「run something up the flagpole」の意味と使い方|『CHUCK』S01E12で学ぶ英会話

「run something up the flagpole」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

会議で何かを提案するとき、その場で決めずに「ちょっと上に確認してみますね」と一度持ち帰った経験はありませんか。

そんな「まず反応を見てみる」という動きにぴったりの「run something up the flagpole」を、『CHUCK』シーズン1第12話の中盤、チャックがつかんだ犯罪者たちの情報を、ケイシーが司令部に打診すると応じるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「run something up the flagpole」の意味とニュアンス

run something up the flagpole
意味:(案や意見を)周囲や上層部に打診して、反応を見る

直訳すると「何かを旗竿(flagpole)に揚げる」です。旗を高く掲げて、それを見た人たちがどう反応するかをうかがう、というイメージから、「アイデアを正式に決める前に、いったん投げてみて様子を見る」という意味になりました。

この表現の核にあるのは、「確定ではなく、あくまでテスト」というニュアンスです。自分一人では決められないことを、上司やチーム、関係者に軽く諮ってみる。賛同が得られるかどうかを探る、その手前の段階を表します。ビジネスの会議で非常によく使われ、提案を即決せずに一度持ち帰るときの定番フレーズです。run it up the flagpole の形で、it に具体的な案や名前が入る使い方が一般的です。

【ここがポイント!】

  • 核は「旗を揚げて、見た人の反応をうかがう」イメージ
  • 確定ではなく「まず打診して様子を見る」段階を表す一言
  • ビジネス会議で即決を避けたいときに重宝する表現

『CHUCK』S01E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

チャックが特殊能力で、ホテルに集まった人物の正体を一気に読み取ります。武器商人や資金洗浄屋といった危険人物ばかり。「何とかしないと」と焦るチャックに対し、軍人であるケイシーは組織人らしい落ち着いた返答をします。

Chuck: They’re arms dealers, money launderers, black-market smugglers.
(奴ら、武器商人に資金洗浄屋、闇取引のスマグラーばかりだ。)

Casey: I’ll run it up the flagpole, see what Command wants.
(上に上げて、司令部がどう出るか見てみる。)

Chuck Season1 Episode12(Chuck Versus the Undercover Lover)

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シーン解説と心理考察

チャックとケイシーの温度差が見どころです。危険人物の集まりを前に色めき立つチャックに対し、ケイシーは run it up the flagpole という一言で、自分の独断ではなく組織の判断を仰ぐ姿勢を示しています。緊急事態であっても手順を踏む、その冷静さがこの短いセリフににじみます。

軍人であるケイシーが「旗竿に揚げる」という表現を使うのも、どこか効いています。flagpole という言葉には軍隊の旗掲揚を思わせる響きがあり、命令系統の中で動く彼のキャラクターと自然に重なっています。チャックの勢いと、ケイシーの組織人としての落ち着き。その対比が、危機的な状況をかえってコミカルに見せていると言えます。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

run something up the flagpole は、運動会や式典で、ロープを引いて旗が竿をするすると上っていく光景を思い浮かべると覚えやすくなります。旗が一番上まで揚がると、周りの人がそれを見上げ、反応します。その「揚げて、見てもらって、反応を待つ」という一連の動きが、そのまま「案を出して様子を見る」という意味につながります。

このシーンのケイシーも、自分の案を勝手に実行するのではなく、いったん司令部という「高い場所」に掲げて、その判断を待とうとしています。情報を旗のように上へ揚げる様子を思い描くと、表現と場面がひとつにつながって記憶に残ります。

例文で覚える「run something up the flagpole」

提案や打診の場面で活躍するこのフレーズを、3つの例文で見ていきましょう。ビジネスでもカジュアルでも使えます。

Let me run it up the flagpole and get back to you tomorrow.
(ちょっと上に諮ってみて、明日また返事するよ。)
仕事で即答を避ける場面です。run it up the flagpole で「関係者に確認してから」という、丁寧な保留のニュアンスを出せます。

It’s just a rough idea, but I wanted to run it up the flagpole first.
(まだざっくりした案だけど、まずは反応を見てみたくて。)
アイデアを共有する場面です。確定ではなく「とりあえず投げてみる」という軽さが、この表現でうまく伝わります。

A: Should we change the logo before launch?
B: Maybe. Let’s run it up the flagpole at the next meeting.
(A:公開前にロゴ、変えたほうがいいかな?)
(B:どうだろう。次の会議で一度みんなに諮ってみよう。)
チームでの相談の場面です。run it up the flagpole を「みんなの反応を見る」という意味で、意思決定の前段階に使っています。

あわせて覚えたい関連表現

test the waters
(様子を見る、反応を探る)
こちらは「水に足先を入れて水温を確かめる」イメージです。run something up the flagpole が「案を掲げて反応を見る」のに対し、test the waters は行動全般について「いきなり飛び込まず慎重に探る」ときに広く使えます。

float an idea
(アイデアを提案してみる)
float は「(水面に)浮かべる」。意見を場にそっと浮かべて反応を見る、という点で run something up the flagpole と非常に近い表現です。flagpole よりやわらかく、日常会話でも使いやすい言い回しです。

get the green light
(ゴーサインをもらう)
run something up the flagpole で打診した結果、許可が下りた状態がこれにあたります。「打診する」から「承認される」までの流れをセットで覚えると、ビジネス会話で役立ちます。

Note|旗を揚げて敬礼を待つ──広告業界生まれの言い回し

run it up the flagpole には、実はもっと長い完全形があります。run it up the flagpole and see who salutes ──「旗竿に揚げて、誰が敬礼するか見てみよう」というフレーズです。

この表現は、20世紀半ばのアメリカの広告業界で生まれた言い回しだとされています。新しいアイデアやキャッチコピーを会議で出すとき、「とりあえずこれを掲げてみて、賛同(=敬礼)してくれる人がどれだけいるか見てみよう」という、半ば冗談めいたビジネススラングだったと言われます。旗を揚げて、それに敬礼する人がいるかどうかで支持の有無を測る、という比喩です。やがて後半の and see who salutes が省略され、run it up the flagpole だけで「打診して反応を見る」という意味で広く使われるようになりました。広告業界という、アイデアの良し悪しを常に他人の反応で判断する世界から生まれた表現だというのは、いかにもこの言葉らしい背景です。

このシーンのケイシーが run it up the flagpole と言うとき、まさに「司令部という旗を見上げる人々が、どう反応するか」を待つ構図になっています。軍人の彼が口にすると、flagpole も salute も文字どおりの軍隊のイメージと重なり、言葉の出自がほのかに立ち上がってきます。

成り立ちを知ると、何気ない一言が少し違って聞こえてきます。

まとめ|ケイシーの一言で覚える「打診」の英語

run something up the flagpole は、「案を正式に決める前に、いったん打診して反応を見る」という、ビジネスでも日常でも使える便利な表現でした。旗を高く揚げて、それを見た人たちの反応をうかがう、という映像的なイメージが意味を支えています。

この一語が使えると、会議で即答を避けたいときや、まだ固まっていないアイデアを場に出したいときに、ちょうどよい距離感で伝えられるようになります。test the waters や float an idea といった近い表現と並べて持っておけば、「とりあえず投げてみる」という場面の言い回しに困らなくなります。

緊急事態でも手順を崩さないケイシーの一言を入り口に、打診と反応うかがいの表現として、表現の引き出しに加えてみてください。

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