奴=犯人」というブースの論理の飛躍に対し、ブレナンが強烈な皮肉を放っています。
「証拠も動機もすっ飛ばして、あなたのその直感だけで結論が出るなら、面倒な捜査なんて必要ない(=Case sewed up)わね」と、科学者としてブースの非論理性を突いているのです。
その直後、口で言っても聞かない相手に対し、ボールを蹴り飛ばして実力行使に出るブレナンの行動力も痛快ですね。
フレーズの意味とニュアンス
sewed up (sew up)
意味:(勝利や成功を)確実にする、独占する、決着をつける、完了させる
原形は sew up で、「縫い合わせる」という意味です。
傷口を縫合して治療を終えたり、袋の口を縫い閉じて中身が出ないようにしたりするイメージから転じて、「物事を完了させる」「結果を確定させる」という意味で使われます。
【ここがポイント!】
単なる「終わる(finish)」とは違います。
「ほころびが出ないようにしっかり縫い合わせて、もう中の勝利(結果)が外に逃げない状態にする」という、逆転不可能な完了のニュアンスが含まれています。
選挙で「票を固める」時や、ビジネスで「契約を独占する」時など、他者が入り込む余地がないほどガッチリ決める(完全密封する)イメージです。
実際に使ってみよう!
ビジネスや個人の成功体験で、勝利や完了を確信した時に使ってみましょう。
The team has the championship sewed up.
(そのチームの優勝はもう決まったも同然だ。)
解説:他チームが逆転する可能性がなくなり、優勝という結果が「縫い合わされて閉じられた(確定した)」状態です。スポーツニュースの定番表現です。
I think I’ve got the deal sewed up.
(契約はもうまとまったと思うよ。)
解説:競合他社に取られる心配がなく、契約成立がほぼ確実になった時の安堵感や自信を表します。「もうこちらのものだ」という余裕が伝わります。
After the final interview, I felt like I had the job sewed up.
(最終面接の後、内定はいただきだ(確実だ)と感じた。)
解説:面接官の反応が良く、「これは受かった!」と確信した瞬間です。長い就活の終わりが見えた時の、あのホッとした気持ちや高揚感が伝わりますね。
『BONES』流・覚え方のコツ
「ブレナンの縫合手術」をイメージしてください。
骨の専門家である彼女が、事件という「開いた傷口」を、針と糸で手際よくチクチクと縫い合わせている姿。
「最後の一針を縫い終えれば、もう中身は出てこない=解決!」という視覚的なイメージで覚えましょう。
似た表現・関連表現
似た意味を持つ表現との違いを押さえておきましょう。
wrap up
((仕事や会議などを)終える、締めくくる)
意味・解説:プレゼントを包むように、最後まできれいに終わらせるイメージ。”Let’s wrap it up.”(そろそろ終わりにしよう)は会議や撮影現場の定番フレーズです。
in the bag
(いただきだ、確実だ)
意味・解説:獲物を捕らえて袋に入れた状態。成功や勝利がもう手中にあり、逃げる心配がないことを表すイディオムです。sewed up とほぼ同じ意味で使えます。
nail down
((契約や約束を)確定させる、決定的にする)
意味・解説:釘を打って固定するように、詳細を詰めたり、約束を動かせないように確定させたりすることです。「未確定な要素をなくす」というニュアンスが強いです。
深掘り知識:「sew」の発音に注意!
この単語、綴りは sew ですが、発音は「スー」ではなく「ソウ(soʊ)」です。
「見せる(show)」や「種をまく(sow)」と同じ母音になります。
- sew [soʊ]: 縫う
- sue [suː]: 訴える(発音は「スー」)
- saw [sɔː]: 見た(発音は「ソー」)
間違えて “sue up” と言うと「訴えまくる」みたいに聞こえてしまうので、ブース捜査官のように自信を持って「ソウ」と発音しましょう!
まとめ|最後の一針まで気を抜かずに
物事が順調に進んでいるときほど、
「もう決まりだ」と思いたくなります。
しかし本当に sew up された状態とは、
ほころびが一切残っていない状態です。
最後の一針まで縫い終えて初めて、
結果は動かなくなります。
ブレナンの皮肉が成立するのも、
「完全に閉じられた状態」という意味を
私たちが直感的に理解しているからなのです。
英語のイディオムは、
単なる言い換えではなく、
思考の枠組みそのものを形作っています。


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