海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン2第4話には、聞き込みに向かう道すがら、ジェーンとリズボンがオートバイをめぐって価値観の違いを語り合う場面があります。今回はこの短いやり取りから、”I fail to see the charm”と”the glamour of”という言い回しに注目し、好みや価値観の違いを語る英語表現を読み解きます。
事件から少し離れた、二人の気安いやり取りに目を向けていきます。
「I fail to see the charm」-素っ気ない一言
聞き込み先に着いた二人が、停まっているオートバイを前にやり取りを交わします。
Jane: Beautiful, huh?
(綺麗だろう?)Lisbon: No, not really. I fail to see the charm.
(いや、別に。魅力がわからない。)The Mentalist Season2 Episode4 (Red Menace)
fail to see ~ は「~がわからない、~が理解できない」という意味の表現です。failは「失敗する」という意味でおなじみですが、fail to doの形で「~しそこなう」というニュアンスを添える働きをします。fail to see the charmは直訳すると「魅力を見出すことに失敗する」となり、「魅力が自分にはわからない」という素っ気ない感想を伝える言い回しになります。I don’t see the charmと言うよりも、fail toを使うことでやや硬めの、突き放したような響きが加わるのが特徴です。オートバイに見入るジェーンとの温度差が、この一言によく表れています。
「the glamour of ~」-移動の自由という魅力
素っ気ない返事にもめげず、ジェーンは持論を続けます。
Jane: It’s the glamour of mobility.
(移動の自由という魅力なんだ。)The Mentalist Season2 Episode4 (Red Menace)
the glamour of ~ は「~という魅力、~の華やかさ」を表す言い回しです。glamourは見た目の華やかさだけでなく、ある物事が持つ漠然とした憧れや魅力を指す言葉としても使われます。mobility(移動の自由、機動性)という抽象的な概念にglamourを結びつけることで、オートバイという乗り物そのものよりも、それがもたらす自由さに価値を見出しているジェーンの考え方が伝わってきます。この後ジェーンは聖書のカインとアベルの逸話を持ち出しながら持論を展開し、リズボンの懐疑的な相づちに次のように応じます。
Jane: Yeah. Nomads—sexier than farmers. They have romance.
(そうさ。遊牧民は農民よりセクシーだ。ロマンがある。)The Mentalist Season2 Episode4 (Red Menace)
nomad(遊牧民)とfarmer(農民)という対比を持ち出し、定住しない生き方にromance(ロマン、情緒的な魅力)を見出す発想は、fail to see the charmと返したリズボンの実務的な感覚とは対照的です。同じ対象を前にしても、そこに何を見出すかは人それぞれだということが、この短いやり取りから伝わってきます。
まとめ|同じものを前にした、異なる感じ方
fail to see the charmは魅力が理解できないという素っ気ない感想を、the glamour of ~はある物事に見出す漠然とした魅力を表す言い回しです。ふたつの表現からは、同じ対象を前にしても価値観によって感じ方が分かれる様子が読み取れます。
『メンタリスト』の世界を通して、こうした価値観の違いを語る言い回しにもこれからも触れていきます。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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