海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン3第10話では、カフェのセントラルパークでウェイトレスとして働くレイチェルが、店の研修をもう一度受けることになります。そこでジョーイとチャンドラーが、仕事を辞めてしまえと持ちかけます。
友達の進路に口を出すときの一言は、言われた側の返し方とセットで覚えると使いどころが見えてきます。背中を押す言い方、辞める理由の伝え方、そして後押しした相手に言い返す言い方を、場面の順に見ていきます。
「You need the fear」と、辞めるよう背中を押す一言
研修を受け直していると話すレイチェルに、ジョーイはファッションの仕事がしたかったのではと尋ねます。レイチェルは I’m still pursuing that.(今も目指している)と答えますが、チャンドラーに How exactly are you pursuing that?(具体的にどうやって?)と聞き返され、2年前に履歴書を送ったきりだと指摘されます。そこでジョーイが持ち出すのが、次の理屈です。
Joey: If you ask me as long as you got this job you got nothing pushing you to get another one. You need the fear.
(俺に言わせりゃ、この仕事がある限り、次の仕事に向かわせるものが何もないんだよ。恐怖が必要なんだ。)
Rachel: The fear?
(恐怖?)
Chandler: If you quit this job you then have motivation to go after a job you really want.
(この仕事を辞めれば、本当にやりたい仕事を取りにいくやる気が出るってことさ。)
Rachel: Then how come you’re still at a job that you hate? Why don’t you quit and get the fear?
(じゃあ、なんであなたは嫌な仕事を続けてるの?辞めて恐怖を味わえばいいじゃない。)
Chandler: Because I’m too afraid.
(怖すぎるからさ。)
Friends Season3 Episode10(The One Where Rachel Quits)
If you ask me は「俺に言わせれば」と、自分の意見だと断ってから話す前置きです。続く nothing pushing you は「背中を押すものが何もない」という意味で、だからこそ You need the fear. と結論を出す流れになっています。ここでの fear は、後がない状況に追い込まれたときの怖さを指しています。
チャンドラーの go after ~ は「〜を手に入れようと動く」という句動詞です。レイチェルはこれに Then how come ~? で切り返し、相手の言葉 get the fear をそのまま使って問い返します。チャンドラーの Because I’m too afraid. は冗談まじりの答えで、言い出した本人も踏み出せていないことが笑いになっている場面です。
「This is not what I want to do」と、辞める理由を伝える
その後、ガンターがどのポットがカフェインレスかを確認しようと言い出します。レイチェルは Can’t I just look at the handles on them?(取っ手を見れば分かるんじゃない?)と返しますが、ガンターの返事を受けて、ガンターに向かって話し始めます。
Rachel: I am a terrible waitress. Do you know why I am a terrible waitress? Because I don’t care. I don’t care which pot is regular and which pot is decaf. I don’t care where the tray spot is. I just don’t care. This is not what I want to do. So I don’t think I should do it anymore.
(私はひどいウェイトレスよ。なんでひどいか分かる?どうでもいいからよ。どっちのポットが普通のコーヒーでどっちがカフェインレスかなんて、どうでもいいの。トレーの置き場所もどうでもいい。とにかくどうでもいいの。これは私のやりたいことじゃない。だから、もう続けるべきじゃないと思う。)
Friends Season3 Episode10(The One Where Rachel Quits)
I don’t care. を何度も重ね、最後に This is not what I want to do. で理由をまとめる組み立てです。what I want to do は「私のやりたいこと」で、仕事や進路の話でもそのまま使えます。続く I don’t think I should ~ は「〜すべきではないと思う」で、I think I shouldn’t とするより、否定を前に出す言い方のほうが会話では自然とされています。
そしてレイチェルは、はっきりと告げます。
Rachel: Gunther, I quit.
(ガンター、私、辞める。)
Chandler: We’re going to have to start paying for coffee?
(俺たち、コーヒー代を払わなきゃならなくなるのか?)
Friends Season3 Episode10(The One Where Rachel Quits)
I quit. は「辞めます」を一言で伝える言い方です。チャンドラーがジョーイに向けて言う一言は、レイチェルが辞めたら自分たちのコーヒー代はどうなるのか、という冗談です。
「Weren’t you the guy that told me to ~?」と、後押しした相手に言い返す
場面がモニカとレイチェルの部屋に移ると、レイチェルは次の仕事が決まらないまま履歴書を送る準備をしています。そして、辞めるよう勧めたチャンドラーに矛先を向けます。
Rachel: Weren’t you the guy that told me to quit my job when I had absolutely nothing else to do?
(ほかに何のあてもないのに、仕事を辞めろって私に言ったのはあなたじゃなかった?)
Ross: Calm down. It’s going to be okay.
(落ち着けよ。大丈夫だから。)
Rachel: No, it’s not going to be okay, Ross. Tomorrow is my last day, and I don’t have a lead. Okay, you know what? I’m just going to call Gunther and I’m going to tell him I’m not quitting.
(ううん、大丈夫じゃないわ、ロス。明日が最後の日なのに、仕事のあてもないのよ。いいわ、こうする。ガンターに電話して、辞めないって言うの。)
Chandler: But, you-you don’t want to give in to the fear?
(でも、恐怖に負けたくはないんだろ?)
Friends Season3 Episode10(The One Where Rachel Quits)
Weren’t you the guy that ~? は「〜したのはあなたじゃなかった?」と、否定疑問で相手の過去の発言を突きつける形です。答えを求めるというより、相手を責めるときに使われることの多い言い回しです。I don’t have a lead. の lead は、ここでは「次の仕事の手がかり・あて」の意味です。
ロスの It’s going to be okay. に対して、レイチェルは No, it’s not going to be okay. と相手の言葉をそのまま否定して返します。I’m not quitting. は進行形で、もう決めた予定として「辞めるのはやめる」と伝える形です。
チャンドラーの give in to ~ は「〜に屈する」で、ジョーイの言葉 the fear を持ち出して、レイチェルの弱気をからかっています。
まとめ|辞めるよう背中を押す英語と、言い返す英語
You need the fear で背中を押し、This is not what I want to do で理由を伝え、Weren’t you the guy that told me to ~? で言い返す流れを見てきました。押す側と返す側の言い方をあわせて覚えると、進路の相談に応じる言葉の幅が広がります。
辞めるかどうかで揺れる場面の英語を、これからも『フレンズ』と一緒に味わっていきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、レイチェルの仕事探しやツリー売り場の英語を扱っています。


コメント