海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン11第5話から、固唾をのんで待つ様子を詩的に表現する「with bated breath」をご紹介します。スリーピー・ホロウからやってきた協力者・クレーンの古風でドラマチックな一言に注目です。
実際にそのシーンを見てみよう!
ジェファソニアンのラボで、ブレナンがクレーンにアンジェラを紹介するシーンです。アンジェラがホログラムなどを使って顔の復元を行う様子を、クレーンは固唾をのんで見守ります。
Brennan:We are trying to determine identity as we speak, my colleague, Ms. Montenegro, is working on a facial reconstruction. Oh. Here she is now. Angela, this is Ichabod Crane.
(ちょうど身元確認を進めているところです。同僚のモンテネグロが顔の復元作業を。あ、ちょうど来ましたよ。アンジェラ、こちらがイカボッド・クレーンさん。)Crane:I await your marvels with bated breath, Ms. Montenegro.
(モンテネグロさん、あなたが魅せてくれる驚異を、固唾をのんでお待ちしておりますよ。)Angela:It’s a pleasure to meet you, too. I like… I like the jacket.
(はじめまして。あの…ジャケット、素敵ですね。)Crane:I used the bone structure of the corpse, and DNA evidence of coloring in hair, to recreate this approximation of the victim’s facial features.
(遺体の骨格と、毛髪の色に関するDNA証拠を使って、被害者の顔の近似像を復元しました。)BONES Season11 Episode5(The Resurrection in the Remains)
シーン解説と心理考察
スリーピー・ホロウから来たクレーンは、礼儀正しく、かつ少し古めかしく詩的な英語を話すキャラクターです。
現代の最新技術に対して、純粋な好奇心と驚嘆を隠さない彼らしさが、この一言に凝縮されています。
「まあどうぞ」と軽く済ませることもできる場面で、あえて格調高い表現を選ぶことで、クレーンの紳士的な個性と、アンジェラの技術への本物の敬意が伝わります。
アンジェラが「ジャケット、素敵ですね」と少し面食らいながらもにこやかに返す流れも、二人のキャラクターの対比が出ていて楽しいシーンですね。
「with bated breath」の意味とニュアンス
with bated breath
意味:固唾をのんで、息を殺して、ハラハラしながら、期待に胸を膨らませて
不安や恐怖、あるいは大きな期待によって、「息をするのも忘れるくらい」じっと待っている状態を表すイディオムです。
重要な発表を待つ瞬間や、映画のクライマックスを見守る時など、緊張感が高まっている場面で使われます。
【ここがポイント!】
このフレーズの核は、「呼吸が浅くなるほどの強い感情」です。
単に「待っている」のではなく、心臓がドキドキして無意識に息を止めてしまうような身体的反応を伴うほどの緊張感や期待感を言葉にできます。
少し文学的で格式高い響きを持つため、感情をドラマチックに伝えたい場面でぴったりはまります。
ネガティブな不安(試験結果を待つ)にも、ポジティブな期待(ライブ開演を待つ)にも使えるのが便利な点です。
実際に使ってみよう!
The fans waited with bated breath for the band to step onto the stage.
(ファンたちはバンドがステージに登場するのを、固唾をのんで待っていた。)
ライブやイベントなどで、今か今かと待ちわびている強い期待感を表す定番の使い方です。
We watched the final penalty kick with bated breath.
(私たちは息を殺して、最後のペナルティキックを見守った。)
スポーツの試合など、どちらに転ぶか分からない極度の緊張感を表現する際に使われます。
He waited for the test results with bated breath, hoping he had passed.
(彼は合格していることを祈りながら、息を詰めてテスト結果を待った。)
不安と期待が入り交じった心境を表すパターンです。合否の発表や重要な知らせを待つ時の張り詰めた空気が伝わります。
『BONES』流・覚え方のコツ
クレーンがアンジェラの最新機器を前に、目を輝かせながらわずかに息を止めて待っている姿を想像してみてください。
まるでおとぎ話の魔法を見る子どものように、無意識に呼吸をひそめる様子です。
礼儀正しい紳士が、胸に手を当てながらドキドキしている姿とともに覚えると、このフレーズの文学的でロマンチックな響きがしっかり定着しますよ。
似た表現・関連表現
Hold one’s breath
(息を止める、固唾をのむ。物理的に息を止めるという意味のほか、期待や不安でハラハラするという比喩としても使われます。with bated breathよりもカジュアルで日常的な表現です。)
On the edge of one’s seat
(映画や試合などに夢中になって、思わず身を乗り出している状態を指します。ワクワクして次に何が起こるか待ちきれない、というポジティブな緊張感を表します。)
In suspense
(ハラハラして、不安で。結果が分からずに宙吊りになっているような心理状態を表します。「Keep someone in suspense(人をハラハラさせる)」という形でよく使われます。)
深掘り知識:シェイクスピアが生んだ400年前の表現
「bated」とは何でしょうか。
実はこれ、「abated(弱められた、抑えられた)」という単語の短縮形で、「呼吸(breath)が弱められた=息を殺して」という意味になります。
この表現を初めて使ったのは、ウィリアム・シェイクスピアとされています。
1596年の戯曲『ヴェニスの商人』で、「息を殺し、ささやくようにへりくだって」と登場人物が語るセリフが語源です。
約400年前に生まれた表現が、今もなお映画や小説、日常会話で使われているのは、言語の持つ奥深さですね。
また、ネイティブでも非常に間違えやすいのが「baited breath」というスペルです。
「bait」は釣りの「エサ」のことなので、「エサの匂いがする息」という全く別の意味になってしまいます。
書く時は必ず「bated」と覚えておきましょう。
クレーンのような古典文学を愛するキャラクターが使うからこそ、このフレーズがドラマの中でも自然に輝いています。
まとめ|ドラマチックな緊張感を表現してみよう
今回は「with bated breath」という、少し古風でドラマチックな英語表現をご紹介しました。
シェイクスピアの時代から受け継がれた言葉が、現代のドラマのセリフとして今も生きているのが、英語の面白いところです。
ドラマのセリフが字幕なしで聞き取れるかどうかを固唾をのんで確かめる瞬間も、立派な英語体験。
ワクワクする場面や緊張する瞬間に、ぜひこのフレーズを思い出してみてください。

