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『フレンズ』シーズン1第5話では、レイチェルがコインランドリーで、使っていた洗濯機をほかの客に取られてしまいます。最初は強く言えなかった彼女が、エピソードの終わりには自分の言葉で取り返す側に回ります。
順番や場所を横取りされたとき、角を立てずに抗議する言い方と、はっきり言い返す言い方。その両方を、コインランドリーの3つの場面から順に見ていきます。
「I was kind of using that」と控えめに抗議する
ロスを待つレイチェルの洗濯物を、ある女性が洗濯機から出し、自分の物を入れ始めます。レイチェルが声をかけると、二人はこんなやりとりになります。
Rachel: Oh, excuse me. I was kind of using that machine.
(あ、すみません。その洗濯機、ちょっと使ってたんだけど。)
Woman: Yeah, well, now you’re kind of not.
(ああ、そう。でも今はちょっと使ってないでしょ。)
Rachel: I-I put my basket on top.
(か、かごを上に置いといたの。)
Woman: Oh, I’m sorry, is that your basket?
(あら、ごめんなさい、それあなたのかご?)
Friends Season1 Episode5(The One with the East German Laundry Detergent)
Excuse me. で呼び止めてから、I was kind of using that ~. と続けるのが、レイチェルの抗議の形です。kind of は「ちょっと」「なんとなく」と言葉の角を取る働きをし、I was using that.(それ、使ってたんですけど)をやわらかく伝えています。過去進行形の was using は、「さっきまで使っている途中だった」という状況を表します。
女性はその kind of をそのまま借りて、now you’re kind of not と返します。「今はちょっと使っていない」という切り返しで、相手の遠慮がちな言い方を逆手に取った形です。レイチェルの I put my basket on top. は、かごを置いて場所を取っておいたという主張ですが、女性は「泡が立っていなければ取っておいたことにならない」という自分なりの決まりを持ち出し、話を押し切ります。
「That’s not the rule and you know it」でルールを退ける
あとから来たロスは、レイチェルから事情を聞くと、女性にこう言います。
Ross: No suds, no..? Excuse me.
(泡がなければ……? ちょっとすみません。)
Ross: Hold on a second. This is my friend’s machine.
(待ってくれ。これは俺の友達の洗濯機だ。)
Woman: Hey, hey, hey, her stuff wasn’t in it.
(ちょっと、ちょっと、この子の物は入ってなかったじゃない。)
Ross: Hey, hey, hey, that’s not the rule and you know it.
(おいおいおい、そんなルールはない。分かってるはずだ。)
Friends Season1 Episode5(The One with the East German Laundry Detergent)
ロスの Excuse me. は、レイチェルのときと同じ語でも、ここでは話に割って入る合図として使われています。続く Hold on a second. は「ちょっと待って」と相手の動きを止める一言で、そのうえで This is my friend’s ~. と、誰のものかを言い切っています。
That’s not the rule and you know it. は「それはルールじゃないし、あなたも分かっているはずだ」と、相手の言い分を退ける言い方です。and you know it を足すと、相手も本当は承知しているはずだと指摘する響きになり、反論がぐっと強くなります。女性はこのあと自分の物を出して、その場を離れます。
それを見ていたレイチェルは、ロスにこう言います。
Rachel: That was amazing. Well… I can’t even send back soup.
(すごかった。だって……私なんて、スープを突き返すこともできないのに。)
Friends Season1 Episode5(The One with the East German Laundry Detergent)
send back は、飲食店で料理を下げてもらう、作り直してもらうときに使われる句動詞です。can’t even ~ と組み合わせて、「それすらできない」と自分が強く言えないタイプであることを、身近な例で伝えています。
「Quit making up rules!」と条件を突きつけて取り返す
レイチェルはこのあと、白い洗濯物を赤い靴下と一緒に洗ってピンクにしてしまい、「父親の言うとおり、私は一人で暮らせない」という趣旨のことを口にします。それでも終盤、同じ女性がカートを持っていこうとすると、ロスに身ぶりで促されたレイチェルは、今度は自分で言い返します。
Rachel: Maybe I wasn’t being clear. This was our cart.
(伝わってなかったみたいね。これは私たちのカートだったの。)
Woman: There weren’t any clothes in it!
(中に服なんて入ってなかったじゃない!)
Rachel: Hey, hey, hey, hey! Quit making up rules!
(ちょっと、ちょっと! 勝手にルールを作らないで!)
Woman: Let go!
(放しなさい!)
Rachel: All right, listen, Mitzi. If you want this cart you’re going to have to take me with it.
(いい、聞いて、あなた。このカートが欲しいなら、私ごと持っていくしかないから。)
Friends Season1 Episode5(The One with the East German Laundry Detergent)
Maybe I wasn’t being clear. は「はっきり伝わっていなかったかもしれない」と前置きして、同じ主張をもう一度言い直すときの型です。丁寧に聞こえる形を取りながら、実際には一歩も引かない姿勢を示す言い方として使われることがあります。
Quit making up rules! の make up は「でっち上げる」という意味で、quit ~ing と組むと「〜するのはやめて」と強く言い返す形になります。洗濯機のときと同じように、中身が入っていなかったことを理由にする女性に対して、その決まり自体を退けています。
最後の If you want ~, you’re going to have to ~. は「〜したいなら、〜するしかない」と条件を突きつける言い方です。be going to have to ~ は「〜しなければならなくなる」という意味で、相手にとって避けたい条件を示すときに使われます。カートに乗り込んだレイチェルがこう言うと、女性はその場を離れていきます。
まとめ|控えめな抗議から、言い返す一言まで
I was kind of using that の控えめな抗議、That’s not the rule and you know it の退け方、Quit making up rules! の言い返し方を見てきました。場面の強さに合わせて言い方を選べると、言いたいことが伝わりやすくなります。
レイチェルの変化を追いながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
コインランドリーの場面は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも別の角度から取り上げています。


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