「empty vessels」と「how thrilling」で学ぶ、はぐらかしの英語|『メンタリスト』S02E23で学ぶ英会話

『The Mentalist』コラム: 「empty vessels」と「how thrilling」で学ぶ、はぐらかしの英語|『メンタリスト』S02E23で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『メンタリスト』シーズン2第23話は、複数の事件が並行して進む捜査の様子が描かれる回です。今回の記事で取り上げるのは、事件現場から少し離れた場所で行われる聴取の場面で、大学の教授が捜査官の質問をやんわりとかわしながら受け答えをする、独特の言い回しです。

深刻なはずの聴取の空気を、どこか他人事のように受け流す独特の話しぶりに注目しながら、はぐらかしの英語表現を見ていきます。二つの聴取シーンに共通するのは、軽やかな口調の作り方です。

目次

「empty vessels」-学生評に見える皮肉めいた言い回し

ある学生の指導教員だった大学教授への聴取シーンです。学生の名前を確認されると、教授はどこか投げやりな調子で学生への評を口にします。

But not as clever as she likes to think she is. But none of ‘em are, are they? Ha!
(本人が思っているほど賢いわけではないけれどね。まあ、誰だってそんなものでしょう? はは。)

The Mentalist Season2 Episode23 (Red Sky in the Morning)

none of ‘em(none of them)は、対象をひとまとめにして評する言い方で、are they?という畳みかける疑問形とともに、軽い皮肉のこもった調子を作っています。最近の様子に変化がなかったかを尋ねられても、教授はさして関心を払っていない様子で応じ、続けてこう言い添えます。

They’re all empty vessels to be filled with knowledge.
(学生なんて、知識を注ぎ込むための空っぽの器のようなものよ。)

The Mentalist Season2 Episode23 (Red Sky in the Morning)

empty vessel(空っぽの器)は、中身のない容器を表す言い方です。ここでは学生一人ひとりの個性よりも、知識を注ぎ込む対象として一括りにする、距離のある見方が表れています。深刻な聴取の場であるにもかかわらず、淡々とした調子で持論を語る様子が、教授の受け答えの特徴として見えてきます。

「how thrilling」と「summon that kind of passion」-聴取を茶化す切り返し

あらためて聴取を受けた教授は、容疑者として扱われたことを面白がるような調子で応じます。

Oh, how thrilling!
(あら、なんてスリリングなのかしら!)

Am I a suspect? Are you?
(私が容疑者ってこと? あなたはどうなの?)

I’d like to think I can still summon that kind of passion.
(まだそのくらいの情熱を呼び起こせると思いたいものね。)

The Mentalist Season2 Episode23 (Red Sky in the Morning)

how thrillingは「なんてスリリングなの」という驚きの言い回しで、本来は緊張や興奮を表す表現ですが、ここでは深刻なはずの状況を茶化す皮肉めいた使い方です。summonは「呼び起こす」という意味の動詞で、summon that kind of passionは「そのくらいの情熱をかき集める」というニュアンスになります。質問をそのまま質問で切り返したうえ、自分にまだ情熱があるかのように話を茶化す、余裕たっぷりの受け答えです。ところが、あらためて当夜の所在を尋ねられると、教授は一転して素っ気なく答えます。

Home. Alone. Reading a murder mystery, actually.
(家よ。一人で。実はミステリー小説を読んでいたの。)

The Mentalist Season2 Episode23 (Red Sky in the Morning)

軽妙なはぐらかしのあとに続く、あっさりとした一言です。あれこれ茶化していた口調から一転、必要な事実だけを淡々と述べる切り替えの早さが、この教授らしい受け答えとして見えてきます。

まとめ|はぐらかしの言い回しに宿る、軽妙な間合い

empty vesselsは学生を評する皮肉めいた比喩表現、how thrillingは聴取を茶化す反応、summon that kind of passionはそれに続く軽口です。深刻な場面をあえて軽く受け流す言い回しから、緊張と余裕の絶妙な間合いが読み取れます。

次回も『メンタリスト』の会話から、はぐらかしのニュアンスが伝わる英語表現を見ていきましょう。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。

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