海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン11第5話から、「もう一度やってみよう」をネイティブらしく表現できる「take another crack at」をご紹介します。捜査中のアビーとブースの軽快なやり取りに注目してみましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
病院での聞き込みを終えたブースとアビー。被害者のサラが悪魔崇拝に傾倒していた疑いはあるものの、手がかりはまだ少ない状況です。アビーが被害者のスマホに残っていた意味深なメッセージを見つけ、次の一手を提案します。なお、「XX」は英語圏のテキストでキスを表す記号です。
Booth:Place seems a lot more “med student” than “devil worshipper.”
(「悪魔崇拝者」というより、いかにも「医学生」らしい部屋だな。)Abbie:How about this? “Last night was insane. XX.”
(これはどう?「昨夜はヤバかったわ。XX(キス)」)Abbie:It’s the boyfriend, right? You wanna take another crack at him?
(相手は彼氏でしょ?もう一度彼に当たってみる?)Booth:It doesn’t make sense. You know, they’ve been dating for over a year.
(筋が通らない。二人は1年以上も付き合ってるんだぞ。)BONES Season11 Episode5(The Resurrection in the Remains)
シーン解説と心理考察
アビーは証拠から「昨夜はヤバかった」というメッセージを見つけ出し、すでに一度話を聞いている被害者の恋人に再度尋問するべきだと提案しています。
行き詰まりかけた捜査に対し、別角度からアプローチしようとする前向きな姿勢が「take another crack at」というカジュアルな表現にぴったりはまっています。
一方のブースは、長く付き合っているカップルがわざわざそんなメッセージを送るのは不自然だという直感を持っています。
ベテランの経験則とアビーのフットワークの軽さが交差する、テンポ良いシーンです。
「take another crack at」の意味とニュアンス
take another crack at
意味:〜にもう一度挑戦する、〜をもう一度やってみる、〜に再挑戦する
「crack」には「ひび割れ」や「鋭い音」などの意味がありますが、口語では「試み」「挑戦」として使われます。
「take a crack at 〜(〜を試してみる)」という熟語に「another」を加えることで、「うまくいかなかったこと・やり残したことに、もう一度トライする」という意味になります。
【ここがポイント!】
このフレーズの核は、「壁を突破しようとする気軽な再挑戦」です。
“try again” よりも少しカジュアルで、「ダメ元でもう一回やってみよう」「もう一度ぶつかってみよう」という勢いがあります。
一度失敗したタスクや、すんなりいかなかった交渉に対して、前向きな気持ちでリトライする際によく使われます。
アビーがさらりと使っているように、重さを感じさせない軽いニュアンスが魅力です。
実際に使ってみよう!
I couldn’t fix the computer yesterday, but let me take another crack at it.
(昨日はパソコンを直せなかったけど、もう一度やらせてみて。)
一度失敗した作業に対して、再び挑戦したいと申し出る際の定番フレーズです。意欲を見せつつも、肩の力が抜けた自然な表現です。
I know the client said no, but let me take another crack at convincing them.
(クライアントが断ってきたのは分かっていますが、もう一度説得に挑戦させてください。)
一度壁にぶつかった交渉に対して、別のアプローチで再挑戦する際に使えます。粘り強さと前向きな姿勢が自然に伝わります。
We didn’t win the match this time, but we’ll practice hard and take another crack at the championship next year.
(今回は試合に勝てなかったけど、一生懸命練習して、来年もう一度優勝に挑戦するよ。)
スポーツや競技などで、再挑戦への意気込みを語る文脈でも活躍します。
『BONES』流・覚え方のコツ
金庫を開けようとしている人をイメージしてみてください。
一度コンコンと叩いて(crack)開かなかった分厚い扉に対し、「もう一発やってみるか(another crack)」とバールを振りかぶる様子です。
「もう一撃加える」「壁を突破しようとする」という物理的なイメージが、「再挑戦」というニュアンスに直結します。
アビーが「もう一度あの彼氏に当たってみよう」と提案した軽快な感覚と一緒に覚えると、自然と使えるようになりますよ。
似た表現・関連表現
Give it another go
(「もう一度やってみる」という意味のカジュアルな表現です。take another crack at とほぼ同じニュアンスで、日常会話で頻繁に使われます。)
Try one’s hand at
(「〜を初めてやってみる」「〜に手を出してみる」という意味です。こちらは「再挑戦」ではなく「初めての挑戦」の際に使われることが多いのが特徴です。)
Have another shot at
(「shot」にも「試み」という意味があり、「もう一度試してみる」という表現です。目標に向かって再挑戦するニュアンスを持ちます。)
深掘り知識:「crack」が持つ多彩な意味のつながり
「crack」という単語は、驚くほど多くの意味を持つ多義語です。
元々は「ピシャリという鋭い音を立てる」「表面にひびを入れる」という物理的な意味ですが、「鋭い衝撃で何かを打ち破る」というイメージを起点にすると、さまざまな熟語がつながって見えてきます。
「夜明け(crack of dawn)」は暗闇という壁を太陽の光がピシャリと打ち破るイメージ。
「冗談を言う(crack a joke)」は堅苦しい沈黙の空気をひび割れさせて笑いを生むイメージ。
「暗号を解読する(crack a code)」も「挑戦する(take a crack at)」も、硬い殻を割って中身を取り出そうとするイメージから生まれています。
一つの単語のイメージをたどることで、バラバラに見えた熟語が一本の線でつながる。
そんな発見が、英語学習をぐっと面白くしてくれますよ。
まとめ|前向きなリトライを楽しもう
今回は「take another crack at」という、前向きで使い勝手の良い表現をご紹介しました。
英語学習でも、一度でうまくいかないことはたくさんあります。
でも「take another crack at it(もう一回やってみよう)」と、気軽にリトライする感覚を大切にしていると、少しずつ確実に前に進めるはずです。
行き詰まった時ほど、アビーのような軽やかさで次の一手を考えてみてください。

