海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン3第7話は、ジェーンとリズボンが、呼ばれた理由をはっきり知らされないまま、ある会社に着く場面から始まります。
「どうして自分たちはここにいるのか」と聞かれて、答えを知らないとき、英語ではどう返すのでしょうか。冒頭の会話とそのあとの二つのやり取りから、分かっていることだけを伝える言い方と、役割の範囲を示す言い方を見ていきます。
「Why are we here?」現場に着いて理由を尋ねる
冒頭、ジェーンは現場らしい様子が見当たらないと述べてから、リズボンに理由を尋ねます。
Jane: I see no yellow tape, no solemn cops. Why are we here, Lisbon?
(黄色いテープも、いかめしい顔の警官も見当たらないな。どうして僕たちはここにいるんだい、リズボン?)
Lisbon: I don’t know, Jane.
(分からないわ、ジェーン。)
— All I know is the director called me at 4:30 a.m.
(分かっているのは、ディレクターから午前4時30分に電話があったことだけ。)
The Mentalist Season3 Episode7 (Red Hot)
yellow tape は黄色い立入禁止のテープ、solemn は「厳粛な」「いかめしい」という意味の語で、ここでは警官の様子を形容しています。I see no ~ は「〜が見当たらない」という言い方で、no yellow tape, no solemn cops と no を重ねて、あるはずのものがない状況を並べています。そのうえで Why are we here? と疑問につなげる流れです。
リズボンの I don’t know. は、短く知らないと答える形で、末尾にジェーンへの呼びかけを添えています。そのあとの発言に出てくる All I know is ~ は、直訳すると「私が知っているすべては〜だ」で、「分かっているのは〜だけ」と、知っている範囲を限る言い方です。I don’t know. のあとに All I know is ~ を続けると、知らないと答えたうえで、知っている事実を一つだけ示す組み合わせになります。時刻は at 4:30 a.m. のように at を付けて言います。
理由を知らないと答えるとき、I don’t know. で終えずに All I know is ~ で事実を添える形があることが分かります。
「head of security」肩書きで声をかけ、役職を名乗る
そこへ別の人物が現れ、2人に声をかけます。
— Agent Lisbon. Mr. Jane.
(リズボン捜査官。ジェーンさん。)
Drucker: Hi. Garth Drucker, head of security for Mr. Bajoran.
(どうも。ガース・ドラッカー、バジョラン氏の警備責任者です。)
— Guess I nap for freedom a little later.
(自由のための昼寝は、もう少しあとになりそうだ。)
The Mentalist Season3 Episode7 (Red Hot)
最初の Agent Lisbon. Mr. Jane. は、肩書きや敬称に名字を添えただけの呼びかけです。そのあとの名乗りは、ガース・ドラッカーが会社の警備の責任者として自己紹介する形になっています。名前を言い、続けて head of security と役職を示し、for ~ で誰のための役職かを添えています。名前、役職、仕える相手の順に並べると、短い一文で自分の立場が伝わります。
最後の一言は、この場面の前に出ていた「nap for freedom」という昼寝の冗談を受けたものです。a little later で「少しあとに」と先送りし、Guess ~ は I guess ~ の I を省いて「〜ということになりそうだ」と軽くまとめています。このあと、会社の幹部あてに脅迫が届いたことが説明され、2人が呼ばれた事情が少しずつ見えてきます。
「that someone must be very powerful」指名した人物を推測する
呼ばれた事情が語られる中で、ジェーンは、自分とリズボンを指名したのがどんな人物かを推測します。
Jane: Well, someone asked for Agent Lisbon and me specifically, and that someone must be very powerful, probably very rich, someone like, uh–
(ええと、僕とリズボン捜査官を名指しで呼んだ人物がいる。その人物は相当な力の持ち主に違いない。おそらく大金持ちだ。たとえば、ええと──)
The Mentalist Season3 Episode7 (Red Hot)
asked for ~ specifically は「〜を名指しで求めた」という言い方です。そこから must be ~ で「〜に違いない」と、確信に近い推量を述べています。probably very rich は、推量にもう一段の見立てを足した部分で、someone like, uh– と例を挙げかけたところで言葉が途切れています。
別のやり取りには、自分たちの役割の範囲を示す言い方があります。
— Mr. Mashburn, we’re sworn officers of the law. We’re not your own personal private investigators.
(マッシュバーンさん、私たちは宣誓を済ませた警察官です。あなた専属の私立探偵ではありません。)
— Well, when I heard Yuri was in trouble, naturally I wanted the best in law enforcement.
(ユーリが困っていると聞いて、当然、法執行の最高の人材を望みましたよ。)
The Mentalist Season3 Episode7 (Red Hot)
sworn は「宣誓した」という意味で、officers of the law は法の執行にあたる人を指します。自分たちの立場を述べたうえで、We’re not your own personal private investigators. と、個人のために動く立場ではないと線を引いています。own、personal、private と近い意味の語を重ねて、「専属の」という点を強めていると読み取れます。
返す側は naturally で「当然」と理由を述べ、the best in law enforcement と持ち上げながら話を押し返しています。断る言葉に対して、理由を丁寧に述べて返す形は、立場の違う相手との会話で使われる組み立てのひとつです。
まとめ|知っている範囲と立場を言葉にする英語
I don’t know. に All I know is ~ を添える答え方、head of security の名乗り方、must be ~ による推量、We’re not your own personal private investigators. の線引きを見てきました。理由が分からない場面でも、知っている範囲と自分の立場を言葉にする方法がいくつもあります。
次回も『メンタリスト』と一緒に、場面ごとの英語を見ていきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の英語がより立体的に見えてきます。


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