海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
新しいスマホや家電を「そろそろ買い替えようかな」と探しているとき、その気持ちを英語でどう伝えればいいか、迷ったことはありませんか。
そんなときに便利な「be in the market for」を、『フレンズ』シーズン4第23話の序盤、ロンドンの露天商がチャンドラーとジョーイに土産物を売り込むシーンから、一緒に見ていきましょう。
「be in the market for」の意味とニュアンス
be in the market for
意味:〜を買おうとしている、〜を探し求めている
be in the market for は、何かを買う意思があって探している状態を表す表現です。market(市場)の中に買い手として立っているイメージから、「買うつもりで物色している」というニュアンスが生まれます。
単に look for(探す)と言うより、「買う気がある」という点がはっきり伝わるのが特徴です。店員が客に希望を尋ねるときの What are you in the market for?(何をお探しですか)という接客表現としても、自分が買い手として I’m in the market for a new car(新しい車を探している)と伝えるときにも使えます。
さらに、実際の買い物だけでなく in the market for a new job(新しい仕事を探している)のように、比喩的に「求めている」対象を示すこともできます。
【ここがポイント!】
- 核は「買う意思をもって探している」状態を表す一言
- 店員側の質問にも、買い手側の表明にも使える両面性が特徴
- 仕事探しなど、モノ以外を「求める」比喩にも広げられるのがコツ
『フレンズ』S04E23のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
観光中のチャンドラーとジョーイに、ロンドンの露天商が声をかけます。スカーフに絵葉書と、商売人らしい口上で売り込む店主。その誘いに乗ったジョーイは派手な帽子を見つけて大乗り気、チャンドラーは早速皮肉で応じます。売り込みの入り口となるのが、この表現です。
Vendor: Fine gentlemen, in the market for? We got scarves, souvenir postcards…
(そこのお二人さん、何かお探しで? スカーフに、記念の絵葉書もありますよ…)Joey: Check this out, huh? That’s the stuff. What do you think?
(これ見ろよ、な? こういうのだよ。どうよ?)Chandler: I’m not going to have to buy that “I’m with stupid” T-shirt anymore.
(これでもう「隣はおバカです」Tシャツを買わずに済むな)Joey: Here you go.
(はい、お代ね)Friends Season4 Episode23(The One with Ross’s Wedding, Part 1)
シーン解説と心理考察
露天商のよどみない売り込みが、旅先の市場らしい活気を会話に添えています。in the market for という問いかけは、押し付けがましくなく客のニーズを探る、接客の定石とも言える一言です。
その誘いにあっさり乗るのがジョーイらしいところで、ユニオンジャック付きの派手な帽子に「こういうのだよ」と目を輝かせる反応が、旅先の高揚をそのまま映しています。チャンドラーの返しは、「隣にいるのはバカです」と書かれたジョークTシャツを引き合いに出した痛烈な皮肉。それでも意に介さず「はい、お代ね」と買ってしまうジョーイとの温度差が、笑いの核になっています。
この帽子の買い物が、のちの二人の言い合いへの入り口となり、何気ない売り込みの一言が物語の小さな伏線として響きます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
in the market for の market は、そのまま「市場」を思い浮かべるのが近道です。露店がずらりと並ぶロンドンの市場に自分が立って、目当ての品をキョロキョロ探している——その光景を想像してみてください。
まさに市場のただ中で「in the market for(市場の中で〜を求めて)」と声をかけられるこのシーンは、フレーズの語感とぴったり重なっています。実際の市場の風景と結びつけておけば、「新しい仕事を探している」といった比喩的な使い方に出会ったときも、”何かを求めて場に立っている自分”としてイメージを応用できます。
例文で覚える「be in the market for」
自分が買い手のときも、相手に尋ねるときも使える be in the market for。フォーマル度の異なる三つの場面で見ていきましょう。
I’m in the market for a new laptop. Any recommendations?
(新しいノートパソコンを探しているんだ。何かおすすめある?)
買い物の相談を持ちかける、カジュアルな場面です。自分が買い手であることを自然に伝える基本の形です。
The company is in the market for innovative startups to acquire.
(その会社は、買収する革新的なスタートアップを探している)
ビジネスニュースのようなフォーマルな文脈です。主語を組織にして「求めている対象」を示す、応用的な使い方です。
A: Are you in the market for a house, or just having a look?
B: Just looking for now, thanks.
(A:お家をお探しですか、それともご覧になっているだけですか?)
(B:今は見ているだけです、ありがとう)
不動産の接客を思わせる会話です。劇中の露天商と同じく、売り手が客の意思をやわらかく尋ねる形になっています。
あわせて覚えたい関連表現
look for
(〜を探す)
最も一般的な「探す」の表現です。be in the market for は、これに「買う意思がある」という含みが加わる点で違いがあります。
shop for
(〜を買いに行く、物色する)
買い物という行為そのものを指します。「買う気がある状態」を表す be in the market for とは、動作か状態かという点で使い分けられます。
be after
(〜を狙っている、欲しがっている)
口語的に「欲しくて探している」を表します。be in the market for よりもくだけた響きで、日常会話でよく登場します。
Note|接客と日常で変わる「in the market for」の顔
同じ be in the market for でも、誰が使うかによって表情が変わります。この使い分けの幅が、この表現の面白いところです。
店員が使うと、What are you in the market for? は「何をお探しですか」という、ていねいで押し付けがましくない接客フレーズになります。Can I help you? よりも一歩踏み込んで、客が何を求めているかを具体的に探る言い方です。一方、客の側が I’m not really in the market for anything right now(今は特に何も探していません)と使えば、営業をやんわり断る便利な一言になります。さらにビジネスの場面では、The firm is in the market for new talent(その会社は新しい人材を求めている)のように、採用や買収といったフォーマルな「求める」にも広がります。実際の商品から、仕事、人材、住まいまで——「買い手として何かを求めている」という一点さえ押さえておけば、カジュアルからフォーマルまで幅広く応用できます。
劇中の露天商の軽快な売り込みも、不動産の丁寧な接客も、根っこは同じこの表現でつながっているわけです。
一つの表現が、場面ごとに顔を変えていきます。
まとめ|露天商の売り込みから学ぶ、買い物の一言
be in the market for は、「買う意思をもって何かを探している」状態を表す表現です。単なる look for とは違い、買い手としての立場がはっきり伝わるところに使いやすさがあります。
買い物の相談をするとき、営業をやんわり断るとき、あるいは仕事や人材を「求めている」と伝えるとき。この表現を知っておけば、さまざまな場面で自分の意思をなめらかに示せます。
市場に立って品定めをする気持ちで、表現の幅を広げてみてください。


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