海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン2第19話では、仕事を失ったジョーイが、台詞の少ない役のオーディションを受けるかどうかが話題になります。受けるよう勧めるロスと、励ましてほしいジョーイの間で、話がこじれていきます。
落ち込んでいる友達には、正直な見通しを伝えるか、まず気持ちを支えるかで言葉が変わります。エステルやロスとのやりとりから、realistic と Hang in there の働きの違い、そして言ったことを取り消す英語を見ていきます。
小さな役を「後退」と感じるジョーイと、変化を受け入れる言葉
ジョーイはエージェントのエステルから、タクシー運転手2番という役のオーディションを用意したと聞かされます。役の小ささに納得できないジョーイに、エステルはこう言います。
Estelle: Things change. Roll with them.
(物事は変わるものよ。流れに乗りなさい。)
Joey: But this is a two-line part.
(でも、これ台詞2行の役だぜ。)
Joey: That’s like taking a step backwards. Uh, I’m not gonna do this.
(後戻りするようなもんだよ。えっと、俺はやらない。)
Friends Season2 Episode19(The One Where Eddie Won’t Go)
Roll with them. は roll with ~(〜に合わせて動く、うまく受け流す)の形で、them は直前の things(物事)を指します。変化に逆らわず、受け入れて進むよう促しています。Things change. と短い2文を重ねています。
ジョーイの two-line part は「台詞が2行の役」で、part はここでは「役」の意味です。take a step backwards は「一歩後退する」で、仕事や立場が前より悪くなることのたとえとして使われます。I’m not gonna do this. は「これはやらない」と、はっきり断る一言です。前向きな助言と、それを受け入れられない気持ちが、最初の場面から向き合っています。
「I’m just being realistic」と「Hang in there」の食い違い
ジョーイの部屋で、カードの請求書を開けたジョーイは、その額に驚きます。ロスはオーディションを受けるよう勧め、ジョーイは「批判的で、見下していて、理屈っぽい」と言い返します。そのあとの二人のやりとりです。
Ross: Look, I’m not being any of those things, okay?
(なあ、俺はそのどれでもないよ、いいか?)
Ross: I’m just being realistic.
(現実的に言ってるだけだ。)
Joey: Well, knock it off.
(じゃあ、それやめろよ。)
Joey: We’re supposed to be friends.
(俺たち友達だろ。)
Ross: I am your friend.
(友達だよ。)
Joey: Well, then tell me things, like like “Joey, you’ll be fine” and “Hang in there” and-and “Something big is gonna come along. I know it.”
(だったら言ってくれよ、「ジョーイ、お前なら大丈夫」とか、「踏ん張れ」とか、「何か大きいのが来るって。俺には分かる」とかさ。)
Ross: But I don’t know it, what I do know is that you owe $2,300 at Isn’t It Chrome-antic?
(でも、それは分からない。分かってるのは、お前があの店に2,300ドル借りてるってことだ。)
Friends Season2 Episode19(The One Where Eddie Won’t Go)
I’m just being realistic. の be being ~ は、「今は〜な態度をとっている」と一時的なふるまいを表す形です。just が入ることで「現実的に言っているだけ」と、厳しく聞こえる言葉に弁明を添える働きになります。
ジョーイが挙げる Hang in there. は「踏ん張って」「あきらめないで」という励まし、You’ll be fine. は「大丈夫だよ」、Something big is gonna come along. の come along は「現れる、やって来る」で、大きなチャンスが来ると伝える表現です。tell me things like ~ で、言ってほしい言葉を例として並べています。
realistic が見通しを伝える言葉なのに対し、Hang in there は見通しよりも相手の気持ちを支える言葉です。ロスはジョーイが最後に付け足した I know it を、But I don’t know it とそのまま打ち消して返します。同じ「友達として」の言葉でも、どちらを先に置くかで受け取られ方が分かれる場面です。
「I’m just saying」から「I wasn’t right」まで
話はさらに続き、ジョーイが話を止めます。
Ross: Okay, well, then, get some sense. I mean, it took you, what, ten years to get that job?
(分かった、じゃあ、少しは分別を持てよ。だって、あの仕事を取るのに、えっと、10年かかったんだろ?)
Ross: Who knows how long it’s gonna be till you get another?
(次が見つかるまで、どれだけかかるか分からないだろ?)
Joey: Look, I don’t wanna hear this right now.
(なあ、今はそんな話聞きたくないんだ。)
Ross: I’m just saying–
(俺はただ言ってるだけで……)
Joey: Well, don’t…just say.
(じゃあ……ただ言うのもやめろ。)
Ross: You know, maybe, maybe I should just go.
(あのさ、たぶん、たぶん俺はもう帰った方がいいな。)
Friends Season2 Episode19(The One Where Eddie Won’t Go)
I’m just saying は「ただ言っているだけ」と、悪気はないと添えるときに使われます。ジョーイはその just say を取り出して「ただ言うのもやめろ」と返し、Maybe I should just go. で言い合いが切り上げられます。
後日、ジョーイの部屋から持ち物が運び出されている場面で、ロスがやって来ます。
Joey: I guess you were right.
(お前の言うとおりだったみたいだな。)
Ross: No, look, I wasn’t right.
(いや、なあ、俺は正しくなかった。)
Ross: That’s what I came here to tell you.
(それを言いに来たんだ。)
Ross: Uh, I…I was totally hung up on my own stuff the other day.
(あの、俺……この前は自分のことで頭がいっぱいだったんだ。)
Ross: No, listen, I’m someone who needs the whole security thing, you know?
(いや、聞いてくれ、俺は安定ってものがないとだめな人間なんだよ。)
Ross: To know exactly where my next paycheck is coming from but you, you don’t need that
(次の給料がどこから入るか、ちゃんと分かってないとさ。でもお前は、お前はそれがいらない)
Ross: And that’s amazing to me.
(それが俺にはすごいと思える。)
Ross: I could never do what you do.
(俺には、お前みたいなことは絶対できない。)
Friends Season2 Episode19(The One Where Eddie Won’t Go)
I guess you were right. で相手の言い分を認めたジョーイに、ロスは I wasn’t right. と自分の言い分を自分で取り消します。That’s what I came here to tell you. は「それを言いに来た」と、来た目的を先に伝える形です。
be hung up on ~ は「〜にとらわれる、〜で頭がいっぱいになる」という意味で、自分の事情で話していたと認める言い方になっています。最後の I could never do what you do. で、相手の生き方を認め直し、ジョーイは「ありがとな」と応えます。このあとジョーイは、オーディションには行ったものの受からなかったと話します。
まとめ|見通しを伝える言葉と、気持ちを支える言葉
I’m just being realistic は見通しを伝える言葉、Hang in there や You’ll be fine は気持ちを支える言葉です。言い過ぎたときは I wasn’t right で取り消し、相手を認め直すことができます。
ロスとジョーイの言い合いと仲直りを思い出しながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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