海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
採用や紹介の場面で、影響力のある誰かに「あの人いいですよ、と一言言っておいてほしい」とお願いしたくなること、ありますよね。
そんなときに使うのが「put in a good word」、決定権を持つ相手に口添えや推薦をするという意味の表現です。『CHUCK』シーズン2第14話の中盤、自分たちのバンドを結婚式で演奏させたいジェフが、チャックに口利きを頼む場面から、一緒に見ていきましょう。
「put in a good word」の意味とニュアンス
put in a good word
意味:(影響力のある相手に)口添えする、推薦する、よく言ってあげる
put in a good word は、自分が直接の決定権を持たない場面で、決める立場の人に向けて「あの人はいいですよ」と好意的な一言を差し込むことを表す表現です。直訳すると「良い言葉を入れる」となり、その good word(好意的な評価の一言)を相手の判断材料に「入れる」イメージがそのまま意味になっています。
for someone をつければ「誰のために」、with someone をつければ「誰に対して」口添えするかを添えられます。
就職や転職の紹介、誰かを引き立てたいとき、取りなしてほしいときなどに広く使われます。「上司に一言推しておいてくれない?」というような、口語的でやわらかい依頼の表現です。
【ここがポイント!】
- 「良い言葉を入れる」という、物理的な動作がそのまま意味になった表現
- for で「誰のために」、with で「誰に対して」を足せる便利な形
- 公式な推薦よりやわらかい、「ちょっと言っといて」の口語表現
『CHUCK』S02E14のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
エリーの結婚式での演奏を狙うジェフが、オーディションがうまくいかなかった自覚を抱えつつ、チャックに望みを託します。一方のチャックは別の悩みで頭がいっぱいで、いつになく余裕がありません。
Jeff: We didn’t play out right. If you could put in a good word for us.
(うまくいかなかったから、もし俺らのこと口添えしてくれたら。)Chuck: I have the weight of the damn world on my shoulders. Figure out your own crap.
(こっちは世界の重みを背負ってんだよ。自分のことは自分でなんとかしろ。)Chuck Season2 Episode14(Chuck Versus the Best Friend)
シーン解説と心理考察
ジェフの頼みは、いつもなら軽く受け流せる類のものです。put in a good word for us という言い回しからも、決定権を持つエリーに「俺たちのこと良く言っといて」と気軽にお願いする、彼ららしい調子が伝わってきます。
ところがこのときのチャックは、モーガンの一件や任務で精神的に追い詰められています。普段は温厚な彼が、ジェフの軽い頼みに珍しく苛立ちをぶつけるところに、心理的な余裕のなさがにじみ出ています。
put in a good word という、いわば「軽い頼みごと」の表現と、チャックの「世界を背負っている」という重い心理状態とのコントラストが、このシーンのコメディと緊張を同時に生んでいると言えます。日常的な口利きのフレーズが、思わぬ温度差を引き立てる場面です。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
このフレーズは、採用や審査の「箱」を思い浮かべると覚えやすくなります。みんなが評価という紙を一枚ずつ入れていくその箱に、あなたが「この人はいいですよ」という好意的な一枚をそっと入れてあげる。それが put in a good word です。
「言葉を入れる(put in)」という動作のイメージが、そのまま意味につながっています。ジェフは、エリーという審査員に向けて、チャックに「俺たちのいい紙を一枚入れといて」と頼んでいる、と場面ごと結びつけると、フレーズの形と意味が一緒に記憶に残ります。
例文で覚える「put in a good word」
put in a good word は、誰かを引き立てたいときや、自分を推してほしいときに活躍します。3つの場面で見てみましょう。
Could you put in a good word for me with your manager?
(君のマネージャーに、僕のこと口添えしてくれない?)
社内の異動や就職で紹介を頼む場面です。for me with ~ の語順で、「誰のために」「誰に対して」を一度に示せる王道の使い方になります。
I’ll put in a good word for you when I talk to the director.
(ディレクターと話すとき、君のこと推しておくよ。)
自分から相手を引き立てると申し出る場面です。頼まれる側ではなく、進んで口添えを買って出るパターンです。
A: Thanks for putting in a good word. I got the interview!
B: That’s great! You earned it.
(A:口添えしてくれてありがとう。面接に進めたよ!)
(B:よかったね!君の実力だよ。)
口添えのお礼を伝える場面です。putting in a good word と進行形にすることで、「してくれたこと」への感謝を自然に表せます。
あわせて覚えたい関連表現
vouch for someone
(人柄・能力を保証する、太鼓判を押す)
put in a good word が「好意的に言ってあげる」程度なのに対し、vouch for は「私が責任を持って保証する」と一歩踏み込みます。背負う責任の重さが違います。
recommend someone
(推薦する)
よりフォーマルで直接的な表現です。推薦状などの公式な場面に向きます。put in a good word は、もっとくだけた「ちょっと言っといて」のニュアンスです。
go to bat for someone
(人のために一肌脱ぐ、擁護する)
野球由来の表現で、「誰かのために代わって戦う」積極性が強く出ます。口添えより踏み込んで、相手を守る・代弁するニュアンスになります。
Note|英語圏の「紹介・口利き」文化
put in a good word という表現が日常的に使われる背景には、英語圏ならではの人間関係のあり方があります。
欧米の就職や住居探しでは、referral(紹介)や reference(推薦者・身元保証人)が大きな役割を果たします。求人に応募する際、すでにその組織にいる人からの紹介があると話が通りやすくなったり、賃貸契約で過去の大家や勤務先が reference として求められたりします。こうした文化の中で、put in a good word は、その紹介や推薦の「入口」にあたる軽いお願いとして機能します。コネクションを露骨に頼むのではなく、「ちょっと良く言っておいて」と婉曲に依頼するこの言い回しには、相手に負担をかけすぎない距離感への配慮がにじんでいます。直接「採用して」と迫るのではなく、好意的な一言を添えてもらうという段階を踏むところに、英語圏の人付き合いの機微が表れています。
ジェフがチャックに頼んだのも、まさにこの「入口の一言」です。文化的な背景を知ると、なぜこの軽い言い回しがこれほど定着しているのかが見えてきます。
紹介の一言が、人と人をつなぐ。その小さな橋渡しが言葉になっています。
まとめ|ジェフの「一言頼むよ」から学ぶこと
put in a good word は、決定権を持つ相手に好意的な一言を差し込み、誰かを推薦したり取りなしたりすることを表す表現です。
このフレーズが使えるようになると、就職や紹介の場面で「あの人に推しておいてほしい」という依頼を、押しつけがましくならずにやわらかく伝えられるようになります。逆に、自分が誰かのために口添えすると申し出るときにも便利です。
評価の箱に好意的な一枚をそっと入れる、そんなイメージとともに、put in a good word を表現の引き出しに加えてみてください。
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